33話 エリック-3 《間話》
☆22話 エリック-2の続きです。
【前回までのあらすじ】
兎狩りに飽きた男は王都に旅立った。それでもやっぱりリア充だった。
それから2年が経った。
ルエレの村を旅立った僕は、無事王都に辿り着いた。
そして―。
王都に着いてからの僕の生活は――、それはもう一変した。
村での生活が、遠い昔のように感じる。
僕は今、ルガード王国騎士団、第47分隊231班に所属している。
そう。
あの日、村を旅立ってから入団試験を受け、僕は合格することができたのだ。
なぜ合格できたのかは――僕もいまいちわからない。
様々な幸運が重なったと思っている。
この国は王国だけれでも、近隣諸国とは違い貴族制ではない。
政治も騎士団も実力主義の国らしい。
これは、この国を建国した初代国王の生まれが平民であり、そう定めたのだとか。
僕に実力があったかと謂われれば――正直、自信がない。
入団試験は厳しかった。
体力試験はぎりぎり及第点。
面接では、自分の全てを正直に話した。
自分の生い立ち。
生まれた村やこの国を守りたいこと。
今より強くなりたいこと。
不遇な環境とその中で努力し続けてきたこと―。
その甲斐あってか、熱意をかわれ、面接はまずまずの評価だったらしい。
これは後から聞いた話だ。
特に職業が冒険者で、体力試験をパスしたことはかなり驚かれた。
しかし決して成績は良くなかった為、実力主義の騎士団では合格しても苦労するだろうと伝えられた。
確かに騎士団は実力主義だ。
しかし、それだけではいけない。国に仕えようとする忠誠心、強くなろうとする意思、そして誠実さが求められる。
それでも気持ちに変わりがないことを伝えると、面接は終了した―。
☆ ☆ ☆
騎士団に所属してからの日々は多忙を極めた。
一日中、鍛錬に勉強に、仕事――。
仕事は見回りや警備、迷宮での魔物討伐、さらに緊急の出動が主なものだ。
簡単に言えば、ひたすら食べて、動いて、泥のように眠る。
これを繰り返す。
ひどい言い方だが、これが一番しっくりくる表現だ。
週に一度、休みはあるが―。
入団した頃はあまりに疲れており、休日は何もできなかった。
半年程経つと、王都の町に出かけるくらいはできるようになった。
更に、一年も過ぎる頃には
休みの日に自主的に鍛錬したり、勉強したりしていた。
正直、ここまで忙しいとは思ってなかった。
というより。僕は田舎者だし、冒険者で弱い。
勉強もほとんどしたことがなかった。
そんな僕が騎士団で上手くやっていけるのか不安だったのだ。
たまに村へやってきたギルドメンバーみたいに、馬鹿にされるんじゃないかと思ってた。
うん。たまにそんな人もいた。
それは事実だ――。
だが、正直、皆それどころではなかった。
教官の指導についていくのに必至だったのだ。
食事の時間は会話すらなかった。
休日は――先ほど話した通りだ。寝てばかりいたのは僕だけではない。
そして、あれよあれよと言う間に新人の同期と別れ、それぞれ所属の決まった班に配属された。
教官から開放されると安堵していた同期は少なくなかった。
――。
うん―。
だが、本当の地獄はここからだった。
新人という肩書きがなくなり、騎士団の先輩達と同じ扱いになる。
鍛錬も仕事もなにもかもだ―。
それからのことは――。
思い出したくもない。
うん。やめよう。
楽しいことを考えるんだ。
そうだ。
ミリィとルーネは元気にやってるらしい。
王都に来てから、手紙のやりとりを始めたのだ。
僕の家と畑はミリィが管理しているそうだ。
そして畑仕事は2人でやっているのだとか。
本当に、ありがたいです。
2人には何か贈ることにしよう――。
【ステータス紹介②】
体力・・・生命力を表す。所謂、HP。これが0になると死亡。
魔力・・・所謂、MP。これが0になると魔法が使えない。
その場合、疲れて動けなくなるということはない。
スタミナ・・・活力を表す。これが少なくなるとフラフラになり動けない。
0になると気絶する。
体力自然回復力・・・日中、活動中に僅かずつ体力が回復する。
休憩/睡眠中には更に回復量が上がる。
魔力自然回復力・・・同上。
職業、僧侶/魔法使いで回復量が上がる。




