第3話 王都へ行く
『狩人』、便利だな。百発百中で獲物に当たるから、肉に不自由しない。爺さんは知識くれたけど、食事はほぼ野菜だったからなぁ。成長期の男としては肉を食いたかったんだよな。
矢は自分で調達。弓は爺さんの小屋にあったやつを拝借。いや返さないと思うけど。カリパクなのか?矢がなぁ?なかなかいいものなくて。使いまわし。おかげで匂いか?俺のそばに獲物が寄らなくなった。でも狩人は視力いいんだもーん。遠くても当てちゃうもん。
そんなことをしながら、旅の『狩人』として俺は一路王都ってやつを目指した。イマドキスキルを神殿で見るという風習は王国の中でも相当の田舎らしい。あの村は田舎だもんな。
王都に着いた。
完全に俺はおのぼりさんだろう。
しかしだ、俺には『勇者』スキルがある何の役に立つんだと思っていたが、当代の『聖女』様と婚約するのが『勇者』スキルを持つ者らしい。聖女というからにはとびきりの美女なんだろうと期待してしまうのが男心。いや、聖女の方だって『勇者』に美丈夫を期待しているだろう。
対面することとなった。
ここは王都の神殿らしい。田舎の神殿とは大違いだな。
「…」
期待外れだった…。醜女ではないが、期待していた分悲しくなる。のはお互い様のようで、互いにため息の対面になった。
「『聖女』というスキルは何をするのですか?」
「えーっと、水を聖水に変えたり、祈りをささげることでこの国の五穀豊穣を…」
「祈る場所は神殿に限るのか?」
「そんなことはありませんけど…」
俺は和解の握手のフリをして『聖女』のスキルを盗んだ。
「あなた、今何を…」
「何、ちょっと『聖女』のスキルを盗んだだけだ。じゃあな」
『勇者』と『聖女』のスキルを一人の人間が持ってたら結婚なんか無理だろう?
俺は神殿を後にした。要は毎日祈りまくっていればOKだろ?単なる水が聖水になるってのはアンデッドにいいなぁ。なにしろ無償で聖水が手に入るんだから。チョロいなぁ。
俺は王都のギルドを目指した。ギルドで冒険者登録をするのもそうだが、ギルドにいる者で使えそうなスキルを持ってるやつのスキルをどんどん盗もう。
そう思い、天に祈りをささげた。神?いるなら田舎の神殿にスキルを調べるなんて風習を残しておかないね。俺は完全な無神論者だ。この世に神なんかいない。




