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影の皇帝と運命の恋 ~恋した人は実の弟だった⁉苛酷な運命に飲まれる二人の未来はどうなるのか?  作者: らな


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第55話 ミエイ湖

ガタッ


ボートが大きく傾いた。


「きゃあ!」

セレナは咄嗟に大きく傾いたボートのへりに掴まった。


今、まさに湖に身を沈めようとしていたとしても、突然の衝撃に対し身体は本能的に自分の身を守ろうと動いた。


「さっきの魚か・・・」

ルクスが湖をみながら呟いた。

大きな魚がボートにぶつかったようだ。


ボートが揺れた衝撃で、首にかけていたネックレスがワンピースの胸元からこぼれ出た。


「!」


日の光を浴びキラキラと青緑に輝く宝石を見て、セレナはヴァレンティンにいる両親とヴィクトルのことを思い出した。


セレナが救う大陸の人たちの中には、愛する家族も含まれることを思い出したのだ。


「あ・・・」


ネックレスを握りしめ涙を流すセレナをルクスはじっと見つめた。


「ごめん。僕もどうかしていた。僕らがいなくなればフェリクスたちに責任が行くだけだ。それに信頼して送り出してくれた叔父上を裏切るところだった。」


ルクスの言葉にセレナは泣き笑いの表情で頷いた。

「・・・・・・そうね。」


その後、セレナがボートを漕いだり、ボートに積まれていた釣り具で魚釣りに挑戦したりして遊んだ。

そして、湖の上でお昼ご飯を摂った後、岸に戻った。

ボートを降りると岸辺にそびえ立つ大木の下に並んで座り、静かに青い湖を眺めた。


太陽が傾き始めるころ、どちらからともなく立ち上がり城へと戻った。

城で出迎えてくれたヴィクトルは、戻ってきた二人を見てホッとした表情を浮かべた。

事情を知らなくても、二人の間に漂う微妙な空気を何か感じていたのかもしれない。


夕食の後は、日中の疲れからか二人共早く眠りにつくことが出来た。





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