第40話 女王の魔力
「オストマルクは北の魔獣地帯に接している所が少なくて、カルディアスで一番魔獣による被害が少ない安全な領地なんだ。でも、他の領地は石像による結界があっても魔獣が入り込むことがある。」
朝食時、ジュストが真剣な表情で話しかけてきた。
「魔獣は女王の魔力を敵と認定するからね。皇帝がいれば、一番初めに狙われる。オストマルク以外は私も近衛を連れて行ってたんだ。セレナもそうした方がいい。」
セレナはブルッと震えた。
「そんなしょっちゅう魔獣に襲われるのですか?」
「皇帝が訪れる前に、石像付近に魔獣が入らないよう対策は取られるから頻度で言えば十年に一度あるかどうかぐらいだ。でも、魔力を補充する直前は結界が緩みやすい時期でもあるからね。油断は出来ないんだよ。」
セレナも真面目な顔で頷いたのだった。
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ソレスを含む近衛五人を連れて行ったが、結局ロレンソでは何も起こらず、魔力注入で倒れることもなかった。
「セレナは魔力の扱いが上手だね。魔力も多いのかな?私も上手な方だと言われていたけど、最初の年はよく倒れたり、気分が悪くなったりしたものだよ。最近でも、直後は魔力切れを起こして一、二週間寝込むことがあったのにセレナはケロッとしているね。」
ジュストが不思議そうな表情を浮かべた。
「ルクスにも言われました。女性の方が女王の魔力が馴染みやすいのかもしれないと。」
「ああ、その可能性はあるね。」
ジュストも腑に落ちたように頷いた。
「理由は分からないけど、とにかく君が辛そうでなくて良かったよ。石像への魔力注入はこれからも問題なくこなせそうだね。」
魔力の補充は皇帝の仕事で最も重要なものだ。
ジュストが安心したように笑った。




