第七十六話 作戦
俺の説明を聞き終えたコル爺は、自分の顎髭を撫でながら答えた。
「なるほどのう、裏ギルドのアジトがメイカーにあったとはのう、じゃが恐らくそのアジトもこの大陸中にある中の1つでしかないじゃろうな」
「どう言うことだ?」
俺はコル爺にそう聞いた。
「裏ギルドはこの大陸のあらゆる国に、根を張っておる、アジトなんてのは、そこら中にあるじゃろう、じゃからそこのアジトの奴らを倒しても、裏ギルド自体は無くなる事はないじゃろうな、捕らえた奴らは、何か言ってなかったかのう?」
コル爺の問いに、俺達は尋問を行なったサーラの方を向いた。
「ああ、うん、さっきは簡単な説明しかしなかったけど、他にも色々聞いたよ、私が尋問した奴らも、他の国にもアジトがあるって言ってたけど、全部のアジトの場所は知らないらしいね、それと、東の山にあるアジトには、エイブって名前の幹部がいるらしよ」
視線に気づいたサーラはそう説明をした。
「エイブ、知らないな、知ってるやついるか?」
俺は全員の顔を見回しながら聞いた。そうしたら、リオンがエイブの事を知っていたようだ。
「多分そいつ、斬り裂きエイブだね、いろんな国で賞金首になってるよ」
「斬り裂きエイブ?」
俺は疑問を口にした。
「ああ、これはまあ、私達の2つ名と似たようなものだよ、エイブは人を殺す時に、必要以上に斬り裂く事からそう呼ばれているらしい、だけど、裏ギルドの幹部っていう情報は無かったよ」
俺の疑問には、リオンがすぐに答えた。冒険者以外でも2つ名がつくことがあるんだな。
「なるほどな、だけど良く覚えてたな」
「一応いつでも対処出来るように、賞金首の顔と名前とある程度の情報は記憶してるからね、賞金首のリストは、ギルドで見ることが出来るから、今度見てみるといいよ」
「ああ、そうしてみる」
今度ギルドに行った時に見てみるか。
「ああ、それと、依頼主の名前も聞き出したよ、これはなかなか言ってくれなくて、大変だったけどね、リアナちゃんの誘拐を、裏ギルドに依頼したのは、クラウス・フェルモンドっていう、帝国貴族らしいよ」
その名前を聞いて、俺達シークレットは少し動揺してしまった、それはリアナから聞いていた、リアナの父の名前だからだ、だがリアナ本人は、落ち着いている。
「どうかしたの?」
「いや、何でもない、それで俺達はこれから、どうする?」
サーラは俺達の様子を見て、そう聞いて来たが。俺は誤魔化して別の話題に話しを変えた。
「それなら、少数でアジトを叩くしかないじゃろうな、時間がたてば勘付かれて、逃げられてしまう可能性があるから、すぐに向かった方がいいじゃろう」
「少数って、俺達だけでってことか?」
流石にそれは、きつい気がするが。
「そうするしか、ないじゃろうな、ギルドに依頼を出すのも、国王に言って兵士を向かわせるのも、時間がかかり過ぎてしまうからのう、サーラ、東の山に、あるアジトは具体的にいくつなんじゃ?」
「全部で6個のアジトがあるらしいよ、場所もメモってあるから、バッチリ、それとエイブがいるアジトの場所も分かるよ」
サーラは簡単な地図の様な物が書いてある、紙を出しながら言った。
「なるほどのう、レン君達だけじゃ、ちときついかのう?」
「いや、それぞれ別れて、アジトを叩けばいけるんじゃないかい?」
コル爺の言葉にリオンはそう言った。
「別れるって言っても、狙われてるリアナを1人にするのは危険だぞ?」
「うーん、そうだな、じゃあ、私とサーラとフレアはそれぞれアジトを潰して、レンとリアナとレーナで、幹部のエイブがいるところを潰してほしい、残りの2つは早く終わった、人が向かうって事でどうだい?」
俺の指摘に、リオンはそう提案してきた。
「それなら、儂も1つ担当しよう」
「コル爺が?」
コル爺のその提案に、コル爺を除く全員が驚いた顔をしている。
「一応形になった魔導砲も試してみたいしのう、まあそれはついでで、戦力には儂が作った、魔導兵を連れて行くから、大丈夫じゃ」
「魔導兵ってなんだ?」
初めて聞く言葉だな、名前からして、魔道具で出来た、兵士か?
「儂が作った、魔道具で出来た兵士じゃよ、コストがかかりすぎて、まだ数体しか、作れておらんが、戦力としては、充分じゃ」
「それじゃあ、1つをコル爺に担当しては貰って、余った、1つはさっきリオンが言ったように、早く終わった奴が、向かうって事でいいか?」
俺がそう聞くと、全員了解の返事をしてきた。




