第二十八話 ギルド王都支部
レーナ誘拐から数日、今日はギルドからの呼び出しがあったので宿で朝食を済ませた後ギルドに向かっている。あれからレーナにはまだ会っていない、王宮も色々とごたごたしていて今はあまり部外者が王宮に入らない方がいいらしい。
「そろそろ王宮のごたごたも収まったかな?」
「どうでしょうね、伯爵の裏切りだからそんなすぐには収まらないんじゃないかしら?」
「確かにな、おっ、ついたな」
俺達は話しを中断してギルドの中に入って受付に向かった。
「レンとリアナだ、ギルドから呼び出しがあって来たんだが」
「はい、分かりました、本人確認の為ギルドカードを提示して下さい」
俺とリアナはギルドカードを受付嬢に渡した。
「確認出来ました、ギルドマスターが奥で待っているのでこちらにいらして下さい」
「分かった」
奥に向かっていく受付嬢の後に続いた。二階の扉まで来ると受付嬢はノックをして中に声をかけた。
「ギルドマスター、レンさんとリアナさんをお連れしました」
「ありがとう、入ってもらって」
中はカルダムの街でギルドマスターと会った部屋と同じ構造でソファーが二つと机が一つあった。 受付嬢はすぐに部屋の外に出て行った為この部屋には俺達三人だけになった。
「はじめまして、冒険者ギルド王都支部のギルドマスターのクリストフです」
「はじめまして、Cランク冒険者のレンだ」
「同じくリアナよ」
タメ口で返したが特に気にはしていないようだ、王都のギルドマスターはカルダムの街のギルドマスターとは違って細身に眼鏡をかけていて戦闘は出来なそうだ、恐らく実務能力を買われてギルドマスターになったのだろう。
「とりあえず座って下さい」
俺達は席について聞く体勢になった。
「今日来て貰ったのはお二人のランクアップについてです、普通なら受付で終わらせてわざわざギルドマスターが言うことではないのですが今回は特別なのでわざわざ部屋まで来て貰ったのです」
「特別?」
「はい、私は国王様から先日王女様が誘拐された事を伺ったのですが、ああ、勿論口止めされているのでご心配なく、国王様からレンさんとリアナさんがとても活躍したと聞きましたね、それにCランクの依頼も問題なくこなせていますし、コルベール辺境伯の護衛依頼もかなりの数の野盗に襲われたのに守りきったと言うことも考慮してランクアップと言う事になりました」
俺はそれを聞いて疑問に思ったことを聞いた。
「冒険者ギルドは国からは独立した組織なんだろ?国王様の言葉とか関係あるのか?」
「独立しているとはいえ無関係ではないのです、私達は国からの徴兵などを受けませんがギルドに依頼をしに来るのは王国の国民の方達なのです、もしギルドが王国の不評を買い、ギルドに依頼を持っていくなと言われてしまえば私達ではどうしようもありません、依頼のこないギルドに冒険者が来るわけもなく、そうなるとそこの支部のギルドは潰れてしまいます、その責任はそこのギルドのギルドマスターや場合によっては職員にまでいく場合があるのです、なのでギルドとしては国から良い評価を得た冒険者にはそれに応じたギルドへの貢献度がプラスされてランクアップに近づけるようにしています、冒険者の評価はそのままギルドへの評価にも繋がりますからね」
「なるほど、それで今回プラスされた貢献度の分でランクアップに達したってことね?」
リアナの問いにギルドマスターは頷いた。
「はい、その通りです、なのでお二人はCランクからBランクへのランクアップになりました、おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」
「ありがとう」
俺とリアナは礼を言った。
「それでは私からの話しは以上です、下で受付嬢にギルドカードを渡せばランクアップ出来ますので」
「分かった」
俺とリアナは部屋を出て、一階でランクアップをした。
「今日はどうする?」
「依頼はいいんじゃないかしら今日はゆっくりしましょ」
「そうだな、そうするか」
俺達はギルドから出て街を歩いていると前から見たことある奴が歩いてきた。
「あっ、よかった、今丁度お二人のところに向かっていたんです、国王様がお呼びです」
「えーと、確か…」
その騎士は俺達を最初に王宮まで案内した騎士だった。
「騎士のネルソンです」
「そうだ、ネルソンだ、それで国王様が呼んでるんだっけか、まあ今日は暇だから問題ないな」
「そうね、レーナにも会いたいし」
「それでは向かいましょう」
俺とリアナはネルソンの後に続いて王宮に向かった。




