第二十七話 回復魔法
「王女様がお目覚めになられました」
俺とリアナは案内された部屋で暫く待っていると俺達を部屋まで案内した騎士が戻って来た。
「分かった、国王様は?」
「既に王女様の部屋でお待ちです」
俺とリアナはレーナのいる部屋に向かった。
「レン殿とリアナ殿をお連れしました」
「ああ、入ってくれ」
部屋の中に入るとベットの上で体を起こして座っているレーナとベットの横の椅子に座った国王様がいた。
「ご苦労、続けて悪いが他の騎士の手伝いに行ってくれるか」
「はい、失礼します」
そう言われた騎士は部屋を退室していった。
「レーナ、よかった目が覚めたんだな」
「はい、ご心配をおかけしました」
レーナはまだ少し辛そうだが答えてくれた。
「身体は大丈夫?」
「はい、少し魔力不足でだるい感じがしますが大丈夫です、そう言うリアナさんは大丈夫ですか?かなりの魔力を使ったと思いますが」
「私は心配しなくても大丈夫よ、レーナのおかけで最後の方は魔力をほとんど使わなかったから」
「いつまでも立って話していないでとりあえず椅子に座ったらどうだ?」
国王様にそう言われて俺とリアナは近くの椅子に座った。
「まず、最初にボニフェースの暴走を止めて貰ったことに感謝する、今までの物も含めて後で礼をさせて貰いたい」
「いえ、今回のはレーナの助けが無ければ倒せませんでしたよ」
「それでも礼は受け取って貰いたい、それで、ボニフェースがどうしてああなったのか説明して貰いたいのだが」
その言葉で3人の意識が俺に集中したのが分かった、俺は3人にあの時何が起きたのかの説明を始めた。
「まず、レーナには今使える1番威力のある回復魔法を使って貰った、それで回復魔法は傷を治すものだがボニフェースの傷は自分で再生させてた為にゼロだっただろう、その状態で回復魔法を受け続けた結果、身体がその回復魔法に耐えられなくなったんだ」
「回復魔法に耐えられなくなった?」
リアナが疑問の声をあげる。
「ああ、回復魔法で傷を治すって事は怪我の状態を怪我する前の状態にまで時間を戻すんじゃ無くて、怪我を治す性質の魔力を流し込んでるんだと思う、だけど怪我のない状態で魔力を流され続けたら?怪我を治す魔力は怪我がない為それを発散させる場所がなく体内に溜まってしまってそれのせいでああなったんだと思う、もともと体内にあった魔力じゃないから吸収もされないだろうしな」
「なるほど、でもよくそんな事知ってたわね、今まで回復魔法にそんな使い方があるなんて聞いたことも無かったわよ」
「私も聞いたことが無いな」
「レーナを助けに行った時に俺も回復魔法を使って貰ったんだけど、その時に体内に他の魔力が流れてきて、それが傷を治してるってなんとなく分かったんだ」
恐らく俺が魔力を感じとれたのは俺の体内に魔力が全く無いからだと思う、俺の収納魔法は神から貰ったもので魔力が無くても無限に使用する事ができるし、俺の体は1度神が作り直したとはいえ元通りに直しただけなので地球人の俺に魔力がある訳がない、でもそのおかげで体に無いものが入り込んできた為に感じる事ができた、この世界の人間は誰でも魔力を持っている、ただし量は人によって違う為、魔法を使える人と使えない人がいるらしい。それと回復による攻撃を思いついたのは良くおぼえていないが日本で見たアニメか漫画でそんな技を使ってるキャラがいたのを思い出したので試してみようと思ったのだ、なので作戦前にレーナに確認したのだがレーナも行けるかもと言った為に実行したのだ。
「あれ?でもレーナは作戦前にいけるかもって言ってたよな?こうなるのを知ってたのか?」
「そうなのか?マグダレーネ」
3人の視線がレーナに集中した。
「いえ、私も本当に成功する確信はありませんでした、でも前に本で読んだことがあったんです」
「本?」
「はい、私は王宮から出ることがほとんど無いので王宮の書庫の本を良く読んでいるのですがその中の本に書いてあったんです」
「そんな本書庫に置いてあったか?」
国王様がレーナに問いかける。
「はい、ですが回復魔法で攻撃する事が出来ると直接書いてあったのでは無くて、伝承の方にそれらしき記述があったんです」
「伝承?」
俺の疑問の声にレーナは続きを説明してくれた。
「はい、その伝承を簡単に説明すると、魔物との戦闘で毒をうけてしまった人がいたのですが、その人の仲間に光属性の魔法を使えるウィザードがいたんです、勿論そのウィザードは仲間を助ける為に解毒魔法を使いました、でもそのウィザードの腕ではその人の受けた毒が強すぎて治すことが出来ませんでした、すぐにその人は死んでしまいましたが、ウィザードの人は諦めきれずに今度はその人に回復魔法をかけ始めたのです、ですが死体がボニフェースの様に溶けて崩れ始めたのです、それを見た他の仲間の人達が死人を生き帰らせようとした為に神の怒りに触れたのだ、と言ったのです。その伝承では死体が溶けたのは神の怒りに触れた天罰と書かれていましたが、私はレンさんの作戦を聞いてこの伝承を思い出してもしかしたら回復魔法にはこうゆう効果があるのではと思ったのでいけるかもと言ったんです」
「なるほどな、ん?そいえば人を生き返らせる魔法って言うのはないのか?」
蘇生魔法なんかは、アニメとか漫画で良く聞くものだが。
「私は聞いた事は無いわね」
「確か白の神殿に住む龍が使えると言う伝説が残ってた気がするが本当かどうかは分からんな」
白の神殿に住む龍ってなんだ?俺が疑問に思っているとそれを察したのかリアナが小声で教えてくれた。
「赤の森に住む火龍みたいに、この世界にいる伝説の龍の内の一体よ」
「なるほどな、ありがとなリアナ」
俺はリアナに小声で礼を言った。
「つまり人を生き返らせる魔法は無いって事か?」
「そうですね、今のところありませんね」
とりあえず、話すのはこれぐらいか?俺は国王様に声をかけた。
「なるほど、まあ、話しはここら辺で今日は終わりにしませんか?レーナもゆっくり休ませた方がいいと思いますし」
「そうだな、聞きたかった事も聞けたし今日は終わりにしよう、レンとリアナには礼をする為に後日迎えを向かわせるので王宮に来て貰いたい、マグダレーネに会いに王宮に来ていた場合はその時に来てもらうかもしれんが」
「はい、分かりました、またなレーナ」
「ゆっくり休んでね」
「はい、お二人もちゃんと休んで下さいね」
俺達は別れの挨拶をして部屋を出た。




