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リトルオーガ in カレイドスコピカレード  作者: 雲渚湖良清
幼児の章【エピローグ】 青い児鬼の周りの人々
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黒と白の交錯

 『ぶるるるるる、ぶるうん』と唸り声を上げて獣働車が走る。ここはディムオウグ領を東西南北に貫く通称『十文字街道』の北側。名も北街道とそのまんまなネーネングが付けられた大通りである。

 大通りといっても、場所は『三の壕』を越えた酪農地帯なので人影はほぼ無い。南北の地平線までなだらかに続く幅三車線程度の道をチラホラと移動する行商人の影がせいぜいと言った感じである。


「すんすん……。曹長たん、こり辺りで止めてくれる」

「ほいよ、場所は見えたのかい?」

「ううんー、でも匂いが強くなったからねー。多分近くに在ると思うよーぅ」


 オープントップ型の獣働車に乗る者は三人。ハンドルを握る運転手は、メイン装甲を取り去ったインナー装甲をまとう礫級殻徒(ブリッツ)兵士。名をハンスといい、元々はこの辺りに実家を持つ農家出身の男である。

 後部座席に並んで座っていたのは肌の黒い少女が二人。ピンと伸びる長めの耳から、その肌色が日焼けではなく地の色だと解る。最近ディムオウグ領に定住しはじめたダークエルフの双子、チキとキキである。


「大きな水の匂いです。でも土の匂いはそんなに無いから、多分御館様の言う物だと思いますよ」


 現在、ディムオウグ領内はウルによって生活改善が行われている。ウルは血の契約で訪れた祭壇の前で領界との再リンクを行い、地質の変化を行う毎日なのである。

 しかしその成果はというと、正直、やや芳しく無いと言わざるをえなかった。

 セイルと違い、純粋にこの世界で生まれ育ったウルには今在る領界の姿が基準となる。そこを敢えて自分の望む形に変えるというのが、存外変化の基準が取れずに悩む部分なのである。


 加えて、既にディムオウグ領という形が数百年単位で成り立っているのも改善への障害となっている。

 セイルからの報告で、支配者が領界を変化させる工程には小さく無い地殻変動に似た地震が伴う。それは今ある施設への被害に繋がるため、実に微妙で細心の注意を払い、ゆっくりゆっくりと進行させなければならないという制限が必須であるためなのだ。

 しかも中心に近い場所の改造は完全に変化不可能。害敵に対する防御機能を前提に形作られた都市部は都市全体での強固性となっている。そこにはもう、新たに何かを加える余裕が一切無く、辛うじて出来た追加は街路の地下を利用した下水施設がやっとであった。

 その下水を活用するべき上水施設は未だ手付かずである。数ある井戸から地下水脈が存在するのは想像できるが、それを活用する上施設となるともう場所が無い。

 その手の発案を出せるであろうセイルはマリシアに隔離されているので現状は相談も出来ない。

 どうにも、何か大がかりな問題にセイルが関わると想定外なトラブルに繋がるとマリシアは確信しているようで、頑なにその手の話は差し止められるのである。

 そのために、ウルが取れた確実性のある手段は大規模な水源の作成と設置のみ。治水機能の根幹となる部分を、被害の少ない場所に作る程度の事だったのである。


 その場所がここ、三の壕内の人工森林地区の一角であった。

 一応都市部に水を引き込めるよう考えられたが、それは主題ではない。チマチマと支配者の能力を習熟中のウルが初めてする大がかりな改造である。どんな弊害が発生するかも含めての、練習としての成果であった。


 そして祭壇の間から離れれないウルの代わりに成果の確認となったのが、帰還後は雑用三昧に従事するハンスと、つい勢いで付いてきてしまっていたチキとキキの双子というわけだった。


「んーと、木で見えないけど、多分11時から12時の範囲内、距離は1キロは無いかなー」

「多分って言い方じゃないな、それ」


 ダークエルフの居住する領域は荒野から草原地帯が主となる。基本は乾燥しているので、大気に水気が混ざる変化には敏感なのだ。

 特に双子が生まれ育ったマグリの領域は中心部に巨大な森を蓄えており、乾燥と湿った地域が極端に分かれている。その独特な匂いの変化を記憶している双子の鼻は、違う土地であっても似た変化を示す部分を見事に感知してのけたのである。


「おおーっ、あったあったー!」

「ぱっと見、変な毒とかは無さそうな香りだね」

「お前等、そこまで解るんだ」


 見当をつけて街道から北西に移動してみれば、ものの数分で目的地を見つける。

 半径約1キロ程度の半円形をしたすり鉢。そんな印象の湧水湖である。まだここを水源とした設備を想定していないので、ここから流れる川は創られていない。


「状況的に被害らしいものは無いかな?」

「そーだねー。てか動物の反応は速いね。もう嗅ぎつけて集まってる感じかな」


 湖の縁に当たる場所には大木が何本も倒れている。それはこの場所が突如陥没した事の証明だ。水没した事で大半の木は湖底に沈んだようだが、水際には流れきれなかった木々がまるで花冠を編んだような組み合いをして残っていた。

 そしてそれを足場に、水面に口をつける動物類も集合していた。


「まあ嗅ぎつけるのは動物だけじゃないだろうな。確かこの辺りには弱めの魔物もいた筈だ。こっちに来る殺気は多分、そいつ等のなんだろうなあ」

「だねー、じゃ曹長たんは掃討よろしくー。あたし達は隠れるからー」

「御手間かけます、頑張ってください」


 そう言っている間に、チキとキキは共にその存在感を希薄にしていく。ダークエルフが種族的に有する特殊能力的な魔術『ハイド』である。

 闇の中なら素で隠れやすい暗色系の二人だが、逆に昼間の、しかも日の下となると非常に目立つ姿となる。しかしこの魔術が行使された途端、双子が何処にいるかをハンスは捉えれなくなった。少し注意して“居た”と感じた場所を見てみれば、実は単なる大木の一本である。

 実質、双子は魔術行使した場所から一歩も動いていないのだが、それすらハンスの脳裏からは判断材料として欠落しているのであった。

 そして、魔術の効果は現れた魔物にも発揮する。ハンスを囲んで襲おうと集まった魔物は五体。『ローガー』と呼ばれる狼型の魔物であり、視覚は弱いが嗅覚と聴覚は一般的な犬種の何十倍も上を行くと言う上位強者的な存在である。

 それがハンスの隣に普通に立つ双子を一切無視しての行動だ。如何に双子の能力が高いのかを証明していた。


 そしてハンスも、軽装備ながらも実戦経験豊富な殻徒兵である。最低限の装甲とはいえ、人族の領域で弱体化した魔物などに遅れをとる存在では無かった。

 ハンスに飛びかかる一体は逆に斬り捨てられ、そのタイミングに合わせた双子の暗殺術で二体同時に事切れる。あっと言う間に半数以下となった魔物の集団は、状況を認識し逃げる選択を取る暇も与えられず、アッサリと全滅するのであった。


「ふーん。この辺りの改造自体に問題は無いけど、利便性が良くなる事で魔物の被害とかは増えそうかな」

「あたし達は分かんないけどー、こんな魔物とかよく居る感じー?」

「元々は隣の四の壕から来るらしいんだよなあ、この辺り、普通に動物類も居るけど自由農民の酪農とか多いから、何とかして結界を越えて来るって話だ」


 本来、誰かが支配した領域にはその意思を害する存在は存在を否定され、消える。

 しかし何故か、明らかに害敵となる魔物が尽きる事は無い。何らかの理由で完全に掃討された後も、何時の間にか復活していたりするのである。

 古来から脅威とされるレベルの魔物は対象外だが、いわゆる、雑魚と区別される魔物は何度全滅させてもその繰り返しで、現状、見つけたら仕留めるという対処法しか効果がないのであった。


 ただそれは皇帝がまとめる人族領域での常識だ。元々魔族とすら親交を持つ地域出身の双子にすれば、出る魔物に区別できる基準があること自体が、実に珍しい事実なのだった。

 それ故に。


「ねえ曹長たん。変に強い魔物が居るのって、ここじゃおかしいんだよねー?」

「あたし達の事を観察してる魔物がいるのかしら……?」


 湧水湖とその周辺の確認も終わり、では帰ろうかと車を置いた通りに戻れば、ハンスは双子から妙な質問を投げかけられる。


「ん? どうしたんだ?」


 先程話した魔物の下り。その続きのように双子の視線は領界外縁の方向、つまのは四の壕の方角へと向けられていた。


「なんか変に魔力の大きい魔物から監視されてたっぽいんだよねー……」

「個体としては小さ過ぎて、はっきり確認できなかったんです」


 ハンスは(いぶか)しむ。双子の言葉の内容もだが、その視線の方向は真っ直ぐ北へであり、それは街道の上だという事だ。ここから先はあまり監視が行き届いているとは言えないが、それでも定期的に兵士の巡回もある場所であり、人族が大きな護衛を連れなくても各領域へと移動が可能な安全地帯だ。

 到底、未開の地で暮していた双子を緊張させるほどの魔物が出る場所ではないのである。

 しかし、“ソレ”は現れた。


「わおっ!?」

「速い?」


 真っ直ぐ続く街道といってもそれは前後にという意味で、上下に、という意味までは含まない。この辺りはなだらかな丘陵地帯で山とも言えない出っ張りと谷ともいえない窪みが点在する、領界としては典型的な作りの大地だ。中央へと向かって緩い上り坂な為にハンスや双子からは視界の通る平原に見えるが、それでも、天然の塹壕に近い雰囲気で身を潜められる場所はあるのである。


 恐らくは、魔物はそこに隠れて近づいたのであろう。正体不明の存在は双子の注意する方角とは少しズレた位置から地を這うように現れた。

 獲物は弱い方、とでも言うように進むのは素肌も露わなダークエルフの少女達だ。だからハンスには、出現した物を咄嗟に観察出来る余裕が生まれた。

 そして観察出来たからこそ、その存在に驚愕した。


 あまり大柄ではない馬のようなシルエット。しかし馬じゃないのは明らかで、その額からは波打ち伸びる角がある。体色は白。それはまるでユニコーンのようだが、とてもそうは見えなかった。なにせ全身、生物らしからぬ装甲で固められていたのだから。

 一瞬は白い毛並みと錯覚したが、それは塗装だ。過去の戦闘かで剥がれた箇所や剥き出しの関節部には鉄の地色が覗いているので、いわゆる鎧をまとわせた戦馬でないのも確実である。つまりはまともな生き物ではない。というより、はっきり言えば魔物では無いし生物じゃあ無い。

 作り物、である。


「うわ、なんで姫がここに!?」


 過剰なまでに馬を模した鋼鉄の四脚乗機。それはディムオウグの民に『殻馬』と呼ばれる騎乗兵器である。乗馬経験を持つ者ならばほぼ初見で乗れ、しかも本来の馬よりも運用コストが少なく持久力があるという画期的な新兵装だ。単に乗り手の魔力と体力が連続使用の限界であるため、馬にかかる経費モロモロが完全に無視できるのである。

 製造面での初期コストも、大量生産が可能となった現在。数年かかる馬の育成よりも遥かに楽になったと万人に喜ばれる、セイルの発案に珍しい傑作中の傑作である。


 が、その試作品に限っては、そんな手放しの称賛も除外される。

 単純に、試作時に壁級殻徒(ウォーラー)一体を潰して造られたという経緯があるためである。


 後の汎用型は礫級殻徒と同様、乗り手の魔力のみで可動するようコストダウンされた物だが、試作には殻徒本来の機能を持たせるために、過剰な魔力供給が導入してある。それが壁級殻徒の動力源、『魔蜃炉(ましんろ)』である。人では出しきれない大量の魔力で、殻徒に基本付与される『不壊の魔術』を完全起動させているのだ。

 そうして造られた試作四体は、全てディムオウグ家と懇意にする北方領域の公爵家へ贈答されている。

 更に言うなら、その試作の中の最初の試作体は、セイルの婚約者である公爵令嬢。『フレッシェア・ピンキィ・ヴィーツィック』専用として超がつくほど過剰な機能満載に作られているのである。


 ハンスが確認した物は、正にそんな『人魔一体』を前提とした超兵器なのである。

 個体名称は『ハバネロン・ミルフィーユ・アドヴァンス』。この世界においてどんな意味があるのかは未知すぎる名称である。


「魔族に(くみゅ)エルフ(えうふ)の恥め! 我が敬愛の地を(けにゃ)す前に蹴散らしてあげますわーー!!」


 他人の空似と欠片も誤解させない、舌っ足らず口調なピンキィ定番の暴走モード。ハンス自身は知らないが、酒の席でセイルのネタが出れば確実に語られる逸話の一つである。

 なのでこの状況がいきなり危険度マックスなのも把握出来る。


「うわぁ、チキにキキ! 兎に角逃げろ。すぐ逃げろ!」

「わきゃーーー!」

「解りましたーーー!!」


 存在的にも立場的にも『触れたら危険』そのものな状況である。……瞬時にそんな指示を出せたハンスは後にウルから特別褒賞されたレベルで。


 双子は最初から全開の逃走(ステルス)モードを取り、傍から見ればピンキィのみが何も無い空間をアッチコッチに走り回る風に観える。

 しかし実際は、かなり紙一重な状態でチキとキキが攻撃を掻い潜っているという実情だった。

 これは、ピンキィ自身は双子の位置を見失ったものの、何時も連れている三匹の魔物の感覚とリンクする事で状況把握の能力を人外化しているためだ。『事象感知能力』『限定的空間支配能力』『超立体機動能力』、エルフ特有の魔物を眷族化させる能力により、ピンキィは三つの(まもの)の能力を統合して使用できるのである。


「おやおや、そなたはソウリュウ様配下の殻徒兵でありましょうか?」


 街道脇で突如始まった異常な戦闘。それを完璧に無視するように、やたらとノホホンとした口調の詰問が飛んでくる。

 この場に殻徒兵はハンスのみ。なのでハンスはその声に答えようと視線を向ければ、これまた別の意味で驚愕してしまっての絶句となった。


「ん。申し訳ありません。少々ハシタナイ姿で失礼します。これもお嬢様の命令なので」


 声の主は女性。そして恐らくは騎士。一部疑問となるのは騎士と断じれるほどハッキリした恰好ではないからだ。

 殻徒を思わせる甲冑を着てはいるのだが、それは全身甲冑というよりはボイントアーマーと呼べる部分的な装甲のみなのである。覆う部位は女性として重要な部分のみ。いわゆる、セイルならば『ビキニアーマー』と称する物だ。幸い姿勢によってはポロンと零れるような過剰な露出度では無いが、色々な盛り上がりや谷間が確認出来る分には申し分無い肌色成分である。

 青鹿毛塗装のピンキィと同型の試作殻馬に跨っているので、見上げる形となったハンスには剥き出しのヘソが魅惑過ぎる状態である。

 ただし、頭部のみはフルフェイスの馬上兜で隠されており人相は判らない。しかしハンスに問題は無い。もう既に、ハンスの中では自分好みの美人決定にカテゴライズされている。


「私はフレッシェアお嬢様付きの警護兵、アンハンと申します。此度お忍びの訪問のおり、通り見れば貴殿が魔族の斥候と交戦中と判断し、勝手ながら参戦した次第です。主にお嬢様が」

「はあ、それは有りがた……、や、違います! 有り難くない有り難くない。すぐに姫様を止めてください! あの子達は敵じゃないんですから!!」

「……は?」


 この世界、やはりエルフとダーエルフの確執は存在する。その理由もファンタジーの定番の範疇と言っていい。エルフは人族、ダークエルフは魔族と、与する勢力に違いがある……という伝承が主な理由だ。

 実際は共に土着種族でしかない。単に後々、その地域が人族の版図となったか魔族の版図となったかの違いでしかないのである。

 が、何時の間にか蔓延した英雄譚やら御伽話で、それぞれのエルフの有り様が描かれる内に当人たちもそんな気分に支配されているのである。

 領主や貴族、支配階級ともなればそんな空想に踊らされる事も無いのだが、一般人や子供となると、案外本気で信じてしまっていたりする困った誤情報なのであった。


 そんなお子様代表、ピンキィである。


 アンハンという兵士も似たような認識だったが、チキとキキがウルやセイルの知己と教えられると即座に考えを正した。

 しかし。


「あの状態のお嬢様を止めるのは、至難の業です……」


 と、超兵器状態の代物を指して言う。

 そこにはハンスも同意するしかない。ピンキィに合わせて作られた殻馬は一般の殻馬に比べれば小型である。しかし馬体は馬体。しかもそれがジャラされてる猫のように素早く跳ね動くのであるから、下手に近づけば大怪我必至である。

 むしろ焦ってはいるものの問題無く突進をかわし続けている双子の技量に呆れるハンスだ。

 最初は姿を消して避けていた二人だが、それが役に立たないと解った時点で効果は解いていた。魔力を使う分無駄であるからだ。


 その様子から危険ではあっても緊急性は少ないと判断したハンスとアンハンは、互いに出来る事の確認をして行動の段取りを決める。


「では始めましょう!」

「チキ! キキ! 車に向かって逃げろ!」


 ハンスの声に反応して移動してくる双子。そしてそれを追うピンキィ。

 構図としては向かってくる双子に車を走らせて衝突しようという形となる。双子はハンスの身ぶりで『座席に飛び乗れ』という行動と取ることを把握していた。衝突寸前人族として驚異的な跳躍で双子はボンネットを飛び越え、後部座席に飛び込む事に成功する。

 そしてそれを追うようにピンキィも車の頭上を跳んでくる。ただし車に乗るためではない。交差する瞬間に剣を振り、座席にかたまった双子を斬ろうとする算段である。

 が、そんなピンキィの視線を空中から下に集中させたのが策である。車の背後、死角から馬には出来ないが殻馬には可能な、這いずるような足運びで姿勢を低く隠し走っていたアンハンの登場である。

 伸ばす四脚の勢いのまま滞空中のピンキィへの蹴り。しかもジャンプ時には逆立ちするような勢いで前脚を捻りつつ、後ろ足を前へと振り被る馬版のローリナグソバットである。

 大きく横振りした鋼鉄の蹄は見事跨ったピンキィ自身の後頭部にヒット。仮に生身なら衝撃で頭部のみがふっ飛んでいく必殺の技だろう。


「はきゃっっっ!?」


 共に『不壊』の機能の万全に備える殻馬同士だからこそ可能な方法である。が、さすがにピンキィは殻馬と甲冑の接合が外れて落馬する。馬体にはピンキィの眷族三体が残されるが倒れた馬体をどうこう出来ずに倒れたままだ。

 段取りを組んだとはいえ、実に見事な人馬一体ぶりに、この日何度目かの唖然とした顔をするハンスである。


「ふむ、状況終了ですね。ではハンス殿、こちらはお嬢様を回収致しますのでソウリュウ様への先触れを御頼みします」

「……はっ、了解です!」


 この後、誤解を解かれたピンキィが本城で双子に平謝りするという、何処かデジャヴを思わせる一幕を終える。

 そしてこれが、後にセイルを囲む女性陣同士の最初の邂逅でもあったのである。





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