33話 侯爵領の学園
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シュリと俺はサラサの町の学校を卒業した。それと同時に侯爵領バッキガムの学園の入学試験を受ける事にした。
シュリはもちろん錬金術師科で、マーサと同じ勉強をするようだ。学校にいる間に色々とマーサから学んでいたので、たぶん大丈夫だ。よく知らないけど。俺は同じ所は無理なので、戦闘科を受けてみようと思う。
騎士や軍人、護衛、上位冒険者など目指すらしい。うまくすれば、貴族の専属もある。そういえば剣を1本も持ってないので、念のため後で買っておこうかな。シュリの護衛のつもりで、学園に入るが、勉強も趣味でやる気はあまりないが……。とりあえず試験だ!
「二人がいないと寂しいわ。たまには会いにきなさい。シュリ、入学したら、勉強が忙しくなるわ。アッシュがしっかりと支えなさい。悪い虫には特に注意しなさい。シュリは可愛いんだから。」
「大丈夫だ!試験が終わったら戻って来るよ。」
マーサに別れを告げてから、サラサの町を散策して、必要な物を二人でみて回った。
「シュリ、俺の闇魔法ダークムーヴを使うぞ!一度行った事があれば、一瞬で移動できる。」
「……お願い!」
一瞬でバッキガムの入口に移動して、冒険者カードを提示して中に入った。シュリはびっくりしていたが、前に一度熱が出ていた時に使ったが、覚えていないようだ。
夜まで時間があるので、先に学園を目指した。学園は、今いる位置が南側とすると東側にある。メインストリートを歩いてから、東に向かえば学園が見えてきた。この学園は、最高で6年勉強出来るが、学費の問題もあるので、飛び級したり、途中あきらめて退学する人も多いそうだ。
そもそも入学が難しいので、途中でやめても泊がつくそうだ。学園の門をくぐると、警備の兵士がおり、用件を聞かれたので受験の申し込みをお願いした。
最短で3日後に試験を二人で受ける事になり、合格すれば、既に入学している生徒と合流するようだ。試験までの間は、前回同様に高級宿に泊まり、色々と観光して回った。
お金を使い過ぎた時は、冒険者ギルドに行き、以前ダンジョンで拾ったアイテムや素材。魔石などを売却して稼いだ。どこで手に入れたのかしつこく聞かれたが、ダンジョンと答えておいた。
ミラーとよばれるアイテムは金貨300枚で売れた。敵の攻撃魔法を跳ね返す鏡らしく、身に付けておけば、物理攻撃しか倒す方法がなくなる。もちろん味方の回復魔法も跳ね返すので、注意が必要だ。
ダークボックスに入っている珍しい物を売っていれば、二人分の学費を払っても学園にいる間は余裕だろう。教会にも顔を見せて、お祈りをしたり、孤児院にお金を寄付しておいた。
試験当日になった。というか試験を受けるだけで、一人あたり金貨5枚とるので、学園は儲かってうらやましいな。金持ちしか勉強できない理由がここにある。
「シュリ、気楽にいこうぜ!シュリが落ちたら、俺も行かないし、シュリが合格して、俺が落ちたらシュリには通ってほしい。二人とも落ちたら、マーサの所で一緒に働こう。」
「何だか二人して落ちた方が幸せそうだわ。」
シュリとは学園の入口で別れた。試験会場が違うようだ。午前中は、筆記試験を行っているが、とても簡単な計算や現在の国王の名前など常識が多かった。
午後は戦闘科なので、実際に模擬戦をやるようだ。試験官から箱に入っている好きな武器を選ぶように言われて待っていると、大きな声が聞こえた。
「戦闘科では、模擬戦の得点の比重が高くなっている。目の前に20人いるが、この中で模擬戦を行う。まずは誰からやるか?」
誰も手を上げないので、俺が手を上げた。
「え〜と、アッシュ君だね!さあ、挑戦者はいませんか?」
「俺がやろう!」
まだ若いスキンヘッドの男が手を上げてこちらに近付いてきた。ヌンチャクをもっており、自信がありそうだ。俺は片手剣を持っている。もちろん模擬剣である。
「きぇ~!」
ヌンチャクを振り回して、俺との間合いを少しずつつめている。
「ほあちゃ~!」
ヌンチャクを俺の方に振り下ろしてきたので、模擬剣を使うまでもなく、下から掌で弾いたら眉間にヒットしてそのまま倒れてしまった。
「まだやれるぞ!」
次々と俺の相手だけが変わり、全員が倒されてしまった。剣を振り下ろしてきたので、手で掴んで放り投げたら、壁に頭から突っ込んで意識を失っていた。
試験官の細い目が、5倍位開いて俺を見ていた。結局、俺以外全員が倒れており、不合格になった。中にはいい線の者もいたので、次回に期待だ。
試験が終了したので、学園の外で待っているとシュリが小走りで近付いてきた。
「手応えはどうだ!疲れたんじゃないか?」
「どうだろう?分からない。結果は一週間後に張り出されるみたい。帰りましょう。」
ダークムーヴを使い、サラサの町に戻りマーサの仕事を手伝っていたら、すぐに試験結果の発表日になった。
二人で学園に向かうと、木製の看板に紙が貼られていた。二人で近付くと俺の名前があった。シュリの名前もあり、どうやら合格したようだ。やはり戦闘科は俺一人の合格だった。錬金術師科は、シュリ以外にも合格者がいた。
「さぁ、手続きにいこう。」
なんと入学手続きで、金貨200枚とられた。二人で400枚である。馬鹿なのか?これで1年分の学費だから笑える。仕方なく金を払い、サラサの町に戻る事にした。
「学園がはじまったら、勉強に集中することになるだろう。二人とも寮になるが、何かあればすぐに連絡をくれ。」
もう一丁、いくぜ!
最近、頭の毛が・・・




