28話 夏休みの旅行 その1
投稿します。よろしくです。
「明日から夏休みになりますが、宿題もしっかりとやってきて下さいね!」
「は~い、ヨッシャー帰ろうぜ!」
周りの学生が嬉しそうに話をしている。シュリが顔を見せたので、いつもの様にマーサの店に寄り道した。旅行の話をするつもりだからだ。
あれからたまにアルフォンスにはポーションを売りに行っていた。帰りに薬草を摘んで帰るパターンもしていたが、俺が個人で売るのも大変だから行商に買取りを今後はマーサに考えてもらうつもりだ。別に学生の間は、それでもいいけどね。
「シュリと王都カサンドラを観光してくるわ。何か有名なスポットがあるらしいからな。その間は商売の手伝いは出来ないけど。」
「別にいいわよ。私は王都の学園で学んでたからね。二人で楽しんでらっしゃい。」
「観光地をまわって、1ヶ月位で戻ると思うから。」
「マーサ、よろしくね。」
「ええ。その為に事前にアッシュにポーションをいっぱい売ってきてもらったじゃない。少しずつ作って待っているわ。気をつけていってらっしゃい。」
「そうだ。アッシュ、王都の教会は、トップが代わって聖属性を特に重視しているから、迂闊に闇属性は見せないようにした方がいいわ。捕まることはないと思うけど、何かあったら逃げた方がいいわよ。」
「わかった。あまり心配するな。シュリ、行くぞ!」
自宅に戻り旅行の準備を始めた。服や金など必要なものはすべて持っていくつもりだ。足りない物は、町で色々と購入しておいた。
「夕食を食べて帰ろうぜ!」
「はい、明日は朝一でシーナに向かう馬車に乗り、シーナで1泊してから北西にある町をいくつか経由して王都にたどり着くんですよね?」
「そうだ!王都は行ったことないけど大丈夫だろう!物凄く広いらしいな。」
「何か不思議な感じです。あのまま田舎で薬草を採ってその日暮らしするだけの人生と思っていたのに、アッシュと会ってからは学校にも通えて、旅行にも行けます。」
「まぁ、俺も学校に通うつもりはなかったな。未来は予測できないという事だよ。誰でもな。」
翌日、朝一の馬車に乗りシーナを目指した。シーナは、俺が走れば数時間で着くが、馬車で向かえば翌日の到着になる。夜は、中間地点の村に1泊した。
「小さい村に着いたな!」
夕方、日が落ちる前に村に到着して、そのまま質素な宿に案内された。ここの村は、馬車で来る客が落とすお金で儲けているようだ。
「シュリ、適当に見てみようぜ!」
「ええ、あれは何かしら?」
骨董品を扱っている商品をシュリが見ている。ほとんどがゴミだが、中にはいいものがあった。
「店主、このネックレスはいくらだ?」
「お客様、これはお目が高いですね。金貨2枚になります。」
「ほれ!」
金貨を渡すと喜んでいたので、商品の価値をわかっていないようだ。俺の鑑定スキルで調べたが、「身代わりのネックレス」というダンジョン産のもので、およそ価値は金貨100枚らしい。
致命的なダメージをネックレスが一度だけ受けてくれる仕組みらしい。命を狙われやすい要人が欲しがるものだ。
「シュリ、これもつけといて!」
「いいの!ありがとう。」
結局、シュリは見るだけで何も買わなかった。宿に移動して、木造の二人部屋で休んだ。宿屋の朝食を食べている時、面白い話が聞こえてきた。
「カサンドラ王国は、今後どうなるんだろうな?しばらくは動かないだろうが、もう一度、魔界に攻めるのか、もしくは大国ザラットか?」
「わからんな。国内外から実力者を集めていると俺は聞いたぞ。失ったセブンスの補充らしいな。」
「……」
「何か物騒な話をしているが、王都カサンドラは大丈夫だろう。何かあれば俺が守ってやる。王都の本屋でハイポーションの作り方とか売ってないか探してみるか?」
「何か楽しみです。マーサが喜びそう。」
「あぁ、マーサもポーションやマナポーション以外も作れる様になりたいだろう。王都の食事も楽しみだな。どんな感じだろうな。」
「ねぇ〜王都には1週間位滞在予定だよね?その後はどうするの?」
「来た道を戻ってもいいが、回り道して、違う町や村も見てみるか?」
「わかった。人生で二度とない旅行を楽しむ事にするわ!」
「……。そうだな。」
旅行程度で大袈裟な話だと思うが、確かにそうかもと思うところもある。明日があると誰が決めたのか?確かに低くない確率であるだろうが、本当にあると言えるか?今を精一杯生きる事が大事なのかもしれないな。突然終わるかもしれないし。
翌日、特に何もなく馬車に乗りシーナを目指した。あげた身代わりのネックレスをいつの間にか着けていたので安心した。正直、俺に何が起こってもいいが、最低でもシュリだけはマーサの所まで連れて帰らないとな。
ゆっくりと流れる景色を二人で見ながら考えにふけっていたら大都市シーナが見えてきた。そう言えばシュリは身分証とかないから金を払う必要があるな。仕方ない。
「シュリ、入場料が銀貨3枚かかるから用意しておいたいいぞ!」
「ええ?町に入るだけでお金がかかるんですか?外で待ってましょうか?」
「いや、それだと休めないし。宿で休んでから、馬車に乗ろう。簡単にシーナを案内してやるよ。大きい所では、入場料は普通だから覚えておいた方がいいぞ!」
「は~い、アッシュ先生よろしくお願いします」
「素直でよろしいです。シュリ君」
ふざけたいたら、いつの間にかシーナの入口まできていた。
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