22話 選抜メンバー
投稿します。よろしくです。
「光栄な事にこのクラスからも何人か選ばれた!精一杯頑張るように。今から選ばれた生徒の名前を読み上げるぞ。レイン、サキ、……」
一般クラスの俺を含めて数名が、セブンスのダンジョン探索をする際の手伝いに選ばれた。いわゆる雑用係らしい。担当教師は喜んでいるが、かなり運が悪いだろうな。
セブンスを近くで見ることは出来るが……。俺以外の二人は、サキ、ユーリが選ばれた。一般クラスでは最上位レベルの魔法使い、回復士の女であり、顔もかなり可愛い。二人とも選ばれて興奮しているようだ。
俺は剣士として選ばれた。当然、雷属性は伏せてあるので、ただの剣士である。セブンスとはなるべく関わりたくないが、仕方ないのか。これも運命と受け止めてやろう。最悪は逃げさせてもらうぜ。
教師の話だと既に初心者ダンジョンをクリアして、初級ダンジョンに入り始めたらしい。ダンジョンは、五段階に別れており、初心者ダンジョン、初級ダンジョン、中級、上級、最上級とあり、最上級のダンジョンにはSランクの冒険者が挑戦している。
彼らは冒険者の頂点に位置しているが、単純な戦闘能力ではセブンスには劣るかもしれない。だが、彼らは即死級トラップの回避やチームプレーが非常に上手い。対人より魔物討伐にとても優れている。
おそらく魔界との大戦の時にも国から指名依頼を出されるだろう。人格は微妙な人達が多いらしい。そんな事より目の前の問題だ。
「先生、自分には荷が重いようなので断れませんか?お腹が痛いです。」
「レイン、サキやユーリが選ばれるのはわかるが、お前が選ばれた理由は俺もわからん。せいぜいお荷物にならないように頑張るんだな。」
「そんな……。先生は鬼ですか!」
「はっはっは!」
クラスの皆に笑われてしまったではないか。勘弁してくれ。
「レイン、あなたがちゃんとしないと私達もセブンスに嫌われるのだからね。足は引っ張らないでよ。」
サキに念をおされて、ユーリには冷ややかな目で見られている。お前らは何もわかっていないんだよ。憧れの対象くらいに思っているのかもしれないが、奴らは自分達を特別と思っており、俺達の事は何とも思っていない。変に目をつけられたら、まじで殺されるぞ!
翌日、ダンジョン攻略の顔合せということで、学園のエリートが通う校舎の一室に4人で向かった。担任の教師もついてくるようだ。
中に入るとセブンスをのぞいて14名ほどが選抜されており、場合により入れ換えも行うらしいが、これが初期メンバーになる。少ししたらセブンスもくるらしい。
「おいおい、一般クラスの雑魚が何でいるんだよ!セブンスにそんなにお近づきになりたいのか?家に帰ってママのおっぱいでも飲んでろよ!無理するな。」
「ギャハハ!」
担当教師の顔が青いが何も言わない。サキとユーリは昨日とうってかわり借りてきた猫のように大人しい。当然、俺は黙っている。部屋のすみに移動して、しばらく待っていると一人のいかつい男が入ってきた。
「雑魚ばかりか!テストしてやるから、合格者がいれば、荷持ちに使ってやる!不合格者は死ぬと思え!」
あいつは確かセブンスのジャックのはずだ。確か覇王という適性の持ち主で文字通り世界を武力で支配する才能だ。威圧感が半端ないし、魔王を倒せば、いずれジャックがカサンドラ王国の国王になり、世界を支配するだろう。
「俺が一番だ!」
学園のエリートコースの一人が手を上げた。貴族か何かで、勘違いしているのか、お前の実力はサキやユーリにも劣るぞ。
「遅い!」
振り下ろした一閃をかわされ剣士の顔にジャックのナックルがめり込んだ。剣士の顔が陥没して、そのまま動かなくなった。即死である。
「次!」
「……。」
俺以外の他の連中は恐怖で動けなくなっていた。中には失禁している者もいた。
「次は誰だと言っている!来ないなから、こちらから行くぞ!」
部屋から逃げ出そうとした生徒の背後に現れたジャックが背中を殴り貫通させた。顎を殴られた生徒は首の骨が折れて、おかしな方に曲がっていた。サキとユーリの方にジャックが高速で襲いかかってきたので、仕方なく俺が前に出た。
「やめろ!」
「キィン!」
ナックルにあわせて、鉄の剣を振り下ろした。素手の拳で鉄を受け止める化け物である。何度か殴ってきたが、すべて剣でさばいた。既に鉄の剣が折れそうである。
「ただのゴミではないな。貴様は合格だ!だが、後ろの女は不合格だ!」
「ヤバい、床が落ちる!」
ジャックが床を殴るとヒビがはいり、全員が一つ下の階に落ちた。そこにはセブンスの5人が待機していた。
「合格者は5人かよ。すくねーな!おっ、可愛い子がいるじゃん!もらい!」
「服が汚れたわ。ばか!」
「教師も死んでるじゃん。やり過ぎよ。」
「……」
俺とサキとユーリの他に二人が何とか立ち上がったが、運もよかった。セブンスが、頭のイカれた奴なのは確かなようだ。
「場所は、初級ダンジョンだ。一週間後に向かうから各自で準備してこい。来なければ殺す。」
人を従わせる方法として武力は手っ取り早いな。サキとユーリは、何も言わない。三人で校舎を後にしている。あの場面で俺が前に出なければ、おそらく二人とも死んでいただろう。完全に恐怖にのまれていたからな。
「何なのよ!意味わかんない……」
「どうしたらいいのよ!」
帰宅途中で泣き出してしまったが、どうすることもできない。おそらく進むも退くも地獄だろうな。どちらにせよ低くない確率で二人は死ぬだろう。俺なら逃げきれるかな。同時に二人相手でなければ勝てると思う。
初級ダンジョンは、一日で攻略出来ないので、泊まり込みになるだろう。俺が二人を守れるか?まず無理だろうな。奴らは油断しない。
「荷物持ちだから。大丈夫だろう。それとも俺と三人で逃げるか?奴らの手の届かない所まで?」
「……」
「よく考えておいてくれ!特にセブンスのスネークとジョンはいい噂を聞かない。関わった女は死んでいるらしいからな。」
「……」
学園の寮にたどり着いて休むことにした。色々とありすぎてとても疲れたが、どちらにせよ準備はしておいた方がいいな。
読んで頂きありがとうございます。




