13話 海賊の討伐 その2
投稿します。よろしくです。
前をいく大型船の2船に置いていかれる形で俺が乗る船も後を追いかけている。
パーティーリーダーのマッシュが冒険者を集めてこの後の動きの説明をしていた。
「海賊は軍に任せて、俺達は援護していく形で問題ない。このまま引き離されて、見失う事があれば、港に引き返す。各自、交代で見張りを残して、少し休んでくれ。怪我人は、ポーションがあるので、こっちに来てくれ。幸い死人は出なかったようだな。それとアッシュといったか?活躍は聞いている。あとで、ギルドにも報告しておいてやるからな。」
猛烈な矢の雨をやませた立役者として評価されたようだ。おかけで魔法が放ちやすくなったらしい。インセンティブで金をよろしく。
船内に戻り、赤い絆のダンテとバネッサと食事をしている。この後の想定について話していて、海賊船の乗組員を一人でも生かして捕まえられれば、敵のアジトをはかせられるので、何としても捕まえたいという話だ。
しばらく交代で休んでいると、冒険者リーダーマッシュの大きな声がきこえた。
「緊急事態だ!全員集まってくれ。急げ!」
デッキに集まった冒険者が目撃したのは、シーナの軍船が炎を上げて沈没しかけているところであった。
「ドーンと大きな音が聞こえた。その後、軍船が傾き始めている。海賊船は逃げ始めているが、仕方ない。救助に向かうぞ!」
俺達の乗る船が近づいた時は、軍船がほぼ沈みかけており、乗組員は海に放り出されていた。可能な限りの救助を行ったが、かなりの人数がなくなったようだ。
遠くに米粒くらいに海賊船が見えるが、こちらに向かってくることはなさそうだ。さて、どうしようか!
「マッシュ、小型のボートを借りられないか?海賊を追跡したい。俺なら追い付けるからな。」
「馬鹿な事を言うな……。敵は、魔道具を使って、軍船を沈めたんだぞ。あ~、条件付きだ。俺も行こう。パルス、船の指揮を頼む。俺とアッシュで海賊を追跡する。」
「待って!私たちも連れて行って!アッシュいいわね。」
バネッサは、少しの付き合いだが、何と言うか自分の意見を変えないタイプなので仕方ない。
「急いでいくぞ。」
船から小型のボートを下ろして、食料など適当に詰め込みオールをこぎはじめた。魔道具になっており、こがなくても進むが、それでは間に合わない。
「しっかりと掴まっていろよ!振り落とされるぞ。おりゃ~」
俺がオールをこぐ事で、猛烈な速さで米粒くらいに見えた海賊船が、30分もすれば視界にしっかりととらえられた。こちらに気づいたのか海賊船が動きをとめてアジトに戻らない。そろそろ東の大陸が見えて、別の国になる。海賊はどうやら別の国の人間だったようだ。
「マッシュ、どうする。海賊船が俺達を待ってくれているぞ!」
船酔いしたのか、ダンテとバネッサがおとなしくなっている。マッシュは何とか平気みたいだが、何だか青い顔をしている。
「……色々と規格外だな。アッシュ。お前みたいな奴は見たことがない。敵のアジトは見つけられてないが、ここまでわかっただけでも十分な成果だ。よし、引き返すぞ。」
「えっ?」
「何だ?」
「いや、せっかくだから退治してこようと思ってな。今から、俺一人で海賊船に乗り込んでくる。待っててくれないか?さすがに泳いで帰りたくない。」
「はぁ?自ら捕虜にでもなるつもりか?駄目だ。許可だせん。目の前でお前を見殺しにしない。全員で乗り込んでも退路がないし、向こうは百人以上の敵がいる可能性がある。」
「じゃあ、泳いで帰るからいいわ。お前らは先に帰れ。俺は奴らを皆殺しにしてくる。金を隠し持ってそうだな。すべて俺の物になるな。」
「金、そうだ。金は大事だな。アッシュ、俺も連れていけ。ここが人生の稼ぎ時だ。」
「私も命をかけるわ。生き残って幸せになるわ。マッシュは、先に帰りなさい。」
「あ~もうわかった。死んでも知らんぞ。俺も行く。それでどうやって行くんだ。」
「俺を除いて、この中で一番強いのは、マッシュだな?一番手が一番危険だからな。」
「な!何の話をしている?」
「次がダンテだな。バネッサは魔法使いだから俺と一緒だ。今から投げてやるから。生き残れよ。俺達もすぐに行くが、それまで死ぬな。」
船を矢の届かない距離まで船で近づいて、身体強化を使うように指示した。2人が身体強化を終えた後に、念のためダークヒールを3人にかけておいた。
「いくぞ!」
「待て、待て。心の準備が!」
「そんな事より着地に失敗するなよ。向こうで動けないと死ぬぞ!」
「やっぱり、俺はやめる。船で帰る!死にたくない。」
「うるさい!さっさと飛んでいけ!」
「ギャー!」
マッシュをかるく持ち上げて、放物線を描くように船の上にちょうど良く投げたつもりが、少し強すぎたようで、船のマストにあたって下に滑り落ちていた。
「急げ、ダンテ!マッシュと合流しろ!マッシュが死ぬぞ!いくらCランクでもこの人数はきついだろう。」
先ほどより弱めに調節してダンテを投げたので、調度いい感じに軍船に飛び乗っていた。
「さぁ~て、いくぞ。バネッサ。俺に掴まれ。この船には戻れないからな。」
「アッシュ、本当に大丈夫なのよね。」
「あぁ、大丈夫だ。早く俺にその大きな胸を押し付けてくれないと、2人が死ぬぞ!」
「もう仕方ないわね。金のためよ。」
俺にしがみついたバネッサを確認してから、思いっきりボートを蹴りあげた反動で船の方へ飛んだ。
「バネッサ、舌を噛むなよ。目はつぶっていろ。もうすぐつくからな。おぉ、やってるな。まだ、2人とも生きて剣を振っているぞ!」
「ドーン!」
「着いたぞ。バネッサ。目を開けろ。俺から離れるなよ。目を開けたらすぐに詠唱を始めろ。」
さぁ〜て、皆殺しパーティーの始まりだ!
読んで頂きありがとうございます。




