12話 海賊の討伐 その1
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レイラの店を出てから、冒険者ギルドに向かった。近くにあるので、すぐにたどりついた。やっぱり近いというのは何事もよいことだ。
冒険者ギルドの扉を開いて、階段を上がり2階に行けば今回の依頼を受けた冒険者達が集まっていた。商人を装っているつもりなのか私服が多かった。
見渡せば赤い絆のダンテとバネッサもいたので、声をかけておいた。2人とも万全の状態のようだ。
「よう!2人とも。結構人がいるみたいだな?」
「あぁ、冒険者パーティーが前回の倍の6パーティで、今回はCランクがいるからな。ギルドも本気なんだろうな。シーナのトップ冒険者に依頼する位だからな。」
「そうなんだ。勉強になるわ。」
しばらく雑談に花を咲かせていると、大きな声が聞こえてきた。
「全員、準備が整い次第、シーナの門に移動しろ。馬車に乗ってもらい、東の港に向かう。細かい指示はCランクのリーダーにきいてくれ。」
赤い絆の二人と一緒にシーナの入口の門に行けば、馬車が3台用意されており、それぞれに乗り込んだ。港まで3時間くらいの到着らしいので、馬車で揺られながら休むことにした。
俺の乗っている馬車には、赤い絆の二人ともう1つ3人組のパーティーがいた。他の馬車には1パーティーで7、8人いるらしく、パーティー単位で乗っているようだ。何となくだが、俺以外が緊張している様に感じた。視線に気づいたダンテが話しかけてきた。
「全員、以前の事があるから緊張してるんだ。今回は、軍との共同作戦だから前よりましだが。噂で聞いたと思うが、前回は三パーティが全滅した。男の冒険者は、ご丁寧に首だけ送り返してきやがった。女の方の冒険者は行方不明だ。」
「襲われた商船はどうなんだ?被害の方は?」
「聞いた話だが、基本は皆殺しで、船ごと奪われたり、斬られてから乗組員は、海に落とされたりしたそうだ。運良く生き残った奴の話だがな。」
「そうか。海の上での戦闘は初めてだな。だが、負ける気はしない。」
「あぁ、俺もだ。」
それからしばらく特に何をするでもなく待っていると港に到着した。馬車を降りてから、歩いて移動して、小さな建物に入った。どうやらここで、休むことになりそうだ。
「みんな聞いてくれ。俺が今回の海賊討伐のリーダーをつとめるマッシュだ。冒険者として色々と経験してきたが、今回のような依頼は初めてだ。今から色々と作戦をつめていきたい。よろしく頼むな。」
「おとり作戦と聞いたが、……。具体的には何をするんだ?」
近くにいた男がマッシュに質問していた。
「明日から全員で船に乗り、沖合いを進み東の大陸に向かう。途中海賊船が現れたら、誘導あるいは追跡を行い、軍と合流する。メインの戦闘は軍に任せるが、こちらも海賊のアジトを見つけて叩ければよりいい。では、パーティーごとに役割を伝える。」
すでにある程度の荷物が船にはあり、乗組員もいるので、船の上で生活することは出来そうだ。翌日、転生してから初めて船に乗った。
船内で俺と赤い絆は3人で現在待機している。交代で見張りを夜も行うので、普通なら大変だが、俺は疲れ知らずだからな。でも、成長自体しているので、歳もとっている気がするが……。特に胯間の成長が著しい。もっと使った方がいい気がするな。
船に揺られて数時間経つが、見張りの時に思ったが、のどかな景色が続くだけで、海賊船など見当たらない。翌日も同様に航海を続けており、暇な時間は目をつぶっていた。
暇な時間になると、色々と考えてしまうので、早く仕事が終わってほしい。考える事といえば、女の体の事だが……。この間の娼館にいた女やレイラの体を思い出している……。
「海賊が来るぞ!!各自、戦闘配備。」
船内で待機していると、大きな声が聞こえた。階段を上り、デッキに出ると遠くに小さい船のようなものが見えた。
「あれがそうなのか?」
「全員、これより敵を引き付けつつ、誘導する。各自、いつでも戦闘に入れる様にしておけよ!」
その後、徐々に海賊船が距離を縮めてきている。こちらに向かってくる船を見つつ、各自戦闘の準備をした。まだ海賊船までの距離はあるが、向こうの速度の方が速いのかどんどん近づいている。
どうやら軍との約束した付近まで誘導することが出来たようだ。しかし、海賊船は目の前まできていた。近づいて来て思ったが、こちらの船より二回りは大きかった。目と鼻の先まで近づいた時に海賊船から矢が飛んできた。
「打ってきたぞ!気を付けろ。舵を左にきれ!」
横付けしようと海賊船が船を近づけてくる。俺達は囮なので、戦闘はするが、メインはシーナの軍船がやってくれるだろう。雨のような矢ををかわしていると、岩影に潜んでいた軍船が突如現れて、海賊船の後方にまわった。俺達の味方の軍である。
激しい矢が降り注ぐが、やられてばかりではしゃくなのでこちらからも攻撃することにした。高い位置から矢を放ってくる射手に対して、投げナイフを少し強めに投げた。
「バシュン」
海賊の頭にナイフが刺さりそのまま勢い良く吹っ飛んでいた。いい感じだ。向こう側の船に乗り込んでもいいが、しばらく様子見だ。勝手な事はしない。
その後も顔をこちらに見せてきたら、投げナイフで頭を狙った。徐々に矢のふりそそぐ数が減り始めた。俺の投げナイフもすべて使いきってしまった。
「お前、凄いな。そんなに出来る奴だったのか?投擲のスキル持ちか?それにしても破壊力が凄い。」
ダンテが隣で盾で矢を受けながら俺に話しかけている。バネッサはダンテの影に隠れて、詠唱をしていた。
「ファイアボール!」
放たれた火球が海賊船の方に向かい、避けられたがマストに燃え移っていた。俺達は今のところいい感じに仕事が出来ている気がする。
想定外の反撃を受けた海賊船が船を動かして、北に逃げ始めた。シーナの軍船が後を追いかけており、俺達は後方支援にまわる事になった。もう仕事は終わったのかもしれない。
心が……お休みなさい。




