光と影の迷路
左の道を進むこと十分。
壁の星の絵が次第に減り、代わりに黒い鉱石が増えてきた。月の護符の光だけが頼りだ。
「暗くなってきたね…」ヨルが不安そうに呟く。
林帆は調和の剣に火の力を込めて、松明代わりにした。炎が道を照らし出す。
突き当たりに、大きな扉。星型の鍵穴がある。彼は先ほど手に入れた鍵を差し込んだ。
がちゃん。
扉が開き、中から眩しい光が溢れ出る。目を細めて中に入ると、そこは広間だった。天井には巨大な星の絵。床は白と黒の市松模様。
中央に、一人の女が立っていた。白いローブ、長い銀髪。手には杖ではなく、光でできた剣。
「よく来た。私はこの階層の守護者、ルミナ」
「通りたいんです。先へ」
「ならば、私と遊んでちょうだい。ルールは簡単。この床の白と黒、私の光の剣が当たらないように、黒い床だけを踏んで向こう側へ渡りなさい」
林帆は床を見渡した。白と黒がランダムに並んでいる。一歩間違えれば光の剣が飛んでくるだろう。
「ヨル、ここで待っていて」
「でも…」
「大丈夫。行ってくる」
彼は氷の剣を背中に背負い、調和の剣だけを手に持って黒い床に足を踏み入れた。
一歩目。二歩目。順調。
しかし三歩目でバランスを崩し、足が白い床に触れそうになる。その瞬間、ルミナの光の剣が彼の足元をかすめた。
「やはりなかなかやる」
林帆は気を取り直し、次は星の力で自分の体重を軽くした。黒い床をふわふわと飛び跳ねるように進む。
八歩目、十二歩目、十五歩目。
残りあと三歩。その時、ルミナが剣を振りかざし、光の弾を連続で放った。
林帆は体をひねり、紙一重でかわす。最後の一歩で白い床を踏みそうになったが、無理やり体を反転させて黒い床に着地した。
「クリアだ」
「見事。あなたの勝ち」
ルミナは光の剣を収め、微笑んだ。そして床に小さな星のペンダントを置く。
「これは“天星の導き”。使いなさい」
林帆はペンダントを受け取り、首にかけた。これで星の力がさらに安定するだろう。
「次はさらに危険な階層よ。気をつけて」
彼はヨルの手を引き、次の扉へ向かった。
広間の向こう側には、また別の階段。下へ続いている。下りれば下るほど、星の光は強くなる。
「まだまだ…続くんだな」
二人は深く息を吸い、暗闇へと続く階段を下り始めた。




