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達成率999%のゲーム世界に転生した俺、攻略知識を使うたびにシナリオが崩壊していく〜攻略者の因果律〜  作者: @太郎
王都へ

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第16話 大魔道士

その夜、ガーランドとの面談の日程が決まった。二日後だという。

 

「そういえば、二人とも、職業ギルドの方はどうなの?師匠は決まった?」

 

「僕は、ジューゾーという遠地から来た速切の達人に師事したいんだけど、大人気だからね。師事選抜試験の真っ最中って感じ」

 

(やっぱりジューゾーか)とリツは思った。

 

「模擬的に何度か習ったんだけど、やっぱり段超え試練が終わった後だからか、自分の物覚えがすごいよ。今までだったら全然理解できないだろうと思っていた芯への接近度が明らかに早くなった」

 

「わかるわかるー。魔法の基礎を習っていてもどうも理解しきれなかったことが、線で繋がった気がするんだよね。頭が良くなった感じ!」

 

レベル10を超えた辺りからスキルが増えるのは、こういった理由があるらしい。段超え試練(ディグニタス)して、本当に格が上がっているような状態だ。

 

「でも、ルアはまだ師匠が全然見つかってないんだろ?」

 

「なななんで知ってるのー!……なんか周りの魔法使いと馴染めなくって……」

 

「気にしなくていいと思うよ、ガーランドさんと会ってから考えよう」

 

(シナリオ通りなら、ルアはいま心配する必要はない)

 

若い悩みが尽きないようだったが、適当に話に乗ってあげた。

 

 

そして、面談日になった。

 

スルギは師事選抜試験の最終試験があるらしく、行きたがっていたがどうしても来れないということで欠席。リツとルアの二人で向かうことになった。

 

城の近くにある王国騎士団の詰め所で声をかけると、細身で背の高い坊主頭の男性が出てきた。

 

「おぅ、ダリオさんからの紹介状の件だな。こっちへ来い」

 

訓練場のようなところを横切り、城の離れのような部屋に案内された。

 

「ダリオさんからの依頼だから、ガーランドさんが直接会ってくれるらしいが、粗相ないようにな」

 

「ガーランドさん、紹介状の件、連れてきました」

 

「おう、入れ」

 

校長室のような部屋の奥の机に、白髪で髪の長い男性が座っていた。魔法使いというよりはプロレスラーに見えるようなガタイだ。

 

「こちらです。私はこれで失礼します」

 

案内の王国騎士はそれだけ伝えて去っていき、ガーランド・リツ・ルアの三人になった。

 

「よく来たな、君がバーサーカー化しているルアちゃんか。横のはお仲間かな?」

 

「そうです、リツといいます」

 

ガーランドはジロリとリツのネームタグと身体の各所を見て顔をしかめた後、ルアに向き合った。

 

「まずは何があったか聞こうか。あの脳筋仁義マン……ダリオはいいやつだが仕事がずさんすぎる!!!」

 

(わかるぜガーランドさん)

 

そうして、ルアは魔女との出会いから話し始めた。

 

 

ルアは気づいたら、魔女のもとで育てられていた。魔女は多くを語らず、名前も知らない。ダリオを紹介され、普段はダリオの家の近くで生活しながら魔女のところへ魔法を習いに行く生活を三年ほど続けていたこと。そして、ヴルドの件。

 

「うっうっ……大変だったなぁ……」

 

ガーランドが、ガタイに似合わない柔らかい声を出した。

 

「その魔女っていうのは、かぎ鼻の『〜ってぇねぇ』って喋るやつじゃないかい?」

 

「そうです! ご存知なんですか!?」

 

「ああ。イェゼルデという魔女だな。東の枯れた国ラフラスの魔女だよ。まさか王都の近くにいたなんてなあ〜確実にダリオは知っていただろうけど」

 

「ヴルドごときに魔女がやられるはずないよ。だからルアちゃんも心配しなくていい」

 

知り合いで、かつ王国一の大魔道士と呼ばれる人から安心していいと言われたのだ。ルアも安心して糸が切れたのか、泣き出してしまった。

 

「少し落ち着いたかな。バーサーカー化についても話そうか」

 

ルアが落ち着いたのを見て、ガーランドが話し始めた。

 

「ルアちゃんには可哀想なんだが、現実的な話、すぐには治せない。魔導仮想機は使えるんだが、見た感じまだ戦えるレベルじゃないだろう。入っても負けてしまったら意味がないからな」

 

「まずは現状を仮想機に読み込ませておいて、いまバーサーカー化した自分に勝てるようになったら、ようやく直せるようになると思う。そうだな。大体いまの十倍ほどは強くならないとバーサーカー化した自分には勝てないだろう」

 

「そうなんですね……じゃあたくさん修行してからまた来るしかないってことですよね」

 

「そうだね。ただ……」

 

ガーランドは少し悩んでから言った。

 

「神聖教会がいたり、危ないからな。ダリオとイェゼルデの大事な娘だ、私が修行してあげよう」

 

「本当ですか!?」

 

「あぁ、優しくはできないがね」

 

「はい、がんばります!!」

 

「シウにも共有しつつ、宿舎を用意してあげよう。少し待ちなさい」

 

燕の紋——この世界である程度の距離なら遠距離連絡ができる紋だ——で王国騎士団に声をかけると、先ほどの坊主頭の団員がやってきた。説明を受けたルアに案内をしてくるからここで待っておけと言って、二人で先に出ていった。

 

(修行はルアだけなのか)

 

ゲームでは一緒に修行する流れだったのに、何かが違う。

 

部屋に、リツだけが残された。

 

ピコン、とシステム音が鳴り響いた。

 

◆――――――――――――◆

メインストーリー達成率:8%

◆――――――――――――◆

毎日21時更新です。次話もよろしくお願いします。

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