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達成率999%のゲーム世界に転生した俺、攻略知識を使うたびにシナリオが崩壊していく〜攻略者の因果律〜  作者: @太郎
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第14話 贄とせよ

「一つ目の条件と、二つ目の条件って?」

 

「一つ目は、どういう経緯で僕のことを知ったのか、事細かに話してもらおう。君みたいな人間に知られている背景は僕も気になっていてね。もう一つの条件は……少し悩んでいる事があってね。先に一つ目を聞いてから考えたいと思うんだがどうだい?」

 

「それは相当不利な条件だな……とはいえ、飲める選択肢がないのもわかった上でだろ」

 

ため息を付き、少し考えてから、カバンに声をかけた。

 

「ステラ」

 

呼びかけると、黒猫姿のステラが出てきて、床に飛び降り、こちらを見上げた。

 

「少し確認したいんだ。話させてくれないか」

 

ステラは、猫の姿でも分かるくらい明らかに嫌な目をしたが、リツとセンテに目をやった後、シュルシュルと包み込まれ、人型になった。

 

「……珍しいものを連れているね」

 

センテが、静かに言った。

 

「なんでしょうか」

 

いつも以上に冷たい声でステラが確認する。

 

「ステラ、今の聞いていただろう? 経緯を話すとなると、すべてを言わないといけない。それってありなの?」

 

「可能ですが、おすすめはできません。因果の調律から外れていくため、リツ様の『知っていること』が外れ、影響が起き始めます。一つの外れが連鎖し、大きな結果につながります」

 

(なるほど……自分を呪うしかない。知っている世界だと思ってショートカットを狙った罰のようなものだろう。この結果がどうなるか分からないことだらけだが、決断はしなければならない。選択肢はほとんどない)

 

「センテ、わかった。一つ目の条件は飲むよ。話そう」

 

ステラは改めてはっきりと分かる嫌厭した顔をしたが、すぐに「フィリス」と言ってまた猫の姿に戻り、どこかへ消えていった。

 

 

どこまで話すべきか迷いながら、話し出した。

 

ゲームのこと。この世界がそのゲームの中であり、恐らく、異世界に転生したような状況だと思われるということ。だから、センテのことも、この店のことも、知っていたということ。

 

センテは最後まで黙って聞いて、しばらく何も言わなかった。

 

「ふうむ、訳アリのようだね」

 

特に驚いた気配や追加の質問もなく、それだけを言って、センテは続けた。

 

「よし、では二つ目の条件も伝えよう……パトロン契約を結ぼう」

 

「パトロン契約って……?」

 

「パトロンというのはその名の通りで、出資者さ。今後、良い遺品があったら回収してきて欲しい。もし、共鳴できれば解呪して供給してあげよう。無償でね。ただし、旧王の遺品(ロスト・レガリア)探しを手伝って欲しい」

 

「なっ……旧王の遺品(ロスト・レガリア)!」

 

「ほぅ……やっぱり旧王の遺品(ロスト・レガリア)も知っているんだ。話が早いね」

 

(……そうだ、センテの話から始まるんだ……最強武器収集クエストの一つ、旧王の遺品(ロスト・レガリア)のクエストだ! こんなに早く受けられるなんて……願ってもない条件だった)

 

「もちろんだけど……そんな条件でいいのか?」

 

センテは嬉しそうな顔で続ける。

 

「本当は君が僕を知った経緯を聞いて、大したことない話だったら『隷属契約』にしようと思っていたんだ。捨て駒として遺品回収を手伝ってもらおうかとね。ただ、今までの流れからして、君はなにか大きい渦の中にいそうだ。だから、隷属ではなく、パトロン提案にしてみようってね」

 

(なんとか首の皮が繋がったわけだ)

 

「情報収集、定期報告、あとはなにかあった場合に手を借りるくらいかな? まあそれまで生きていたらだけど」

 

「報連相ってことね、任せて」

 

「なんだそれ。異世界用語? とりあえず先に肩代わりを終わらせてしまおうか」

 

そう言うと、すぐにゼロに向き合った。

 

「ゼロ、オーダー、肩代わり契約(サブロゲーション)

 

ゼロの目がジロリとセンテの方を向き、飾りの角の光が消えた。

 

センテは着ていたコートのポケットから、厳重にくるまれた細い包みを出し、差し出すと、ゼロの飾りの角がすべて光り、包みは消えた。そして、舌でセンテ、リツの順で顔をベロリと舐めると光が消えた。

 

「完了したよ」

 

「……あの包みはなんだったの?」

 

「ここでそれ以上聞くなよ! 嘘をつけないんだから、答えるしかなくなるだろう! 深淵大陸の違法物だよ。これ以上は知らないほうがいい」

 

「仲間も心配しているだろうし、座って話せばいいから、ここは出ようか」

 

「嘘の心配とか、逃げるとかは大丈夫なの?」

 

ハアとため息をついて、一言だけ言った。

 

「やっぱり、君は侵色(ステイン)を舐めているね」

 

 

外に出ると、不安げな顔のスルギとルアが寄り添ってきた。

 

センテの仕事を手伝うことで、許してもらったと伝えると、大いに安堵していた。

 

また、センテからは「別のものが手に入ったから費用もいらない」と言われたので、非常に高価な武器と300万ベルクが手残りすることになった。

 

好着地過ぎたのが気がかりだったのか、スルギは細かく聞きたそうだったが、ひとまず安心といった顔で、街に戻り、細かな道具は大通りの店で揃えて帰ることになった。

 

「なんだかんだあったけど、武器も揃ったし、あとは訓練だね」

毎日21時更新です。次話もよろしくお願いします。

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