↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球人に人権がない銀河で、零細猫耳社長にスカウトされました ~生体パーツ扱いのどん底から操縦チートと拿捕ビジネスで成り上がる~  作者: 星灯ゆらり
第5章 猫耳の国を作ります

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/103

91.日刊駆逐艦でも戦力不足

 十数人から数十人の乗組員(とその候補)を採用し、猫駆逐艦を毎日1隻のペースで量産する。

 はっきり言ってイカレた軍拡速度だ。

 なのに、戦力がまったく足りない。


「広域開拓の情報が漏れたわね。小さいものまで含めると10以上の海賊が開拓予定の星系に入り込んでいるわ」


「惑星開拓船を1隻略奪するだけで大儲けだもんね。……まさか、うちから漏れた?」


 ブルネットの言葉を聞いて、ベリル社長が不安そうな顔になる。

 孤児院関係者と俺だけで構成された昔のベリル運送なら『メンバーが裏切ることは絶対にない』と断言できただろうが、最近は急拡大しすぎているので『金で情報を売るのが何人かいてもおかしくない』のが実情だ。


「勘が良い人間なら、銀河帝国内のニュースを見るだけで気付くと思うわ」


 ブルネットが『ニュースを新聞風にまとめて』大きな画面に表示する。

 紛争惑星からの地表部隊撤退や、惑星開発に使用される物資の先物価格情報などのニュースがあった。


「もっとうまくやれと言ったんですけど、役所は昔から杓子定規ですから……」


 今日の星系管制は、大規模出資者の立場で株主総会に参加している。

 先日の会議とは違い、完全に気を抜いたジャージ姿だ。


「起こっちまったことはどうしようもねーにゃ。ベリル。タキオン砲の調達はどうなってるにゃ?」


「吹っかけられてる。10門単位での商談が来てるけど、相場の倍以上」


「質はどうにゃ?」


「ほぼ通商製。他のメーカーの品もあるけど、品質保証がしっかりしてる大手メーカーの奴だよ」


「念のために言っておくけど、ベリルちゃんに話が行く前の段階で、怪しい商談は弾いているわよ」


 現在、猫巡洋艦は新規建造されていない。

 俺たちにはタキオン砲を生産する技術がなく、タキオン砲ぬきの猫巡洋艦より猫駆逐艦の方が強いからだ。


「にゃーは艦隊戦のことはよく分かんねーけど、このまま猫駆逐艦だけ増やしてもやべーのは分かるにゃ」


「それは私もね」


「ブルネットお姉ちゃんは昔から船に乗ってたでしょ?」


「最近は母港で狙って撃つ程度だもの。実際に乗って指揮しているベリルちゃんが1番詳しいでしょ?」


「えっと、サルくん、意見いい?」


 何故か俺に話がまわってきた。


「要するに、既存の艦隊をどう再編するかという話ですよね?」


 俺が聞くと、猫耳3姉妹が頷いた。


「何もかもを満足させる案は思い付きませんが……。こういうのはどうでしょうか」


 俺が説明すると、3人とも渋い表情になった。

 しかし、渋い表情になった理由は3人とも違う。


「サル。エネルギー容量をこれ以上増やすと、改造コストも運用コストも上がるにゃ?」


「サルくん。その割には強くならないよ?」


「あなた。こういう改造だと、拿捕ビジネスに悪影響があるわよ?」


 散々な評価だ。


「俺も平時ならこんな案は出しません。事業を続けながら戦力を再編するための苦肉の策です。拿捕や経済性も大事ですが、それらはぜんぶ、海賊に勝てるのが前提です」


 議論は長時間に及んだ。

 俺もよい案があればそちらに賛成するつもりだったんだが、残念ながら俺の案が採用されてしまった。



  ☆



 列強国家の惑星開拓船を襲うつもりの海賊にとって、ベリル運送の分遣艦隊も、1個分遣艦隊に守られた輸送船たちも、『手頃な獲物』でしかない。

 海賊船40隻に待ち伏せされた分遣艦隊は、他企業の輸送船の護衛を諦めて(ただし輸送船の乗組員は全員回収して)逃亡を開始。


 しかし追撃する海賊の高速船は12隻もいた。

 ベリル運送の1個分遣艦隊は、猫巡洋艦1隻、猫駆逐艦10隻(最近の増産で増えた)、猫ボート2隻で構成されている。

 練度が高いのは猫巡洋艦のみ、タキオン砲を搭載しているのも猫巡洋艦のみで、勝率はせいぜい6割程度しかない。


『司令さんよ! このまま逃げたら運送の看板が汚れちまうぜ!』


 新人船長の中には、公然と批判する者まで現れた。


『戦うのは勝率が9割を越えているときだけにゃ』


 俺やベリルの影響を強烈に受けた船長猫耳たちは、この船長猫耳に限らず、正々堂々という意識はほとんどない。

 勝てばいいのだ。

 儲ければいいのだ。

 生き残れば勝利なのだ。


『だがよっ』


『それとにゃーは攻撃艦隊司令じゃなくて分遣艦隊司令にゃ。にゃーの最優先仕事は部下を生きて母港へ連れ帰ることにゃ。敵をぶっ殺すのは……』


 即時通信が常識的なエネルギーで使える距離まで近付いたので、俺はそれまで受信のみしていた会話へ加わる。


「こちら第1攻撃艦隊のサルです。帰路の安全は確認済みです」


『こ、光速の10万倍で動いてる!?』


『こちら第3分遣艦隊。現状はデータで送ったにゃ。あとおめーは勝手な発言するんじゃねーにゃ。帰ったら特訓にゃ』


『そんなぁ』


 口の悪い元女学生の新人船長が、情けない声を出していた。



  ☆



 第3分遣艦隊とすれ違った俺たちは、敵ではないものに恐怖していた。


「さ、サルくん。整備費用の予想額が見たことない額になってる」


「海賊の内心と同レベルのグロ画像ですね」


 あのとき俺が何を提案したかというと、攻撃艦隊に所属する船の改良(具体的にはエネルギー容量に関連するパーツを高級パーツに入れ替えること)を提案した。

 価格が倍のパーツで性能が1割しか増えないような、通常なら割に合わない改造だ。

 なお、実際に購入したパーツは、従来のパーツと比較して価格は10倍、性能は3割増しだ。


『ベリル運送の主力艦隊だと!?』


『たった9隻だ。やれるっ』


『馬鹿野郎、あのイカレた鳥型がいる!』


 海賊の恐怖の感情も慰めにはならない。

 量産が前提の猫巡洋艦と違い、ベリル号は高い。

 そのパーツの10倍の価格は、直視するのに大きな気力が必要になる額だ。


「うーん。攻撃艦隊を高速化するのは良い案だとは思うよ? 威力も上がるし、味方を助けに向かうのにかかる時間も減るし」


 俺の自力センサーからの情報をもとに、ベリルが特大タキオン砲を連射する。

 そのすべてが狙撃だ。

 無人の輸送船を拿捕しようとしていた海賊船も、分遣艦隊を追撃中だった海賊船も、タキオン粒子に艦橋を粉砕されて沈黙する。


 ベリル号が光速の10万倍で飛んでいるので威力は十分。

 ベリルの射撃の腕があれば当てるのは容易で、半々くらいの確率で、艦橋以外は壊れずに残る。


『あんな速度を出していたら減速にも時間がかかる。今のうちに逃げろ!』


『うるせぇっ、命令するんじゃねぇっ』


 第1攻撃艦隊が減速を開始する。


 ベリル運送の船は、一般的な海賊とは違って純正パーツのみを使っている。

 しかもキン率いる整備班の丁寧な整備も受けている。

 相対速度が光速の約10万倍からゼロまで短時間に変化するほど急減速しても、船がきしむことはない。


『『『にゃ!』』』


 減速が完了してからは船長猫耳たちが主役だ。

 相対速度がゼロなら、ベリル社長も船長猫耳たちも命中率は90パーセントを越える。

 タキオン砲8門が『一時的に停止する程度に』エンジンへダメージを与えていく。

 もちろん特大タキオン砲1門も同じ事をしているが、数の差を覆せるほどの活躍はできない。


「今降伏すれば生きたまま警察に引き渡してあげる」


『うるせぇ! 死ねぇ!』


『俺は降りる! 死刑にはまだならねぇはずだっ』


『てめぇ裏切るか!』


 仲間割れする海賊の声が、とてもうるさい。


「さーて、ここからは拿捕優先でいくよ。サルくん。僕ら第1艦隊だけじゃ牽引できないから、第2攻撃艦隊に猫ボートを10隻くらい連れてきてもらって」


「了解。今、母港へ連絡しました。……第2攻撃艦隊ではなく分遣艦隊でもよかったのでは?」


「最近、悪知恵の働く海賊も入り込んでいるみたいなんだ。サルくんと似た髪の色の奴」


「地球出身なのに海賊の味方のあいつですか」


 俺は、殺気と舌打ちを我慢しきれなかった。


「サルくん。気持ちは分かるけど探して殺すのはあとだよ。今回の戦闘で分かったけど、船長猫耳が1段階か2段階射撃がうまくなるだけで猫巡洋艦の戦力が一気に上がる。今は無難に海賊を狩りながら、並行して戦力増強に努めようよ」


「戦力増強(船長猫耳たちへのスパルタ教育)ですね。いい機会です。徹底しましょう」


『『『にゃあ……』』』


 ベリル運送の精鋭である船長猫耳たちが、気弱な猫耳幼児であるかのように情けない鳴き声をあげていた。

◆ CAPTURED

高速海賊船(中破)*2

高速海賊船(大破)*6

海賊船(中破)*11

海賊船(大破) *7



◆ BERYL ATTACK FLEET

規模:4 防衛:8 遠征:15 ※第1と第2をあわせた評価


◆ BERYL THE GREAT MK3 ※エネルギー容量に関連するパーツを高級パーツに入れ替え

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:5 / 装甲:0 / 居住:4 / 船倉:0 / 兵装:5


◆ CAT CRUISER *16 ※1隻はスッス専用。同上

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:5 / 装甲:2 / 居住:1 / 船倉:1 / 兵装:4



◆ CREW

ベリル  |司令Lv3-[借金Lv1] ※高級パーツを大量購入

サル   |操縦Lv6-[衰弱Lv3]

スッス  |操縦Lv3+[医療Lv2]

司令猫耳 |司令Lv1+[拿捕Lv2]

船長猫耳ズ|船長Lv2+[猫語Lv1]

拿捕猫耳ズ|整備Lv2+[白兵Lv2]



◆ FRIENDLY FLEET

◆ SUPPLY SHIP ※エネルギー補給用装備を搭載。高価な船

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:1 / 居住:3 / 船倉:4 / 兵装:1


◆ CREW

ノワール |諜報Lv2[霊媒Lv1]



◆ BERYL DETACHED FLEET

規模:5 防衛:7 遠征:12 ※第1から第4をあわせた評価


◆ CAT CRUISER *4

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:2 / 居住:1 / 船倉:1 / 兵装:4


◆ CAT DESTROYER MK2 *40

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:1 / 居住:1 / 船倉:0 / 兵装:3


◆ CAT TUGBOAT MK2 *8

船体:2 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:1 / 居住:0 / 船倉:0 / 兵装:0



◆ CREW

船長猫耳ズ|船長Lv2+[猫語Lv1]※猫巡洋艦艦長、兼、分遣艦隊司令

猫耳の下僕|操縦Lv3 [信仰Lv2]※猫巡洋艦に搭乗

新人下僕ズ|操縦Lv1+[信仰Lv1]※猫巡洋艦に搭乗

新人船長ズ|船長Lv1 ※猫駆逐艦に搭乗。特徴が多様なため、第2特徴を削除


◆ RESERVE

大型輸送船 *1

通信系強化型低速大型船 *1



◆ BERYL DEFENSE FLEET

規模:3 防衛:8 遠征:8


◆ BERYL THE GREAT MK2

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:2 / 居住:2 / 船倉:2 / 兵装:4


◆ CAT CRUISER *4

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:2 / 居住:1 / 船倉:1 / 兵装:4


◆ CAT TUGBOAT MK2 *32

船体:2 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:1 / 居住:0 / 船倉:0 / 兵装:0



◆ OTHER SHIPS

船体:4 *1 / 船体:1 *7


◆ CREW

ブルネット|事務Lv2+[射撃Lv3]

キン   |整備Lv3 [白兵Lv2]

拿捕猫耳ズ|整備Lv2+[白兵Lv2]

猫耳の下僕|操縦Lv3 [信仰Lv2]

ブラン  |秘書Lv2 [衰弱Lv1]

母猫耳ズ |市民Lv2 [衰弱Lv1]

市民猫耳ズ|市民Lv1+ ※特徴が多様なため、第2特徴を削除

他種市民ズ|市民Lv1 ※特徴が多様なため、第2特徴を削除


◆ CREW IN TRAINING

船長候補 |船長Lv1 ※特徴が多様なため、第2特徴を削除

新人学生ズ|市民Lv1 ※特徴が多様なため、第2特徴を削除


◆ CAPTURED

小型武装輸送船 *4 ※動力源として使用中



◆ PET

◆ RUIN STATION ※まだ損傷あり

船体:6 / 跳躍:3 / 航続:5 / 装甲:5 / 居住:0 / 船倉:0 / 兵装:4


◆ CREW

超AI  |船長Lv2 [頑固Lv4]



◆ CAN BE PRODUCED

船体:3 / 跳躍:4 / 航続:4 / 装甲:2 / 居住:2 / 船倉:3 / 兵装:3


◆ BERYL HOME PORT(7/7)

権利:5 / 規模:5 / 装甲:0 / 修理:5 / 居住:3 / 備蓄:0 / 兵装:3

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。