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第81話 太陽騎士団

「ふはははは。この太陽の檻タイヨウ・ゲフェングニスからは出られるまい」


 オレンジ色の大きな獣に乗って、オレンジ色の鎧を身につけた騎士が、檻の間を通って近づいてきた。


 ——誰だ?


「な、なんで、こんなところに太陽騎士団が? しかも助けてくれた?」


 1人の兵士が言った。


「そんなわけないだろ。太陽騎士団は、隣国ゾンネの国で、敵だぞ」


 別の兵士が言った。


「ふはははは。確かに、我は八大騎士の1人太陽騎士団、騎士団長のエルドウィン・フォン・ハックだ。帝国の兵士よ。今はそんなことを言っておる場合ではなかろう。わしらとて、好きでゾクラナ帝国と戦ってきたわけではない。だが……」


 オレンジの騎士が獣から降りてきた。


「この状況は、まさか暗黒騎士の仕業ではあるまいな?」


 エルドウィンが聞いた。


「い、いえ、そんなはずはありません。暗黒騎士はずっと前に首都を出たっきり、いまや消息がわかりません」


「ほう……噂は本当だったか……では、この状況は?」


「わかりません」


「あー、そのことだが、おそらくシックザール魔教会の仕業だ」


 俺が口をはさんだ。


「ん? お主は……さっきの剣技、見事だったぞ。ただ者ではないだろ、ふはははは」


 エルドウィンが俺の肩を強く叩いてきた。


 おいおい、50代くらいオッサンのくせに、なんて力だよ。


「……キール・ハインドだ。元賞金稼ぎの賞金首だ」


「ふははは、なんだって? 賞金首? そんなやつが、堂々、首都の真ん中に立っているかよ。ん、さっき、なんて言った? シックザール?」


「あぁ、シックザールだ。俺たちは、シックザールの本拠地に向かう途中でね」


「山の中でこっそりなにかしている陰険な小さな集団だと思っていたが……」


「今は小さな集団どころか、各地で子供らを集めたり、世界をおとしめるような影響を与えている」


「それじゃあ、コレもか? なんのために」


「さぁ、それはわからない。ただ、闇の指輪を各地にばらまいて、八大騎士を移動させて、各国の守りを弱らせていることは間違いなさそうだ」


「お主、なぜそれを? キールと言ったか。お主の言ったとおり、我らは闇の指輪を地獄の谷に捨てに行く途中だった。敵対するゾクラナ帝国を突っきるわけにもいかず、沿岸部を通っていて、ココの異変に気づいてみたら、このあり様だ」


「兄さん、また黒い獣たちが」


 リーゼが辺りを見回して言う。

 ぞくぞくと黒い獣だけでなく、闇の騎士も広場にどんどん集まってきていた。


 行き場を失った兵たちも追いやられてきていた。


「数が多いが、いくらでも相手をしてやるぞ、ふはははは」


「エルドウィン、一カ所に集められるか?」


「ん? 一カ所に集めてどうする?」


「まとめて消す」


「そんなこと……そういえばさっき、暗黒の剣技のように見えたが、それか」


 なぜか、エルドウィンが嬉しそうに言った。


「いや、別の方法だ。早くしないと、この場の収集がつかなくなる」


「ふはははは、まかせておけ」


 エルドウィンは大剣を天に向けた。

 上空にもう1つ小さな太陽が生まれた。

 キランキラン光を放った。


「まぶしい……いったい、なにを?」


「まぁ、見ていろ」


 辺りが騒がしくなる。


 この噴水広場につながる道から、どんどん黒い獣や闇の騎士らが集まってくる。


 いや、寄せ集められている?


 4方向からエルドウィンが乗っていた獣に似たオレンジ色の獣が、敵を追いつめている。


「我ら、太陽騎士団にかかればこんなものだ。さぁ、キール、どうする気だ?」


「まぁ、見ててくれ」


 そう言って、中央にいるリーゼの元へ飛んだ。


「兄さん」


「リーゼ。解放を」


「わかった」


 俺とリーゼは互いに背中を向け合う。


「えっ、あの、私は?」


 リーゼと一緒にいたカリンが戸惑っていた。


「大丈夫だ。そこにいろ。すぐ終わる」


「は、はい……」


「リーゼ、いいか?」


「えぇ、いつでも」


「よし」


 俺とリーゼは、広場にいる黒い獣や闇の騎士たちに手をかざす。


「「——マナ・ベフライウング」」


 足元から広場に白い光が広がっていった。

 そして、黒い獣や闇の騎士たちを包みこむ。


「すごい……なんてマナの力なの。これが本来のマナ徒のマナ……」


 カリンは、その光景を目に焼きつけるかのように見つめていた。


 光に包まれた黒い獣と闇の騎士たちは、白い光に飲みこまれて姿を消した。


「「オォォォォ」」


 兵士たちが声をあげた。


「ふはははは。キール、暗黒だけでなく、マナも使える者だったのか。それなら早くそう言え」


 オレンジ色の獣に乗ってやってきたエルドウィンが、俺の背中を嬉しそうに叩いてきた。


 おっ、おい……。

 早く言ったからって、なんだよ……。

 ムダに暑苦しい騎士だな。


「団長。次が来るぞ」


 建物の上に立っていた上半身裸のモンクが叫んできた。


「ふはははは、いくら来ても、迎え撃つ」


「いやいや、それじゃあ、きりがない。元を断つしかない」


 エルドウィンに冷静に言った。


「おそらく奥の宮殿だ。あそこから町に出てきてる」


 モンクが町の奥を指差していた。


「わかった。わしらは宮殿へ向かう。お前らは、引き続き町を守れ」


「「はい」」


「キールと娘たち、乗れ。お主らの力が必要だ」


 エルドウィンが手を伸ばしてきた。

 その手を借りて、オレンジ色の獣に乗る。

 それからリーゼとカリンが乗っても、オレンジ色の獣は余裕で走り出す。


 黒い獣や闇の騎士たちを蹴散らすように、道を進んだ。


 あっと言う間に、宮殿の入り口に到着した。


 宮殿の入り口からは、途切れることなく黒い獣や闇の騎士が出てくる。


 そこには、すでに多くの兵士たちが倒れていた。


「きりがないぞ。やっぱり侵入したヤツらを倒さないと」


 黒い鎧を身につけて戦う若い騎士が3人いた。


「そんなことはわかっている。だから、どうやってこの中に入るの?」


 いらだっている女の黒騎士。


「あーあー、もうさぁ、宮殿ごと潰しちゃえば?」


 軽く言う騎士の剣さばきは、とても軽い。


「そんなことはできない。ここがどんな場所だと思ってるんだ」


「冗談だよ、冗談」


「たく……」


 黒騎士たちは、文句を言いながらも、獣や騎士たちとやり合っている。


「リーゼ」


「えぇ」


 俺とリーゼは神殿の左右の屋根に飛び乗った。


 目を合わせてうなずき合う。


 そして、屋根に手をかざす。


「「——マナ・ベフライウング」」


 宮殿の入り口からいっきに白い光があふれ出した。

 宮殿の中や入り口付近にいた黒い獣や闇の騎士は消えた。


「くっ、なんだったんだ、あの白い光は……」


「消えてるわ」


「なに者?」


 黒騎士たちがそれぞれ口を開いた。


「通りがかりの元賞金稼ぎの賞金首だ」


 俺とリーゼは屋根から飛び降りた。


「ふはははは。それと、太陽騎士団だ」


「えっ、なんで敵国の騎士団が?」


 黒騎士たちが振り向いた。


「若造暗黒騎士、いまは争っている場合ではないだろ。それより、首謀者は?」


「くっ。宮殿の中だ。だが、これ以上、部外者を中に入れるわけにはいかない」


「なぜだ?」


 エルドウィンが聞いた。


「部外者にそれを話す必要はない」


「暗黒の泉だろ?」


 俺が聞いた。


「貴様、なぜ、それを?」


 暗黒騎士3人が俺をにらみつけてきた。


「おもしろかった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「キールたち、今後どうするのっ……!」


と思ったら


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