人間17
獣たちの繁殖期には、森の部族はその群れについて行くだけで薪を集めることができた。発情した雄たちは激しく争い合い、巨体をぶつけ合って木々をなぎ倒し、群れが通り過ぎた後には折れた枝や倒木が辺り一面に散らばっていた。部族の者たちは危険が去るのを待ってから森へ入り、それらを拾い集めるだけで十分な薪を確保できた。しかし、それ以外の季節になると、そのような幸運は望めない。そこで彼らは、草を食んでいる古象の耳を狙って石を投げつけた。突然の痛みに驚いた古象は大きな鳴き声を上げ、木々を押し倒しながら森中を暴れ回る。その跡には折れた枝や倒木が数多く残され、部族はそれらを運び集めることで、一度に十分な薪を手に入れることもあった。
参考文献
Lewis, R. (2022) The Evolution Man: Or, How I Ate My Father(=『進化した男――あるいは、私はいかにして父を食べたか』).
Wrangham, R. (2009) Catching Fire: How Cooking Made Us Human(=『火の賜物―ヒトは料理で進化した』).
Gowlett, J. A. J. (2016) The discovery of fire by humans: A long and convoluted process(=『人類による火の発見―長く複雑な過程』).
Binford, L. R. (1980) Willow Smoke and Dogs' Tails: Hunter-Gatherer Settlement Systems and Archaeological Site Formation(=『ヤナギの煙と犬の尾―狩猟採集民の居住システムと考古遺跡形成』).
Haynes, G. (2006) Mammoth landscapes: Good country for hunter-gatherers(=『マンモスの景観―狩猟採集民に適した土地』).
推定総盗用率:およそ2~5%




