105/277
人間32
翌朝、夜明けとともに、風は雲間を吹き抜けて空から吹き降ろしてきた。だが、地表近くや湿地を漂う空気は重く、湿り気をたっぷりと含んでいた。
空一面は波光を映す湖面のようにきらめき、その水の中では海藻や睡蓮、淡い色をした葦がゆるやかに揺れているようだった。
夜明けの泡は渦を巻きながら空へと湧き上がり、ゆるやかにその広がりを増してゆく。そしてついには、硫黄色に染まる潟となり、緑柱石色の入り江となり、淡い薔薇色を帯びた真珠母色の川となって、空いっぱいに流れ広がっていった。
参考文献
Boex, J. H. H. (1911) La Guerre du feu(=『火の戦い』).
推定総盗用率:およそ0~5%




