101/264
人間28
アグはこの力をファウムやナオに使ったことはなかったが、その圧倒的な力は誰もが知っていた。腕を切り落とされた者もいれば、命を奪われた者もおり、その頭蓋骨は戦利品として集められた。彼は、同じように全身が毛むくじゃらの二人の兄弟と、奴隷となった数人の女たちとともに、他のオルハム族から遠く離れた場所で暮らしていた。オルハム族はもともと自らには厳しく、他者には猛々しい気質を持っていたが、「野牛の息子」に見られるこの「行き過ぎ」を恐れていた。やがて漠然とした不満が人々の間に広がり始め、人々は初めて、この度を越した暴力に抗うために結束した。
参考文献
Boex, J. H. H. (1911) La Guerre du feu(=『火の戦い』).
Harari, Y. N. (2014) Sapiens: A Brief History of Humankind(=『サピエンス全史――文明の構造と人類の幸福』).
推定総盗用率:およそ<5%




