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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第2部 ノエル編 第四章 ヒロインのジンクス
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クロエの気持ち

アリア視点です

アイン様が下校されて、私達も帰ります。



「ノエル様。至急王妃様にご相談したいことがあるのですけれど、王城までご一緒してもいいですか?」


「まぁ、お母様に相談?いいですわ、一緒に帰りましょう」



ノエル様が快く応じてくださったので助かりました。

本当に、至急「秘密のお茶会」メンバーにご相談しなければならない案件が出来たのです。


王妃様は公務中だったはずですが、私の至急の用件ということで、自室に呼んでくださいました。



「王妃様。お忙しい中申し訳ございません。

出来れば、マリアンヌ様と前王妃様にもご報告したいのですが」


「………クロエちゃんは呼ばなくていいのね?」


「はい」



私のハッキリした返事に、王妃様は何かを感じ取ったらしく、すぐにマリアンヌ様と前王妃様を呼んで下さいました。



「それで、あえてクロエちゃんを外したということは、クロエちゃんに何かあったのね?」



王妃様が単刀直入に聞いてきます。



「本日より、アイン様が学園に編入されましたが、クロエ様のご様子が、少しおかしいのです。

アイン様お一人をいつものランチやお茶会のメンバーの中に誘ったり……頬を染めたり。

まるで………恋を始めた令嬢のようで」


「なんですって!?」


「思えば、夏の離宮にお邪魔した時も、ノエル様がお部屋にいらっしゃらない時に、アイン様を妙に褒めていましたし、パーティーでは、お二人にご挨拶すらしなかったと、他の友人から聞いております。

クロエ様はアルフォンス殿下と婚約中。

ノエル様もアイン様との婚約は秒読み。

今、クロエ様に心変わりされては、あちらこちらに支障が出るかと」


「確かにあなたの言う通り、クロエちゃんの様子はおかしいし、今心変わりされても困るわ。

でも、第3部ではアインは攻略対象ではないでしょう?」



マリアンヌ様の言葉に、私は苦々しい思いで首を振ります。



「第1部の時のノアルートと同じように、隠しキャラとしてアインルートがあるのです」 



皆さん愕然とした顔をしてらっしゃいます。

それはそうでしょう。

今の今まで、万事順調だと思っていたのですから。



「確かに、クロエちゃんが前に失恋した時は、攻略中に攻略対象に嫌われたり怒らせたりしたければノーマルエンドになるとはお伝えしたけれど。

アルはクロエちゃんを溺愛しているから、婚約破棄なんてクロエちゃんに言い出されたらバッドエンドまっしぐらね。

それに、ノエルは降嫁する身とは言っても結婚するまでは王女。その恋人か或いは婚約者を略奪するとなると……現実世界でも大問題ね」


「アリアちゃん」



前王妃様が厳しい目で私を見ます。



「ゲームの中でのアインルートはどのような感じなの?悪役令嬢の断罪はあるの?バッドエンドはどうなるの?」



こちらに来て既に日が経っているので、私の記憶も曖昧ですが……



「アイン様の社交界デビュー、つまりこの間のパーティーですわね。そこで二人が出会い、学園で親密度を上げていく流れですわ。

悪役令嬢断罪イベントはやはりあって、ノエル様とアイン様の婚約発表パーティーで、私が中心になって断罪し、ノエル様は国外追放。

バッドエンドでは、アイン様を元孤児と知らないクロエ様が、ストリートチルドレンを馬鹿にし、アイン様を傷つけ怒らせ、そのことを聞いたマリアンヌ様に断罪され、それを聞いたオブライエン子爵から同じ身になってみるといい、と勘当され、友人からも見放されるというルートです。

アルフォンス様ルートも、バッドエンドは容赦ないですわ」


「どちらにせよ、あまり良くはないわね。

いいわ、事の真相はこちらでも調べてみます」


「よろしくお願いいたします。私の勘違いであることを祈っておりますわ」



そうして、私は王城を後にしたのですが………


日を追うごとにクロエ様のアイン様への執着は増していき、ボディタッチなどもしています。

さすがにティア様に諌められましたが、こんな姿、アルフォンス様が見たらどれだけショックを受けるでしょう。

ノエル様も毎日不安そうで、休み時間のたびにアイン様に頭をなでてもらっています。

それ以上のことは、学園内ですし、ね?



そして、1ヶ月後。

王妃様から秘密のお茶会の招集がかかりました。



「結論から言うわね。

クロエちゃんは、間違いなく恋をしているわ。

お約束もなくハンバード侯爵家を訪れて、デートに誘おうとしたり、お父上に、王子との婚約解消について聞いたりしていますわ」


「困ったわね……どうしてあちらの世界の方が公式ヒロインになるとこうも惚れっぽい人間になってしまうのかしら」


「アインはノエル様一筋だからいいとして、アルフォンス様は絶対に婚約解消に応じないでしょうし」


「この際………クロエちゃんとアルをミモザに留学させてしまう?

二人きりなら気持ちも戻るかもしれないし、戻らなければその時は………」


「まさか、お義母様…………」



王妃様の顔が青ざめます。

私も、第1部のバッドエンドを思い出しました。



「性格の矯正、ですか………?」


「第二王子とはいえ、その妻が恋多き女性では困るのです。ミモザは一回性格の矯正に失敗していますから、矯正するならトリスに呼び戻してからですわね」


「他に、方法は……」



聞きながらも、私にもわかっていました。

もう、クロエ様は私達の忠告やノエル様の戸惑った顔を見ても気にしない程、アイン様にのめり込んでいるのです。

他の方法など、ある訳がありません。


王妃様はすぐにオブライエン子爵家へ使いを出し、将来の王子教育と王子妃教育のため、という名目で、クロエ様をミモザの学園にアルフォンス様と一緒に留学させるよう命じました。


アルフォンス様は大喜びだったようですが、クロエ様はなかなかうんと言わなかったそうです。


クロエ様がトリスを出る日、私達友人はみなどこかホッとしながらクロエ様とハグをして別れを惜しみ、お見送りしました。



「クロちゃん、アルをよろしくね?

一月に一度は手紙をくださいね。

数年後にはまた会えるんですもの。その時はお互い、結婚しているのね。楽しみだわ」



やはりクロエ様を疑いたくないのでしょう。

ノエル様はにこやかに優しく送り出しました。



あちら側の世界で親友だったゆいちゃん。

こちらの世界でも仲良くしてくれたクロエ様。

こんなに色々な男性にすぐ惚れてしまうような女の子ではなかったはずですのに。

ゲーム補正なのでしょうか。


第1部ヒロインのリリアンが、王子たちの間をフラフラした挙句、ノアルートに執着して命を落としたことは、王妃様方から聞いています。

第2部のヒロイン、イザベル様はジュリア王妃に勝てないと悟って身を引いた為、今はミモザの王子と結婚して幸せにしているそうです。

つまり、ゲーム補正がかかっても、自分から身を引けば、大事件にはならないのでしょう。


クロエ様は………どちらの道を選ぶのでしょうか。


アルフォンスルートのバッドエンドは、他の男性に好意を寄せていたヒロインが性格の矯正をされ、執着するアルフォンス様に監禁される内容です。

もちろん、ノエル様や他の友人たちとの縁も切れます。

アルフォンスルートのままでも、この後アインルートに入ったとしても、アイン様はノエル様にベタボレですし、どちらにせよいい結末は待っていません。


こんなことなら、クロエ様にもっとゲームの内容を教えておくべきでした。


どうか、ミモザでアルフォンス様と一緒にいるうちに気持ちがアルフォンス様に戻るよう、私は願うことしかできませんでした。


自分で書いておいてなんなんですが、クロエないわー

それはないわー

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