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乙女ゲーのモブキャラに転生したら王子にプロポーズされました  作者: いち
第2部 ノエル編 第三章 それぞれの思い
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縁結びお茶会とノエルの悩み

ノエル視点です

待ちに待った学園のお休みの日。

今日はシエルちゃんとルディちゃんを招いてのお母様の縁結びお茶会の日です。


お約束していたのか、シエルちゃんとルディちゃんは一緒に登城してきました。


中庭では既にお茶会の用意が整い、お母様とマリアンヌおばさまが何事か真剣に話していました。



「お母様?」


「あら、ノエル。お友達はいらっしゃったの?」


「はい。ルディちゃんはご存知ですわよね?

こちらが、シエルちゃんです」


「ご無沙汰しております。リベラ侯爵家の長女、ルディア・リベラでございます。本日はお招きいただきありがとうございます」


「私はアルディ伯爵家の次女、シエル・アルディと申します。お初にお目にかかります。

学園では、ノエル様と親しくさせていただいております。

本日はお招きいただきありがとうございます」


ルディちゃんとシエルちゃんが淑女の礼をします。



「楽にして?今日は恋のお話で盛り上がりに来たのだと思ってくださればいいわ」



メリーが人数分のお茶を淹れると、私達は早速それぞれの恋について話し始めました。



「なるほどねぇ。ルディアちゃんはロングアイランドの王子マイク様に、シエルちゃんは護衛騎士団長のゼルに……」


「シエルちゃんの問題から片付けたほうがいいかもしれませんわね。

ゼル騎士団長はもういい歳ですけれど、カタブツを絵に書いたような方。顔立ちは整っていますし、とてもお強いので人気はありますけれど、恋の話は一度も耳にしたことがありませんわね。

………そうね。せっかくなら、今度騎士団の訓練を見学に行ったらどうかしら、差し入れを持って」



マリアンヌおばさまの言葉に、シエルちゃんが身を乗り出します。



「見学など、できるのですか?」


「ええ。家族に騎士がいたりすれば、見学は可能ですわ。今回はノエル様が今後の参考に、という建前で見学されるのにご一緒されたらいかがかしら」


「ノエル様!お力をお貸しいただけますか?」


「もちろんですわ、シエルちゃん」


「ノエル様がご一緒なら、必ず説明の為に団長がそばに来られるはずですから、その時に差し入れを。

そして、こう言うの。

『さすが、皆さん国を護るというお仕事をされているだけあって、真剣なお姿がとても素敵ですわ。これも、ゼル団長が皆さんをまとめていらっしゃるからですわね』」



シエルちゃん、真面目にメモを取っています。



「ああいう仕事人間は、自分の仕事を褒められると喜びますから、仕事ですから当然の事です、と返されても、『命をかけるお仕事ですものね。尊敬いたしますわ。お仕事の邪魔はいたしませんので、また、見学に来てもよろしいですか?』とさり気なく次の見学の約束を取り付けるのです。

次からはお一人で見学に行くのですよ?」



ふむふむ。

マリアンヌおばさまは、こういう駆け引きがお得意なのでしょうか。とても淀み無くお話されています。



「ある程度騎士の方と馴染みになったら、おそらく好みのタイプを聞かれるでしょうから、そこは素直にゼル様です、と答えて構いませんわ。はっきり言われればゼル団長も意識し始めます。

自分など歳も上だし、というようなことをおっしゃるようなら脈アリですわ。お慕いしている方がたまたま年上だっただけです、と言い切って。それから、私のような子供など、相手にしていただけませんわよね、と寂しそうに言うの。

とりあえずはそこまで進めば第一段階クリアね。

一気に色々言っても混乱するでしょうし、今言ったとおりの展開になるとも限りませんから、まずはここまでにしておきましょう」


「ありがとうございます!」


「次はルディアちゃんね」


「正直、マイク殿下の好みがわからないからなんとも言えませんけれど、ここは一つ、ジュリア様にパーティーを開いていただいて、ノエル様のそばにいることですわね。

おそらくノエル様に声をかけに来ますから、ご挨拶だけしたらニコニコしているだけでいいわ。ルディア様は笑顔が素敵ですから、そこを全面に押し出していきましょう。

ノエル様はきっとバトン様とダンスに向かわれるから、そうしたら壁際で少し寂しそうにするの。ギリギリ、マイク様の視界に入る位置でね?話しかけられたらこっちのものですわ。

笑顔でお話して、少しだけ親しくなるのです。

その後は学園で会ったときに親しげに微笑まれるだけでじゅうぶんですわ。

ジュリア様?パーティーの開催は可能かしら」


「ええ。ちょうどそろそろ王族主催のパーティーを開催する時期ですわ」


「ルディア様もシエル様も素敵な令嬢ですから、自信を持っていきましょう!」



なんだか、お母様だけのお茶会のときとは違って、随分具体的な指示の多いお茶会でした。

以前お母様が、マリアンヌ様は百戦錬磨だから、とおっしゃっていましたけれど、本当にそうかもしれません。


でも、ご自分がコック長のエリクに恋をした時はなかなかアプローチ出来ずにいたというのですから、やはり他人事と自分のことは別なのですね。


その後は、他愛もない世間話をしながらお茶を飲んで、お茶会はお開きになりました。


ちなみに、騎士団の訓練の見学は、一応お父様の許可を取って、騎士団に通告してからでないと私は行けませんので、そこは晩餐の時にお父様におねだりすることにしました。


それより、私は最近少し気になっていることがあるのです。

縁結びお茶会でお話するようなことでもないし、今回はルディちゃんとシエルちゃんがメインでしたので特には話さなかったのですけれど……

ここ最近、入学式の翌日から今日まで、バトン様の様子がおかしい気がするのです。

以前なら、3日と開けずに花束を送ってくださっていたのに、それが届かなくなり、お兄様にバトン様の話題を振ると、さり気なく話を逸らされてしまうのです。


バトン様、何かあったのでしょうか……


入学式の日に送ってくださった時は、いつも通りのバトン様でした。

その後はお会いしていません。

一度だけ移動教室のときにお見かけしたのですけれど、ご学友らしき女性とご一緒でしたので声をかけるのは遠慮したのですけれど。


私、知らない間に何かしてしまったのでしょうか。




その晩、私は晩餐後にお母様にお時間を頂いて相談してみました。

お母様も花束が届かなくなったことには気がついていらっしゃって、でも理由には心当たりがないようで、少し調べてみる、とおっしゃいました。

もしも私が、知らぬ間にご機嫌を損ねるようなことをしていたのなら謝らなくてはいけません。



「お母様からお兄様に話を聞いてみるけれど、あまり気に病まない方がいいわ。あなたには笑顔がとても似合うもの」



頭を撫でていただいて、私はアインとメリーと一緒に自室に戻りました。

元気がないのが伝わってしまったのか、アインもメリーも心配そうにしていたので、あまり心配をかけないように、笑顔を向けて二人を見送ると、私はベッドに潜り込みました。

ギャグ要素を出したいのに、何故かシリアスな方向へ……

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