最終戦 守護者対贋作 その2
並行処理。≪模倣・時間制御≫”魔力処理”のみを加速。魔力砲の溜めを加速させる。消費魔力が想定よりも多い。
――模倣を二つ同時使用で、他術式の行使しているのなら許容範囲と判断、続行。
思考が加速する。鼻から血が垂れるのが分かる、普通ならここまでの同時行使は行われない。魔法使いでも、魔法少女でも。
固有魔法同時使用など、魔法使いはしない。……出来ない、魔法使いは固有魔法を同時に使う考えが無い。”一つ固有魔法があれば十分”、半端な私には一つじゃ足りない。
紫苑の動きを確認。十分な魔力の溜めを確認、”まずは一射”。
「穿て。」
圧縮された魔力が数秒照射される。地面を焦がし、僅かに硝子化させる。……時雨さんの攻撃よりもかなり劣っている。だけれども、私の実力の内ではそれなりに高火力。
……想定を修正。紫苑の後ろ、V字に”無傷の地面”が見える。地に伏せてもなお、私の方へ盾を突き立てている姿を確認。
……結構自信あったのに、無傷とは。少し自信を無くす。攻撃が通らない”無敵の装甲”、私の魔法では通せない。
――だからどうした。
魔力で編まれたものならいつか解ける。そこを狙えばいい。時間制限も横槍もない、私の、私たちだけの戦場でなら、待てばいい。相手に気取らせず、最高の機会を。
重力制御が切れ、紫苑がこちらへと迫る。回避……は遅い、防御。障壁を張り、杖と腕で防御姿勢を取る。紫苑が、盾を振り抜く。
重力制御を自身に掛ける、重力を半分以下にして吹き飛ばされるままに。数十メートル吹き飛ばされ、ふわりと着地する。
魔力で編まれた装甲……、持続時間はどれくらいなのか、想定として魔法少女の戦闘時間からすれば長くて30分。それだけあれば魔物相手には十分だろう。
……常に魔力供給され、安定して存在させている可能性も捨ててはいけない。だけれども、まずは30分を目安にする。
体感の魔力量的に戦闘可能時間は1時間。それ以上は”今と同じ動きは出来ない”。手を緩めば何かあると気取られる、手を緩めず全力戦闘を行いながら待つ。
……私が考えた戦術ながら、かなりの無茶を要求していると思う。この戦争に私の勝利は、すでに意味は無い。それでも、負けるつもりはない。
此処で手を抜いて負けたら、本当に守りたいもののために戦う時に、手を抜いてしまう。言い訳になってしまう。
私は、私の未来のために、勝利を欲する。そのための無茶なら受け入れよう。




