最終戦 守護者対贋作 その1
最終戦。
――森崎紫苑 対 月城詩織――
魔力で編み上げられた淡い半透明の装甲が装飾された装束を纏った魔法少女。【守護者】森崎紫苑と相対するのは、古木から作り出した長杖を携えた端位の私。
「端位が一人。……魔法使い。月城詩織、行きます!」
「白金等級、守護者。森崎紫苑。せめて……せめて、一勝だけでも……。」
――紫苑さんが魔力で編まれた剣と盾を”創造”する。
分かりやすい象徴。近接に特化。ただ、遠距離にも注意。近距離だけしか出来ないなんてことを想定するな。
剣が煌く。回避……間に合わない、障壁の全力展開。広範囲ではなく点。多重展開。
花弁が集まり目の前へ”花畑”を創り出す。攻勢術式を組んだ物ではなく、防御それ一点を突き詰めた術式を組み込む。
振り下ろされた巨剣。花が散り衝撃が走る。花弁は舞い、花吹雪となり”私を守る”。
攻撃を視る。魔力砲……いや、魔力を放出してある地点から折り返して元に戻る、その繰り返し。チェーンソーを膨大な魔力で再現したかのような攻撃、障壁の減りが速いのも納得できる。
長くは続かない。魔物相手なら数秒で片の付く攻撃だからこそ、防がれ続けることを想定していない。燃費が悪い、ただ、連続しては使えると予想できる。循環しているのなら、全て戻した後にまた出せばいい。
――巨剣が消え。花畑が残る。
障壁を攻勢術式へと再構築。効力は期待しない。どんな反応をするか、知れば知っただけ有利になるから。
構築数”30”、花が紫苑へと首を向け、魔法弾を次々に吐き出す。点で当てることを考えず、面で攻撃を置く。どうせ、魔法少女なのだから、身体強化も使えるはず、なら、面の方が当たりやすい。
紫苑が盾を前に構え、ゆらりと揺れたかと思えば、花畑の中を”ただ”、まっすぐこちらへと向かってくる。
――盾と身体強化による強行突破。花畑での迎撃は間に合わない。突破されている、……ならばこちらも合わせればいい。
花を二つ、私の横に合わせ魔法弾を放ちながら少し後退。魔力砲を少し溜め、即座に放つ。
……盾に当たれど、勢いを殺すことも、ましてやダメージが入ったかも疑わしい。紫苑のタックルをまともに受けるのは得策じゃない。
半身避け、軽く腰を落とし、杖を低い位置から、タックルが外れ、通り過ぎる”足”目掛け振り抜く。体勢を崩し、派手に転ぶ紫苑が見える。手に伝わる衝撃で、少し痺れるがダメージにはならない。
追撃なら今しかない。使えるものは何でも使う。
≪模倣・重力制御≫
紫苑の周囲が僅かに沈む。重力が大体3~4倍位になっただろう。……これもただ、起き上がるのを遅らせる程度しか期待していない。魔力砲の魔力を先ほどよりもしっかりと溜める。
紫苑の纏った魔力の装甲がどこまでの物か、知らない。ならば、ならば、出来うる火力を叩きこめばいいだけ。




