戦争前の話し合い その1
白旗を掲げ、魔法少女たちの元へ。
攻撃をするのか迷い、喧騒が溢れている。たぶん黄金等級だろうか、攻撃をしないように注意を呼び掛けているのが聞こえる。
「いい判断だねぇ、使者を攻撃しないのは。戦争を知らないにしては。」
幻理さんが魔法少女達を見ながら、愉快そうに嗤う。
手前数百メートル。幻理さんが声を張り上げる。
「まずは交渉を申し出たい!代表者と見届け人を前へ!」
微かな魔力を感じる声。ざわめきが広がる。
1分もたっていないのだろうけど、私にはものすごく時が遅く感じた。
「私が……、私が!代表者です!」
魔法少女たちの中から二人の人影が走り寄ってくる。
少女と大人の男性だろうか。
魔法少女にしては儀礼的な装束を身に纏う魔法少女。
……たぶん白金等級の魔法少女と魔災庁の職員だろう。
ちゃんと見える位置に近づいて来た時、幻理さんが手を突き出し制止を促す。
「まずは、名乗りを上げな。名乗りもせず交渉をするのかい?」
「……いや、まずはこちらから名乗りを上げよう。
――玄位が一人!幻影の魔法使いが幻理!交渉代表者として此処へ参った!」
幻理さんがこちらを一瞬見て名乗りを促す。
「端位が一人!”元”魔法少女!月城詩織!交渉見届け人としてきました!」
魔法少女の代表者の後ろでざわめきが広がる。
「白金等級、守護者!森崎 紫苑!交渉の代表者です!」
「魔災庁代理、陰陽寮所属。三善 浩司です。見届け人として選抜されました。」
三善……?式神を使われて交渉をさせられた時に居た術師補佐の人だったかな。
「三善……。あぁ、あの時の補佐官かい?まぁ、妥当な判断だろうねぇ。」
幻理さんが相手を見ながら呟く。
――幻理さんが手を軽く振るうと、机と椅子、”床”が揺らめきながら現れる。
「じゃぁ、座って、話し合いと行こうか。戦争のための規定を決めるために。」
代表者と見届け人の四人が、席へと付く。戦争とその後の未来を決めるために。




