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原石の軌跡――新しき力と古の知恵  作者: 永火
第3章 魔法大戦
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山の翁 その2

「そも、”視える”のは魔法使いの条件ではないのだ。

視えた方が理解はするが、視えなくても別に良いのだ。」


老人は私たちの方を見ながら、言葉を紡ぐ。

教え、導く。魔法使い達が魔法少女へ行っている行為を。


「魔法少女も、魔法使いも魔力を使うのは同じ。

視えなければ馴染むものも馴染みづらい、ただそれだけの事。」


「魔法少女は、今を生きているのだ。今を守ろうと必死に生きている。

――視えなくとも魔法は使えるのだよ、それが己を焦がすことになろうとも。」


視えなくても魔法は使える。

確かに、”視る”ことを知らなかった時も魔法は使えた。

考えれば無駄が多くて効率の悪い魔法ではあったけど……。


だけれども、理を知らない魔法少女でも魔法術式は使えて、魔法は発現した。


「じゃぁ、おじいちゃん。なんで私は魔法使いになれなくて、詩織は成れたの?」


「詳しくは、儂にもわからん。

詩織が魔法使いへ成ろうとしているのは儂にはわからぬ。

……ただ、花梨が成れないのは分かる。」


老人は、少し悲しそうに魔法少女の方へ顔を向ける。


「……ただ、遅かったのだ。魔法少女の”上がり”と呼ばれる現象。

魔力は、年齢で衰えるものでは無い。

――無理な魔法の行使によって体が持たなくなるのだ。」


魔法少女の”寿命”、魔法が使えなくなって、ただの人に戻る時。


「全ての魔法少女が、魔法使いに成る素質を持っているかは儂にはわからん。

だが、あの戦力運用を行っている限り魔法使いには至れんよ。

魔法使いとは、探究する者なのだから、力だけを追い求めても意味がないのだよ。」


「花梨が儂と出会わなければ、”魔法少女”して間違っていなかったのだろう。

強くなった魔法少女が、魔法使いに憧れることは……間違いだったのかもしれんな。」


魔法少女は、少し震えながら俯く。

現実を受け入れる事ができないように。それでも、プライドから涙を見せないよう。


「理解した……。けれど、やっぱりね、詩織。

あんたがむかつく。――私と戦いなさい。

勝てないことも、相手にもならないであろうことも!

――それでも、その奇麗な顔を殴ってやりたい!」


泣き叫ぶような感情をぶつけられるのを、私はただ静かに見つめ返す。

老人からの手解きを受けた魔法少女。

視える魔力は、苦戦すらしなさそうな魔法少女の物だった。


だけれども、これは”面白い”戦いになりそうだと思う。

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