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原石の軌跡――新しき力と古の知恵  作者: 永火
第3章 魔法大戦
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顔合わせ  その4

「礎……私たちは基礎が出来るようになった魔法使いでもあり、

――生活の礎となったことのある魔法使いなのですよ。」


「魔法使いの中じゃぁ、神に成り上がった者はそうそういなくてね。

僕たちは昔……君の、詩織の感覚からしたら大昔かな?

ここを守ったから、神へ成った。」


ここを守った……、魔物……とは違うのだろう。

――干ばつ……飢饉から救った?


「昔々の話だよ。ここら一帯で大規模な日照りが続いて作物が育たなかったんだ。

そこにまぁ、放浪していた僕たちがたまたま通りがかってね。」


兄の方が、少し懐かしそうに語りだす。


「そこの村民の皆様は、旅人である私たちへ施しをくれたのですよ。

……自分たちの食料を減らしてでも。」


妹は、少し寂しそうに語りだす。


「だから、僕たちは、救いたくなったんだよ。

一週間くらいかな?雨雲を探して遠くまで行って……

そして雨雲を引き連れて戻ったのさ。」


「まぁ、その前から禍津の呼び名で呼ばれることはあったんだよね。

争いの介入で、大雨にしたり逆に日照りにしたりしてたからね。」


「村の人たちはその雨で、救えました。

……けれどすべての人ではないのです。生き残ったのはごく一部。」


「まぁ、考えれば分かるように、雨だけじゃ作物は育たないし、時間もかかる。

手遅れだったんだよね。少し運命が変わっただけで。」


少し、兄の方の声が震える。

後悔のように……懺悔のように。


少し前、神を視た時よりも弱い姿。


「それでも、そこからでも人の子は立ち上がれるんです。

絶望が、喪失が心を支配しようとも。未来を見ることができるのです。」


「そこからは、長かったよ。親を見て、子を見て、世代を超え、集落が村になり

村が町となった。」


「いつしか、私たちは此処の守り神となっていたのです。」


「まぁ、ここまでが自己紹介かな?最近の事は、うちの神職に聞くか。」


「あるいは、町民に聞いても分かると思いますよ。

それより、幻理もしくは時雨から伝言はありますか?」


伝言……、せいぜい顔合わせ程度なのでとくには無いけれども、

魔法少女との戦いについては、言わなければいけない。


「魔法少女との戦いについては……聞いていますか?」


少し悩むように呻く双子。


「聞いてはいるけどねぇ……、僕たちは魔法使い最弱を名乗れるよ?」


「戦闘向きではない魔法ですし……。

戦場の天気を望みどおりにするぐらいしかお役に立てませんよ?」


最弱。魔法使いの自認についてはあまり信用できない。

少なくとも、ここまで生き残った古い魔法使いなら


「最弱と言っても……、はっきり言って、魔法少女の大半は弱いですよ?

それこそ……魔法使いとは比べることすらできないほどに……。」


自分で言っておいて、なんだか悲しくなる。

私も元は魔法少女、貶したいとは思わないけど……痛いほどに分かる。

――これが事実。


「うーん、そういう問題じゃないんだよねぇ……。

そもそも、戦うのに向いていないのさ。」


「私たちは、直接戦闘を行ったことがほとんどないのですよ。

豪雨や干ばつによる”神罰”を行ったことはあれど。

……あれは戦闘ではないので。」

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