銀の狼 その2
久しぶりの投稿、お待たせしました!
まぁ、待っている人が居るかは置いといて。
少し短めの話となります。
天地が激しく回転する。音を置き去りにし、嵐の中の木の葉のように、空を舞う。
雑居ビルを突き抜け、壁面へ陥没を作り上げる。
とっさに纏った体表近くの膜。
キズは無い。ただ、衝撃が全身を襲い、胃の中身が出てしまいそう。
「あぁもう、街中で盛大に始めないでよ・・・」
思わず言葉がこぼれる。
対話で切り抜けるのは不可能。
ならば、ならば――叩き潰す。
魔力を迸らせる。支配領域が広がる。
眼前の敵の毛が逆立つのが見える。
空を掴むように、宙へ浮く。
”花”が集まり魔力が集まる。
5本の白い光の奔流が、囲みこむ。
地を焦がす様に光が――銀狼へと迫る。
路面を、標識を、壁を砕きながら銀狼が跳ねるように飛び掛かってくる。
支配領域に入り込んだ瞬間、銀狼がまとっていた魔力が霧散し、勢いを失う。
「なにこれ!きもちわるっ!」
飛び退くように銀狼が支配領域から離れる。
……もう少し踏み込んでいれば――仕留められたのに。
いや、仕留める必要は無い。そも、戦う必要すらないのだから。
「戦いの最中に悩むのなんて……余裕そうだねっ!」
銀狼の”口”に魔力が集まる。
魔法少女の魔法にしては無機質な熱線が放たれた。
希釈され、減衰されながら熱線が迫りくる。
飛行術式を解除し、数メートルの自由落下。
”魔法”が苦手。……確かに術式を使ったような攻撃でもない。
ただ、魔力を溜め込んで吐き出したような攻撃。
「……まるで魔物みたい。」
衝撃は無く、地面へと降り立つ。
すでに銀狼の口には次の魔力が集まっている。
今度は――私の方が攻めたてる。
飛行術式で跳ねるように突っ込む。
周囲に浮かぶ花、弾幕は張られている。
熱線が続けざまに放たれ、路面をえぐり取る。
左右に小刻みに避ける、花だけは避けきれず熱線に呑まれ消えていく。
――汎用攻撃術式。
銀狼の両腕を魔法弾が貫き通す。
「――っ!ああああ!」
銀狼の悲鳴が響き渡る。




