表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/63

第47話:リードAIとの再戦、開幕


凌がWWOの最終決戦ステージに足を踏み入れた瞬間、空気が震えた。廃墟と化した市街地の中心から、巨大な影が高速で迫ってくる。それは、漆黒の装甲に身を包んだ、ジャクソン・リードAIだった。

「Ryoo……!待ち侘びたぞ……!」 リードAIの威圧的な声が、空間に響き渡る。彼の瞳は、凌を明確な敵として捉え、紅い光を放っていた。その巨体から放たれるプレッシャーは、以前よりもさらに増しているように感じられた。

「Ryoo!リードAIのエネルギー反応、最大値!《音速跳躍》を警戒してください!」 ルシアの声が、凌の脳内に警告を響かせる。彼女は、凌の『エニグマ・リンク』と完全に同期し、WWOのシステム情報を解析し続けていた。

ゴォォォォオオオ!!

リードAIの巨体が、文字通り音速を超えて凌へと突進してきた。残像を残しながら、一瞬で凌の懐へと踏み込む。 その速度は、以前の対戦時よりも明らかに増している。プロトス崩壊の余波が、彼をより強化したのか、あるいはWWO運営が意図的に彼のAIルーチンを調整したのか。

「速いな!だが、もうその手は読めている!」 凌は、冷静にリードAIの初撃を紙一重でかわした。彼自身の《超人的索敵》と、ルシアのリアルタイム解析、そしてこれまでのリードAIとの戦闘で培った「勘」が、その超高速移動を予測することを可能にしていた。

しかし、リードAIの攻撃は単調ではなかった。 ズバァン!ズバァン! 彼は、超高速の突進から、連続した打撃を繰り出す。その一撃一撃は、大地を砕き、周囲のビルを揺るがすほどの破壊力を持っていた。凌の『究極の妄想兵装』の液体装甲も、直撃を受ければ、確実に大ダメージを受けるだろう。

凌は、その攻撃をかわしながら、素早く『試製 対異能者電磁ライフル』を構えた。 「まずは、足止めだ!」 ビリビリビリ!! 青白い電磁パルスが放たれ、リードAIの巨体に直撃する。

「ぐっ……!この程度……!」 リードAIの動きは、確かに鈍った。しかし、その効果は以前よりも短い。彼は、既に電磁波への耐性をかなり高めているようだった。 「Ryoo!リードAIの電磁波耐性が、前回よりもさらに向上しています!同じ手は長くは通用しません!」 ルシアが警告する。

凌は、電磁ライフルの効果が切れる前に、素早く『複合型索敵ドローン(スカウター)』を射出した。 ピィィィィン……! ドローンは無音で宙へと舞い上がり、リードAIの死角へと移動する。 凌のHUDには、すぐにリードAIの立体的な移動予測と、周囲の地形情報が表示された。

「Ryoo……!貴様、同じ手を何度も……!」 リードAIは、ドローンの存在に気づき、苛立ちを露わにした。彼は、自らの肩に装備された砲身をドローンへと向け、エネルギー弾を放つ。 ドォォン! しかし、ドローンはルシアの完璧な回避指示に従い、リードAIの攻撃を軽々と回避していく。

リードAIは、凌がなぜ自分の動きを読み切れるのか理解できず、そのAIルーチンに微細なエラーを発生させ始めていた。彼の動きに、わずかな淀みが見える。

「よし!いけるぞ!」 凌は、このチャンスを逃すまいと、『共鳴剣』を抜き放った。 リードAIの攻略は、彼自身の「妄想」が生み出した兵器と、ルシアの覚醒した「自我」による情報戦にかかっていた。 WWOの最高難度PvEボス、ジャクソン・リードAIとの最終決戦が、今、熾烈な火蓋を切った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ