14.私は勇者になった
「ぐ、ぐぉぉぉぉ」
父竜は力尽きた。
やがてボディが透明になっていき、青い光となった。
「お父さん死んじゃった?」
父竜が消えても、私は何とも思わなかった。
この世界の父親とは、勇者に使役され、突進して燃え尽き、消滅した存在。
うーん、思い出がない。
娘の前で、情けない姿しか見せなかったよ!父竜
この世界のオス竜ってみんな、ダメ竜なのかしら。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
青い光が声を発して、私のほうに近づいてきた。
「ダメ竜とか思ってごめんなさい!! きゃっ」
父竜の亡霊?は、私の体に入った。うげぇ
「我が子よ、勇者になったようね。強くなれるわ」
母竜は、喜びに溢れた表情だった。
「私、勇者なのかー」
この世界にきて、寝て寝て寝まくった私。どこが勇ましい者、勇者なんだろう。永遠のテーマだ。
「そして、この私が魔王なのよ」
母竜は鉤爪を振り上げ、邪悪なポーズを取った。威厳はあんまりない。
勇者には因果が回り、魔王と戦う。と、母竜は言っていた。
つまり、私は母と敵対するんじゃなかろうか。
私は争わず、勇まず、新生ドラゴンライフをのんびり満喫したいのだが。
「戦いたくないなー」
「分かったわ。愛娘の初めてのお願い、受け入れるわよ」
因果、回ってないやん。
いつか親子喧嘩でもして戦うのだろうか。
「私、母竜と戦わなくていいの? やったぁー!!」
「戦闘も終わったし、ご飯にしましょうか」
母竜は地面の魔法使いに目を向けた。
えっ 人間たべるの?




