表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/21

13.母竜は魔王で、父竜は勇者の手下だった

「私って出番ないよねー」

メス竜は、愚痴をこぼした。


「そんなことないぜ。いや、 そうだね

否定できなくて、ごめん ハハハハハハ」

裸体の男は、薄水色の翼で上空を羽ばたいている。

両手にメス竜を抱え、お姫様だっこの最中だ。


「もういい。降りる」

メス竜は拗ねた。


「かわいいな おい

んじゃ、マザードの近くに降ろすとしよう」

私が見下ろすと、森にまっすぐ焼けた箇所があり、そこに母竜がいた。

サポードはスピードを上げた。


「ありがとー。サポードはどうするの?」

裸体の男は残念そうな表情をしている。


「悪いけど 僕は先に帰っていいかい?

こう見えても、人類監視部門の代表なんだ。


交戦を避けたい身でね。

男のくせに 戦場から逃げて ホントごめん!!」

サポードは徐々に高度を下げ、その翼と足で、ふんわりと地上に降り立った。


「情けないわー」

私はサポードの腕から離れ、地面に着地した。


「そういうことで お先に失礼

また近いうちに 会いにきてよ!!」

サポードは飛び去った。

会いにって。あいつ、どこに住んでんのよ。


後ろを振り向くと、母竜が翼で体を覆って熟睡していた。すーすーと寝息が聞こえる。

戦闘中、だよね。

『上級火炎魔法-フレイム』

母竜の前の魔法使いが、さらにその先の木々に向かって炎を撃ち込んだ。

その時だった。黒刀を持った男が、木々の隙間から唱えたのだ。

『スピリット-解放』

すると男の黒刀が、白い閃光を放ち、光の中から純白の塊が大きく膨らみ、表面にはウロコのような模様が広がった。

母竜より一回り大きく、母竜よりも太い尻尾をした、ドラゴンが現れたのだ。

「お母さんが二匹!!?」

おそらく、外見からして母竜と同じ種族で、オス竜のようだ。私の恋人候補だな。


先ほどの火炎魔法が勢いよくドラゴンにぶつかった。

「ぐおおおおおおおおおおおおおお」

オス竜は地獄の業火に焼かれ、悶え苦しんだ。

のたうち回り、鱗が燃えながら魔法使いに向けて突進した。


魔法使いは笑みを浮かべて言った。

「息子生きてたああああ。良かったああああああああああ しかも勇者の力に覚醒したあああああああ。でも私、竜の突撃でやられるうううう」

取り乱した魔法使いは三角帽子で表情を隠し、言い直した。

「かかってこい歴代勇者の従僕よ。その聖なる護身、わが身で受け止めてやろうぞ」


魔法使いは吹っ飛んだ。オス竜は顔面から体当たりしたのだ。

「ぐああああああああああああ痛いいいいいい やめてええええええええええええええ」

彼女は悲鳴を上げた。

こいつさっきから忙しいやつだな。


吹っ飛んだ果てに、母竜の寝顔にクリーンヒットした。

魔法使いは衝撃に耐え切れず、気絶したようだ。

母竜は顔面の痛みによって、目覚めた。

しかし、あくびをしている。呑気な竜だな。私も寝てばかりだが。

母竜の一言。

「あら、我が子よ。どうやって来たの。まぁいいわ。

勇者と大賢者の戦い終わった? ふーん、今回の勇者は、私の夫を使役できたんだ」


夫。母竜の番。そして私の父。

ぉぉ、初対面の父が炎に包まれる。

何だこの状況。ひとまず尋ねてみた。

「なんで戦ってるの?」


突如、木々の中から声がした。

「やられた。 大賢者も! 俺の下部も!! 完敗だ」

男は倒れた。


「あそこの男、勇者なのよ。お母さんね、魔王やってるの。だからね、因果的なアレで、戦わなきゃならないの」

おおー母竜が魔王。すごい。尊敬のまなざし。

つまり、こういうことか。

母竜は魔王で、父竜は勇者の手下だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ