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念話少女 ~始まりの四人~  作者: ぼっちな日和さん
異世界生活の始まり
7/9

血抜きとポーチの改造




 みんなに簡単に〈事象付与〉の説明をしたら、農作業担当になった。



 解せぬ。



 とりあえず、〈事象付与〉で草むしりやら種植えやらやっていると恭子から念話が飛んできた。



『聞いて聞いて!』

『何があったの?』

『ま、まさか…!?』

『そんな馬鹿な!』

『まだ何も言ってないよね?…町が見つかったよ』



 …衝撃の事実。異世界には普通にひとがいたようだ。森がまだ未開拓だったから、いないのかと思ってた。



『何…だと…!?』

『どのくらいの文明?』

『え、文明?』

『文化は?』



 人が居るなら、重要なのは文明発展度と文化!あと言語も重要だが、それには人との接触をしないといけないので後回し。

 …あ、言語は〈事象付与〉で何とかなるかも。



『ごめん、壁に囲まれているということくらいしか分からない!』



 …壁に囲まれている?裏返せば、壁で囲う必要があるということ。何故だ?戦争でもしているのか?



『とりあえず、一度帰るよ』

『わかった。〈事象付与〉で言葉が分かるように付与する必要があるね』

『うん、そうだね。じゃあ、一回念話切るよ……!?』

『え、何?何があったの?』

『恭子!?』

『だ、大丈夫!?』

『恭子、応答願う。大丈夫か?』



 ………えっと、〈恭子の位置を探知〉そして〈転移〉!


 恭子のすぐ側に転移する。あ、恭子空飛んでたんだねって、ヤバい落ちる!〈飛翔〉発動!


 ……はあ、びっくりした。で、何があったの?

 私が視線で問いかけると、恭子は黙って下を指した。


 ………えっと……赤い、熊だね。レッドベア?レッドグリズリー?何でも良いか。

 熊に襲われたら、誰だって逃げるよね。当たり前だ。



「………」



 …倒せないのだろうか?

 流石の〈事象付与〉でも、〈不老〉とか〈不死〉は無理なようである。つまり、〈死〉を付与することは出来ないのだ。

 ……なら、魔法のような現象で倒せば良い!〈風の刃(ウィンドカッター)〉!



 あ。



 ちょっとこれは予想外だったな~なんて。



 だってさ、熊だよ?



 魔法(仮)が熊の首に直撃して倒れるになるとか、思わないじゃん?

 …~~~っ!いだっ!痛い!

 あ、恭子が不審な目で見てる…誤魔化さなければ!



「……血抜きするか」



 命を奪ったら、有効活用しろ。決してドブに捨ててはいけないという我が家の家訓がある。

 故に、今回の熊の命もちゃんと有効活用するべきなのだ。


 ……熊肉って美味しいのだろうか?



「今、変なこと考えなかった~?」

「気のせいだよ」



 変なことなど考えていない。熊肉を焼いたら美味しいのか実験してみようとか考えただけである。

 まあ、何はともあれ血抜きである。



「血抜きのやり方って知ってる?」

「え、知らないよ~…」



 ですよねー。

 平和な現代日本において、血抜きの仕方を知ってる人なんて少ないからね。知らない方が普通である。

 とりあえず、今回は喉が既に傷付いているし、心臓もまだ動いているようなので血抜きしやすい。

 あ、動けないけどまだ意識はあるのか?心配なんで、木の棒を〈強度上昇〉と付与してフルスイング。


 …よし、ちゃんと白目むいてるね。

 気絶していることを確認したら、熊を〈事象付与〉で逆さ吊りにする。

 この状態で、血が垂れるのを待つのだが…熊の血って、何かに使えるのだろうか?一応取っておこうか。



『美優、タライかボウル、それと瓶ある?汚すから、出来れば複製したやつね』

『ちょっと待ってて………………はい、用意したよ』

『ありがとう』



 転移ゲートで美優からボウルと瓶を受け取る。

 よし、これで血を受け止められるね!受け止めた血は瓶に入れて保存しておこう。



 血抜きが終了するまで待とうと近くにあった岩に腰掛けると、恭子が話しかけてきた。



「さっき、私に血抜きの仕方知ってるか聞いたよね~?」

「うん、そうだね」

「日和、何で知ってるの~?」

「知ってるんじゃなくて、こうかな?って予想しただけ」

「………え、予想?」

「知識があれば誰にでも予想できるよ」



 血抜きの仕方もこれで合ってるのかは分からないけど、多分大丈夫である。首には太い血管があるから、首から血抜きする方が効率が良い。重力だけじゃなくて、心臓の鼓動があればちゃんと血抜きが出来る。



「流石に捌き方は分からないな。魚と同じで良いのかな?」



 魚と同じなら簡単なんだが。開いて内臓と血合いを取るだけである。

 ……やっぱり、内臓は取った方が良いのかな。肉と毛皮も別々にした方が良さそうだ。しかし、そこまでやる勇気は私には無い。



「やっぱり、専門の人に任せた方が…って、どうしたの?」

「は、吐き気が~…ごめんね、一回帰るよ」

「分かった。確かにちょっとグロいもんね」



 転移で帰って行った恭子を見送り、熊に視線を向ける。

 ……どうやって持って帰ろうか。浮かして持って帰っても良いんだけど、どうしても生物は腐るから保存方法を考えないといけない。

 あ、そうだポーチを改造してみようかな?ポーチの中をこの間のかごみたいに広げたらどうだろうか。時間停止もやってみよう。出来なかったら時間引き延ばしとか。

 とりあえず、やろう。


 まずは、〈容量拡大〉で中身をできる限り広げる。……ぐぁっ!今度は全身が痛い!と、いうわけでここまで。 次に、〈時間停止〉を付与……お?出来たっぽいぞ?出来るとは思わなかったな。やはり全身に激痛。そして最後に、〈吸い込み機能搭載〉を付与して完成!ぐぁぁぁ!私はドMじゃねーーー!

 …もしかして、この痛さって〈事象付与〉と関係あるのだろうか。いや、あるとしか考えられない。

 便利だと思っていたら、結構大きいデメリットがあった。

 こないだ発動した付与のカードでは痛みが無かったし、地道にあれを増やしていくしかない、のか?

 んじゃ、しばらくはその方針だな。

 ちょうど熊の血抜きも終わったようなので…ポーチよ、熊を吸い込め!


 …………どうみても熊の手しか入らないようなポーチに、熊が吸い込まれていく。異常な光景だな。

 血抜きでボウルに溜まった血は、瓶に移してポーチに放り込む。服と手が血で汚れたので〈事象付与〉で綺麗にする。いてて。

 よし、家に帰るか。残念ながら、今晩も日本から持ってきた食材で作る夕飯のようだ。


 転移で庭に出た…はずだった。場所間違えたかな?さっき植えた場所が、すでに芽吹いてるんだけど。


 ………見なかったことにしよう。事なかれ主義万歳。


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