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だめ貴族だもの。~だめダメ貴族の尻敷かれハーレム~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第七章 他国を平和にすると侯爵が付いてくるとかなんとか編
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第270話 辺境伯&侯爵就任のプレゼント

「パパありがとー」

「あはは、うん、良かったよ……ふう」


 ダンスは無茶苦茶だったけど最後は娘のアンナとだった、

 これで全て終了、お疲れ様という感じでメイド長のミランダさんにお水を貰う。


(良い汗、流したぁ)


 後は食事だがモグモグしていると美声さんの声が。


「それでは本日いらっしゃらなかった方々からメッセージが届いております、

 まずは遠く離れたナスタ国王様より祝福のお言葉が……」


 そういやナスタの王子どうなってるんだろう、

 あの今日作った女神像でなんとか治せれば良いんだけれども。


「続いてメラン国王様より、『ミスト=ポークレット侯爵おめでとう、

 冒険者ポークレットファミリーとしての、勇者としての活躍も期待している、

 どうか我が国のダンジョンを攻略して欲しい、依頼して待つ、歓迎する』だそうです」


 あーそれもあったなあ、って侯爵になったのもう知っているのか?

 実際の手紙は辺境伯になっててこっちでアドリブで変えてる予感もするが。


「続きまして大教会を代表致しまして……」


 フォレチトンの名産品を食べていると、

 その多彩な種類と美味しさにこう、幸福感が増すというか、

 辺境伯どころか侯爵にまで登り詰めたんだなあって実感が湧く。


(みんな、みーんな聖女様たちのおかげだけれども!)


 さすがに真剣に『僕が聖女様たちにしてあげられる事』を考えないといけない、

 与えられてばかりじゃなく僕が与えられる物とは……

 ソフィーさんベルルちゃんが魔王だったとして結婚式で『魂をよこせ』とか言われたら……


(魂ってどうやって捧げるんだろう?)


 これが魔王ではなく淫魔、サキュバスだったら話は早いのだが。

 最近サキュバスダンジョンに『吸われ過ぎ注意』の看板があるとかなんとか。


「……最後にミスト=ポークレット侯爵の、学院の恩師であらせられる、

 イジュー=ピッカリ様よりメッセージです、『食事を奢ってやったがいいが、

 大盛りを頼んでおいて残すような男にはならないように』以上でございます」


 何の話だ何の。


「それではパーティーもお開きの時間が近づいて参りました、

 ここで我がフォレチトンと今年より商業契約を結びました、

 サンネイズ商団の未来の団長、公爵就任が内定したアビタラーナ侯爵家の御長男……」


 お、ここでやっと僕が食わない方の肉の出番か!


「ボリネー=アビタラーナ様より、プレゼントがあります!」


 獣人奴隷がわらわら入ってきて巨大なプレゼントボックスを運び込む、

 しかも三箱も! って箱の下から足が出てて一緒に歩いてきてるんですけれども!!


(運ばなくても自力で来れるじゃん)


 まあ前が見えないかあれじゃ。

 三つの箱はそれぞれ顔が描かれていて、

 最初のはボリネー先輩をデフォルメした子供の絵本に出るような顔、

 真ん中のはかっこよく、ちょっと無理があるくらい美形に描かれた顔、

 最後のは思わず『きんもーっ☆』と叫びたくなるくらいリアルに書かれた顔だ。


(家紋とか紋章とかじゃなく顔かよ……)


 ダンスを踊るスペースに並べられた所でボリネー先輩が僕に促す。


「さあ、開けるデュフ」

「ええっと、ひとつだけ選べってこと?」

「違うデュフ、ひとつはすでに差し上げているデュフ、

 あとは辺境伯就任祝いと、侯爵就任祝いデュフ」


 ……うーん、こういう時は、よし、一声で開けよう!


「プレゼントボックス、オープン!!」


 すると箱の蓋が一斉に持ち上がり、

 側面がパタパタと倒れて開く!

 中に居たのは蓋を持ち上げている女性エルフが三人だ。


(って蓋を持ったまま腰を左右に振ってるう! しかも三人、息ぴったり!!)


 この毎回、プレゼントを開けた時の変な腰振りは何か決まったお約束なのか?!


「ええっと一人は確か、真ん中はルビエンさんだっけ」

「はい、おかげ様でエルフの里を平和にして戻って参りました」

「いや、腰クネクネはもういいから! 両隣は?」


 蓋を降ろして僕の前に片膝着くエルフ三人、

 ちなみに隷属の首輪はしていない、綺麗な首筋だ。


「まずこちらはレジー、精霊魔法が得意なエルフです」

「御主人様、よろしくお願い致します」

「そしてこちらはセクレド、遠距離の弓に自信があるそうです」

「どんなに遠くとも当ててみせます」

「う、うん、よろしく、って貰っていいの?!」


 ボリネー先輩がお腹をさすりながらにやつく、満腹か。


「サービスでふたりの『隷属の首輪』は外しておいたデュフ」

「あっはい、ありがとうございます、後からだと有料ですものね」


 これにはソフィーさんも文句は無いみたいだ。

 あらためてルビエンさんが片膝着いたまま僕の顔を見上げる。


「エルフの里の紛争が解決したのは全てミスト=ポークレット侯爵のおかげです、

 私のするべき事は全て終わりました、我々三人、この身を一生、ミスト様に捧げます」

「えええええ、ヴォク、何かしたっけ?!」


 思わず『僕』が『ヴォク』になってしまった!

 いや誤字じゃないよ!!


「ミストくん、そこは私が説明するわ」

「えっ、ソフィーさん何か知ってるの?」


 こんな大勢の前でして良い話なんだろうか。


「ヴァルスルッツ公爵家は覚えてる?」

「ええっと、ああ、あの前にパーティーに参加せず帰った」

「あそこが獣人やエルフの奴隷を自領で大量に仕入れて売っていたからくりが判明したの」


 聞くとまずはエルフの里、

 エルフの国の一部はヴァルスルッツ公爵家の領地の中にあって、

 それはエルフが住むのに適した土地と聖なる母樹ぼじゅとかいうのがあって、

 基本的にエルフはその場所を奪い合って内戦しているらしく、

 それを裏で焚きつけていたのがジョアート=ヴァルスルッツ公爵、アメリア先生の元婚約者だったと。


「そこでお姉様たちにお願いして私とベルルちゃんで作った大きな光魔石を渡して、

 エルフが住むのに適さない土地を浄化して、母樹の種を蒔いて芽を出させたの」

「作っちゃったんだ、エルフの住める新しい土地を」

「これでいがみ合う理由はなくなったんだけれど、そこでルビエンさんが調べて初めて、

 ヴァルスルッツ公爵の側室であるエルフ、エレインさんを通じで裏で糸を引いていた事実が判明したのよ」


 うわーそれは酷い。

 今度はエルフのルビエンさんが説明する。


「ヴァルスルッツ公爵領内の母樹目当てにエルフを攻めさせ、

 返り討ちにして奴隷にし輸出する、このやり方はもちろん攻めた方に責任は無い訳ではないですが、

 挑発もしくはそそのかしたように思えるエイレンとその主人である公爵にも罪はあります」


 うん、倫理的に酷い、

 両隣のエルフも頷いている、右は胸でっかいなおい。


「私はエルフの国に全て報告し、エイレンは離縁して国に戻されたそうです」

「ミストくん、それだけじゃなく獣人の国に対しても同じような事を」

「あーじゃあもうひとりの側室、獣人の奥さんも」「イザベルさんも離縁して国へ戻らされたようです」


 プレゼントボックスを運んできた獣人たちも頷いている。


「吾輩も協力したデュフよ」

「あ、ボリネー先輩は公爵から奴隷を仕入れていたんですよね、共犯では」

「ボクちんは悪くないデュフ~! 薄々気づいてはいたデュフが確信なかったデュフ~!!」


 あー素が出ると『ボクちん』になるのか、

 プンスカプンスカ怒ってて面白いなこの肉塊。

 そして再びソフィーさんが説明を。


「ということでヴァルスルッツ公爵は年明けと同時に辺境伯へ格下げ、

 さらに余罪によっては伯爵まで下がるみたいで正妻のパトリシアさんも、

 本来やれるはずの土地浄化をやらなかったという事で大教会から追放処分になりました」


 僕の知らない所でそんな事に……


「これも全てミスト=ポークレット様のおかげデュフ」

「いや僕は何も」

「ルビエンを奴隷から解放したからデュフ、おかげで吾輩の家も公爵に上がるデュフ」

「おお、それはおめでとうございます!」

「だから誕生日プレゼントは弾んだデュフ、もちろん本人同意デュフよ?」


 それでエルフ奴隷のプレゼント追加かぁ、

 あらためて片膝着いたエルフ三人を見る。


「ご主人様、レジーです、精霊魔法は誰より多彩に覚えております、

 弓と組み合わせて様々な場面に対応できます、どうぞお好きにお使い下さい」

「御主人様、セクレドです、戦場では大砲の役割もできます、

 また長距離でのスナイプも自信があります、どうかご自由にお使い下さいませ」


 そして改めて中央のルビエンさん。


「帰って参りましたルビエンです、エルフ三人、そのリーダーを務めたいと思います、

 ご主人様のご希望はこの命に代えても、何でもご命令のまま、奴隷以上にやらせていただきます」

 

 なんでも命令って、その、領主の駒として、だよね?

 確認って程じゃないが僕はソフィーさんを見る。


「これも全てミストくんのためですよ、ミストくんに恥をかかせたからです」

「帰っちゃったからってこと?」

「いえ、側室の美しいエルフと踊れそうで踊れなかった、寸止めをさせた事で、

 我慢できずに奴隷エルフに手を出すよう画策し、ミストくんを破滅させようとしたからです」

「そんな大げさな!」

「いえ、そういうことです、つまり、すなわち、そういうことです」


 みんなの前でそう言うって事は、

 そういう事にしろっていう話なんだろう、あの失態の説明的な。

 あの公爵が本当にそこまで考えていたとしたらアメリア先生目当てだろうけど……


(まさかそこまで、ねえ)


「吾輩はそんな公爵の策略に手を貸した覚えは無いデュフよ?」

「わ、わかっています」


 見た目は無頼漢の肉だけど中身はしっかりした肉だ。


「ではミストくん、プレゼントを受けて最後に、皆さんにお言葉を」


 あーみんな注目してるからね、何か言ってシメないと。


「えーみなさん、本日は最後までありがとうございました、

 侯爵にふさわしい貴族になれるかどうかはわかりませんが、

 貴族としての誇り、男としてのプライドだけはすでに侯爵です、頑張りますっ!!」


 一応みんなに拍手を貰う、うん、良かった。

 プレゼントボックスの残骸を片付けて退場していく獣人奴隷の皆さんを目で追う……


「何デュフか、獣人にも興味あるデュフか?」

「い、いやその、そういった訳では……」


 でもまったく興味が無い訳ではない

  だめ貴族だもの。 ミスト


「別料金デュフ」

「ですよねーー」

「ミストくんっ!」


 あ、正妻に一声で制された。

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