魔法の意味と有用性
悲報;まだ第1章だった(前章はプロローグだった)
クーねぇにキスされることなく目覚めることができた、アーねぇもクーねぇも学校での生活に慣れたのかレイと俺が起きる前に起きていた、アーねぇもクーねぇもレイの寝顔を眺めていた。
「アーねぇ、クーねぇ…ちょっと顔がマズイよ」
アーねぇとクーねぇの顔が人様にお見せできない程度に緩みきっている、口からも涎らしき物まで垂れている。
父さんも母さんもまだ寝ているからいいけど起きて娘のあられもない姿を見たらどう思うだろうか。
「トキ、4年ぶりに見た妹の寝顔の可愛らしさが罪なの」
「そう、レイの寝顔を独占してきたトキにはわからないと思うけど」
アーねぇとクーねぇは4年の月日を埋めるかのように寝顔を眺めている、せめて涎を拭いてから眺めて欲しい。
「ん、うぅん」
レイが呻きながら寝返りを打つと起きたのと錯覚したのかアーねぇとクーねぇは急いでレイの下を離れた。
「起きてないよね」
「寝返りを打っただけだと思う」
小さな声でこそこそ話してからまたレイの下に戻った。
個人的にはあの放送コードに引っかかりそうな顔はレイに見せてはいけないと思うから細心の注意を払って欲しい。
そんな二人の行動を見つつ俺は魔眼に魔力を通して調整する練習をすることにした、見る分には良いが真似をするのは無理だ。
「んにゅ…アリアお姉ちゃんにクレイお姉ちゃん?」
レイが目覚めたようだ、アーねぇとクーねぇは放送コードギリギリの顔をしたままだ。
「レイ、おはよう」
「おはよう」
アーねぇとクーねぇは少し手遅れ感があるが顔を引き締めレイに挨拶をする、一瞬であんなに緩みきっていた顔を引き締めるなんてすごいとしか言い様がない。
「さっきまでお姉ちゃん達の顔が変だった気がする」
レイもレイで目が良いな、案外魔眼だったりしてな。
「気のせいだよ、寝惚けてたんじゃないかな」
「そうそう、私たちの顔はいつも通りよ」
アーねぇとクーねぇはレイの寝起きを理由に逃げ切ろうとしている、正直に寝顔が可愛くてニヤけていたって言えばいいのに。
「皆起きていたのか」
父さんも目を覚ましたようだ、寝癖がヒドイがどんだけ寝相が悪かったんだか、何時もは普通なのに。
「パパ、髪型すごいよ」
アーねぇが冷静にツッこむ、父さんの髪の毛は重力に逆らうように立っている、スーパーサ○ヤ人のようだ。
「ああ、少し酷いな」
父さんが自分の髪の毛を確認しながらぼやく、水は魔法で生み出すか生み出された水を買うかしないと手に入らない、だから水魔法が使える母さんが起きるまで父さんはこのままである。
「ふふふ、私の出番ね」
クーねぇが何かを言っている、言い方に失敗フラグの匂いしかしない。
クーねぇはそう言うと杖を片手に父さんの近くに歩いて行った。
「少しだけ水を出すね」
そう言うと杖の先にゴルフボール位の水の玉が出来始めた、魔法の一種だろう。
「クレイ頼む」
父さんの一声でクーねぇは父さんの髪の毛に水の玉を落とした、父さんは濡れた髪を手櫛で元に戻した、髪が水で光っているが髪型はいつもどおりに戻っていた。
「クーねぇって水魔法使えたんだ」
クーねぇの杖は風属性を司る杖だったはずそれなのに水魔法が使えるなんて。
「私はと言ってもアリアもだけど水と風の魔法が使えるの」
ますますわからない、アーねぇは水属性を司る杖でクーねぇは風属性の杖のはずなのに両方が使える、考えれば考えるほど杖に付いている石の意味が分からなくなってくる。
俺が首を傾げているとアーねぇがクーねぇの言葉を引き継ぐように口を開いた。
「トキが分からないのは杖に付いている石の意味よね?」
アーねぇの言葉に頷く、多種の属性が使えるとか石の意味が無いとしか言い様がない。
「杖に付いている石は『対応した魔法の威力を上げる能力がある』だったかしら」
アーねぇの言葉を脳内で咀嚼しながら考える、杖に着いている石は対応した魔法の威力を向上させる意味があるし自分の一番得意な魔法をアピールするものなのか。
「それじゃ、魔法が何種類も使えるのはなんで?」
「魔法っていうのは基本四種と発展三種と特殊二種で分かれているの」
魔法には合計九種類に分類されるらしい、こう考えると魔法って種類が多いな。
「基本四種と言うのは水、風、火、土」
クーねぇとアーねぇは基本四種の内二種類が使えるらしい。
「それで発展三種は氷、雷、炎になるの」
火と炎ってダブっているように気がするがその疑問は魔術学校に入学するまでとっておこう。
「最後に特殊二種、これは治癒と鑑定ね」
アーねぇは魔法の分類を教えてくれたが質問の答えにはなっていないような気がする。
「それで魔法と言うのは適性があれば何種類でも使えるの」
「それじゃ、アーねぇとクーねぇは水と風に適性があったってこと?」
俺の言葉にアーねぇとクーねぇは頷いて答える、石の色が蒼でも風や違う属性の魔法が使えるってことか。
「魔法って面倒だね」
魔法が何種も使えるのなら石なんて必要ないだろうに、理解するのに時間がかかったわ。
「そうでもないわよ、トキが難しく考えすぎ」
誰だって水属性の杖を持った人が風魔法を使ったら難しく考えるっての。
「皆起きているのね」
アーねぇとクーねぇと話していると母さんも目が覚めたようだ。
「ママおはよう、トキに魔法の適性を教えているんだけどあんまり理解してくれないの」
「魔法の適正ね、アリアちゃんはどこまで話したの?」
「基本四種と発展三種と特殊二種と杖に付いている石の意味」
アーねぇから引き継いで母さんが説明してくれるようだ、母さんの方が魔法に携わって長いからわかりやすいと思いたい。
「そうね…ほとんど話してあるけどトキ君はどこがわからないの?」
「風魔法の石が付いているのに水魔法が使える意味」
俺は多分、魔法の意味すら理解できていないのかもしれない。
「難しい質問ね、魔法は適性が何種類でも使えるの、その中で一番得意なのが杖に付いている石の属性なの」
母さんの答えでようやく納得が行った、アーねぇの場合は水と風が使えるけど水が一番得意でクーねぇも水と風が使えるけど風が一番得意と言う訳か、やっと理解できたよ。
「それじゃ母さんは結構な種類の魔法が使えるの?」
俺が知る限り母さんは水魔法、氷魔法、治癒魔法を使っていたはず、アーねぇもクーねぇも水魔法と風魔法しか使えないのに。
「結構といっても基本四種の内の水と土と発展三種の氷と特殊二種の治癒だけよ」
だけと言っているが相当ハイスペックじゃないかな、合計四種類の魔法が使えるなんて。
「ママ、治癒魔法は使える人が少ないって習ったよ」
クーねぇからもツッコミが入る、治癒魔法ってレアなのか益々ハイスペックじゃないか。
「ママってすごいんだね」
アーねぇ、クーねぇ、レイが母さんに尊敬の眼差しを向けていた。
「ニアはすごいからな、俺も昔何度も助けてもらったよ」
父さんも母さんを絶賛している、遠くを見るか人の全裸を見るしかできない俺の魔眼と違って母さんは本当に出来ることが多くて羨ましいよ。
「褒めても何も無いわよ、それよりも外に出てお店を見て回りましょう」
母さんが手を叩きながら立ち上がった、強引に話を変えたあたり、恥ずかしいのだろう、顔がうっすら赤いし。
「そうだな、明日には帰るんだし見て回ろうか」
「私たちも寮生活が長くてお店見てないから行きたい」
そう言いながら父さんとアーねぇとクーねぇが立ち上がった、俺もどういう物があるのか興味があるから一緒に立ち上がっておこう、未だに眠そうな顔をしているレイも立ち上がらせる。
「それじゃ、行くか」
父さんの一言で俺たちは部屋を出た、これで一日の予定は聖皇国の探索になった。
この時俺は気づいていなかった、気づいていても誰も傷つかない方法を俺は知らなかった。
トキが話をややこしくしましたが、魔法っていうのは適正さえあれば何種類でも使えます、この場合クレイとアリアには水と風の適性があったということです、石は適応した魔法にのみ威力が上がるだけです。
今回は時間がかかってる癖に短くて本当に申し訳ございません。




