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子供の成長、その希望と不安

馬車のなかで父さんが母さんに尋問されて変な汗をかいていたが…問題ないだろう。

それを横目に見ながら俺はレイと話していた、内容はもちろん二人の姉についてだった。

「私、お姉ちゃんのことをあんまり覚えていない」

「まぁ、まだあの時は小さかったしな」

レイの方は4年前は幼くて姉との会話なんて覚えていないだろう。


「お兄ちゃんってお姉ちゃんたちとの思い出って何かある?」

「ん~…」

「無いの?」

姉との思い出を思い出そうとするがあまり思い出が無い、毎日雑談する位しかやることなかったし。


「俺の目が初めて魔眼になった時はアーねぇとクーねぇが居たな」

あの時の驚きと激痛は今でも覚えている。

「それだけ?」

「こんだけかもな」


「あとは…例の肉かな」

例の肉とは俺の魔力が引き出される原因を作ったあの糞爺のことである、思い出すと今でもイライラする。

「あれは私も覚えている」


「あれのせいで少し雰囲気悪かったな」

「うん、でもあの後すぐにお兄ちゃんが倒れたからそれどころじゃ無かったよね」

「まぁな」

あの肉のお蔭で溢れ出た魔力…溢れ出る前はあんな量が何処に入っていたのかが気になって仕方ない。


「それでも、私はお姉ちゃん達の入学式のこと覚えてない」

「レイは寝てただろ」

入学式、俺はアーねぇやクーねぇを探し終わると別の種族の人を見ていた感じだしレイは母さんに抱っこされて寝ていたしな。


「私ってそんなに寝てる?」

「目を離したら寝てるって感じだな」

部屋に籠って母さんにご飯の時に呼ばれて部屋に行くと眠そうなレイを見てばっかりだったりする。


「だってお兄ちゃん、部屋に籠って変なことばっかりしてるもん」

「変じゃなくて魔眼をうまく使いこなせるように練習したり体を作ってるんだよ」

「それでも体が変わらないよね」

確かに体は鍛えた、だけど腹筋が薄く割れるだけで腕も脚も表面上は全然変わっていない、パッと見女性の腕や脚に見える程だ。


「表面上はな、触ればちゃんと鍛えられてるってわかるぞ」

「ちょっと触ってみるね」

そう言ってレイは俺の二の腕を触った、少し筋肉を大目に感じさせる為に力を加えておく。


「本当だ、お兄ちゃんちゃんと鍛えるんだ」

「だろ、寝る前に頑張ってるんだよ」

日中は魔力の操作、寝る前は筋トレの生活リズムで過ごしていた、俺は勉強は一通り教わっていて母さんはレイに勉強を教えている、レイは勉強後は寝たりしているらしい。


レイとの会話を楽しんでいると馬車が止まった、今日はここで止まるのだろう。

「トキ君もレイちゃんも気分は大丈夫そうね」

父さんの尋問をしていた母さんから声がかかる、確かにレイも前みたいに青い顔をしていないし、俺も気分は悪くない、慣れたのだろう。


「それじゃ、寝るね」

「ええ、おやすみなさい」

「ママ、おやすみなさい」

「俺も寝るか」

背中が痛いけど我慢しながら眠りについた、あと三日もすれば二人に会える、それは結構楽しみだ。


朝、目を覚ますと馬車はもう動き始めていた、相当眠っていたのだろう。

「トキ君、おはよう」

「ん、おはよ」

背中と尻が痛いがじきに慣れるだろう、レイは器用に俺の太ももを枕に眠っていた。


「レイちゃんはまだ眠っているようね」

「だね、俺の太ももを枕にしなくてもいいのに」

脚も筋肉がついているから固いだろうに。


「それだけレイちゃんがトキ君に懐いているって事よ」

「最初は俺の顔を見て泣いていたのにね」

魔眼が発現した時は俺の顔を見て泣いた事があった、あの時は俺もショックで泣いたっけ。


「トキ君って男の子っぽい顔になると思っていたけどそこまで男の子っぽくないわよね」

鏡なんて物は一般家庭に無いから確認できないが俺の顔は男の子っぽくないらしい、筋肉の付き方と言い、顔と言い、俺は男の将来が少し不安になる。


「きっと、もう少ししたら男の子っぽくなるよ」

自分にも言い聞かせておく、前世では中性的な男でもイケるなんて冗談で言っていたけど自分がそうなると笑えない。


「トキって背が低いよな、俺がトキ位の歳ならもう少し高かったぞ」

父さんからも指摘される、身長は人それぞれだし、すぐに伸びるはず…これで低身長、中性的が揃ったら笑えない。


「このままトキ君が小さいままでも良いと思うわよ」

「俺はよくないよ、父さんみたいに高い身長になりたいし」

父さんの身長は180cmはある、俺もその位あれば杖とかを持つ姿に貫禄とか出ると思うし。


「俺みたいな身長か、トキ位なら低身長の方がモテるぞ」

低身長でイケメンというアンバランスはモテないと思うぞ、父さんよ。

だけど父さんは言葉を続けた。

「男にな」

一瞬で俺たちの間の空気が固まった、俺の一瞬湧いた殺意もあるけど、それよりも母さんの冷たい目だった。


「父さん、最低」

今の思いを簡潔に伝えた、俺は女の子が好きだし、男に告白されると思うと鳥肌が立ってくる。

「あなた、幾ら何でもそれは無いと思いますよ」


レイはそんな会話を知らずに眠っている、レイにこんな不毛な会話を聞いていて欲しく無い。

俺だって、こんな不毛な会話をするなんて思わなかったけど。


「冗談だってば、トキは俺たちの子だし身長はちゃんと大きくなるだろう」

父さんは180cm位で母さんは165cm位だ、だから俺だって170cmは目指せるということだろう。

これでアーねぇとクーねぇ…レイまでもが父さんの遺伝で高身長になっていて俺が母さんの遺伝で小さいと…考えたくないが有り得なくもない事なので少し恐ろしい。


「トキ君は小さくても大きくても良いと思うんだけど」

母さんの優しい言葉が心に染みるけど男の俺としては身長は高いほうがよかったりする。

「俺のことばっかじゃなくて、レイの事も考えてみようよ」

これ以上話が進むと自分自身の将来に不安しか無くなる。

だから話を今は眠っているレイの方に変えた。


「レイは可愛くなるな」

「ええ、可愛くなるわね」

「可愛くなるだろうけど、具体的な話かな」

親バカ、兄バカが入っているけどレイは可愛くなると思う、将来が楽しみだが…レイが嫁に行く…心の奥でドス黒い何かを感じたがそれは無視しておこう。


「レイは…ニアみたいな身長で冷静な子になりそうだな」

「そうね、レイちゃんはそんな子になりそうね」

母さんが昔言っていた、レイは自分の昔の姿にそっくりだって、そう考えるとこのまま成長すれば母さんみたいになるのか。


「それじゃ、アーねぇとクーねぇはどうなるかな?」

アーねぇとクーねぇは俺とレイとは違って父さんの血が濃い、俺的に考えると高身長で母さんみたいなロングヘアーが似合う美人になると思う。


「二人共、どっちかと言うと俺似だからな、美人になるぞ」

「そうね、二人共美人になるわね」

俺たち姉弟は全員美形になるらしい…その通りになったら恐ろしいな。

美形一家が切り盛りする食堂…前世ならテレビと雑誌が黙ってなさそうな感じだな。


「4人とも俺達の自慢の子供だ、みんなが美形になるそれは保証するぞ」

「そうね、自慢の子供だからみんな美人になるわね」

「そうして大事な大事な娘3人が嫁いでいくと」

俺がそう言うと父さんと母さんが固まった、脳内で嫁いでいく3人を想像してしまったんだろう、少し父さんが震えているような気がする。


「娘を嫁にしたければ俺たちより強くないとな」

「そうね、私達を片手間で倒せるほど強くて優しくないと」

この父さんと母さんを片手間で倒せる人ってエルフ族、獣人族、人間族から探してもいると思えない。



「ん、うぅ」

3人で話しているとレイが起きた、目を擦って周りを見ているが俺と目が合うと一瞬で覚醒したようだ。

「お兄ちゃんの膝で眠ってたの?」

「ああ、あまりに可愛い寝顔で起こすのが躊躇われたよ」


レイの寝顔は横顔くらいしか見えなかったが幸せそうに眠っていたので堪能させてもらった、俺としてはレイの重みなんてこれのおかげで0に等しい。

「ごめん、でもありがとう」

「いいよ、それよりよく眠れた?」


レイは軽く頷くと首をクルクルと回した、少し首が痛いのかな。

「ママ、パパ、おはよう」

「おはよう」

「おはよう、レイちゃん」

レイは挨拶をするとまた俺の膝の上に頭を置いた。


「お兄ちゃんのお膝気持ちいい」

「レイは甘えん坊だな」

「だな」

「そうね」

レイに膝枕をしながら俺たちは4人で俺たち姉弟の今後はどうなるかを話し合った、俺も自分の将来を考え始めておかないと…前世みたいに”とりあえず”は通用しないと思うし。



トキは作者の趣味という名の業を背負ってしまうのか、ホントにどうなる事やら(プロットから一部脱線中)


今の続きを考えれないのに後のシナリオが浮かんでくる、どうしてだろう(話が全然進まないのが問題なのかな)

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