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恋の形はそれぞれ

サイと友達以上恋人未満になってからサイが遊びに来て帰る時や俺達が遊びに行った帰りはホッペにキスをして別れるのが恒例になった…これもう付き合ってるんじゃね?


こんな甘甘な生活が1年続いた、この1年間ずっと筋トレを欠かさなかったのである程度体は出来上がっている、前世では腹筋が割れるなんて無かったのに今では薄らだが割れている。


そんなある日の朝、母さんの一言から始まった。

「今日はアークライスに行くから準備していらっしゃい」

「ん、分かった」

あの日から4年…色々ありすぎて形容できないけど…長かった、そうアーねぇとクーねぇが魔術学校を卒業するのだ…留年さえしていなければ。


「何があるんだっけ?」

レイは覚えていないようだ…最初はすごく寂しそうにしていたのにね。

「アーねぇとクーねぇが帰ってくるんだよ(多分)」

最後だけは聞き取れるか聞き取れないかの微妙な声で隠しておいた。


「それじゃ、お店は?」

「勿論開「休業だ」」

母さんの言葉を遮るように父さんの言葉が聞こえた…母さん…開店って言おうとしなかったか?


「変な事言ってないでさっさ準備してこい」

父さんに急かされるようにレイと俺は自室に戻った…戻っても準備するものないけどね。


とりあえず準備することもないからベッドに座りながら時間を潰すことにしておいた、一人で時間を潰す方法が筋トレか魔力の操作の練習かベッドに座っておくだけって寂しいな。


「トキ、準備終わったか?」

「準備することがなかったよ」

父さんが部屋に来たということは行く準備が終わったのだろう、ベッドから立ち上がり部屋を出た。


「4年ぶりに姉に会えるってどういう気分だ」

「楽しみだよ」

10歳から14歳、それは第二次性徴期に当たる大事な期間、この間に少女は女性に変わる、例えるなら蛹が蝶に変わる、その位重要な時期、その間に二人がどんな成長をしているのか楽しみでしかたない。


「で、父さんはどうなの?」

最初は寝言で寂しいと言っていたされる父さん、父さんのことだからすごく心配していて再会が楽しみだと思う。

「心配だ」

父さんは短くそう言った、元気でいるかどうか心配なんだろうな。


「アリアとクレイに男が出来ていていないか心配だ」

親バカ全開の言葉いただきました、彼氏が出来ていてもおかしくないけどね。

「やっぱり心配?」

「その彼氏に切りかからないか心配だ」

俺としては父さんの思考回路が心配です。


下に降りると腰まである長い髪を結わえた母さんと最近髪の毛が伸びて背中にかかる程度までになった髪をツインテールにしたレイが居た。

「それじゃ、行きましょうか」


「忘れ物はないな」

「ええ、大丈夫よ」

父さんと母さんの最終確認が終わり家を出た。


馬車がある場所に着くと人が大量に居た、卒業式が近いから迎えに行く人が多いのだろう。

「結構人が多いな、ちょっと行くのを早めた方が良かったかもな」

あまりの人の多さに少し苦笑しながら頬を掻いていた父さんが呟く。


4年前は知らなかったが、この時期になると聖皇国に行く便を増やしているらしい、馬車に入りきらなくても直ぐに乗れるとのことだ。

レイは母さんと手を繋ぎながら、俺は父さんと手を繋ごうかと思ったが少し恥ずかしかったので手を組んで待つことにした。


「母さんってアーねぇとクーねぇと久しぶりに会えるけど、なんか心配事ってある?」

父さんにさっき聞いた事を母さんにも聞いてみる、さてどんな答えが返ってくるかな。


「アリアちゃんとクレイちゃんに彼氏が出来ていないか心配だわ」

個々までは父さんと同じ心配だ、この先は願わくは違って欲しい。

「やっぱり心配なんだ」

「ええ、殴りかからないか心配だわ」

似た者夫婦でした…アーねぇとクーねぇと付き合いたければ父さんと母さんの攻撃を受け流せるほどの豪の者じゃないと無理なのか。


「父さんと同じ事を言ってるよ、母さん」

「あら、子供を心配するのは親の特権よ」

…心配という次元を超えているような気がするんだけど。


「そうだぞトキ、大事な娘を心配するのは親の特権だぞ」

大事な…娘…?

「父さん、俺のことは心配じゃないの」

母さんは子供と言ってくれたが父さんは娘と言った、俺の事はあんまり心配じゃないのかって思ってしまうよ。


「だってお前にはサイちゃんが居るだろう、サイちゃんも娘みたいなものだからお前があまりに不甲斐ないと心配になるな」

「サイとはまだ付き合ってません」

サイとは別に友達以上恋人未満の関係だし。


「お前、あそこまでやっといてそれは無いだろ、女ってのはな待つものなんだよ、昔付き合った女だってな」

「あら、面白そうな話ね、少し詳しく聞かせてもらえないかしら」

父さんの話を聞いていた母さんが笑顔で父さんに話しかけた、目に光が灯ってないけど。


「嫌だな、ニア、俺はお前だけを愛しているんだよ」

「あら、「夜帝」と言われた貴方からそんな言葉が聞けるなんて」

父さんの異名の「夜帝」ってまさか…性的な意味じゃないよね?


「ニア、何年前の話をしているんだ、確かに俺は色々な女に手を出した、だが…本当に愛しているのはニアだけだ」

いろんな女性と夜を共にした、故に夜帝か…本当にしょうもない異名だな。


「ってことは…もしかしたら知らないだけで血の繋がった兄弟がいるってこと?」

無邪気を装って聞いてみる、この世界って避妊具とか無さそうだし。

「バッ、トキ」

「居ないわよね、あなた」

母さんの瞳に宿ってはいけない光が宿りそうになっている。


「いるわけ無いだろ、トキも変なことを言うな」

「ごめんなさい」

少し楽しくて言いすぎた、母さんの目が怖い。


「それにトキ君とサイちゃんの関係って甘酸っぱくて見ていると昔を思い出すのよ」

母さんの昔…人を殴っては治すお転婆姫ってイメージしかない。

「ニア、お前こそ「殺戮の治癒師」なんて言われてあんな甘酸っぱい思い出なんて無いだろ」

父さんの反撃があるが…相手を選ぼうよ父さん。


「あら、私にだってお付き合いした男性は一人や二人居るのよ」

「付き合った一人目で結婚したんじゃ?」

少し俺も母さんをイジってみることにする、父さんは結構母さんにからかわれたりしているが母さんがからかわれているってのはあまり見かけない。


「トキ、お前も言うようになったな」

「母さんって隙がないからこんな時じゃないとね」

「トキ君とあなたは後で覚えておくように」


「違うぞニア、これはトキが最初に言い始めたことでな、俺に罪はない」

父さんは生き延びたいが故に俺を売り始めた、こうなったら父さんも道連れに…いや父さんだけに全部の罪を擦り付ける。


「母さん、ごめんなさい」

擦り付けるいい方法が見つからなかったので素直に謝っておく、これで罪が軽くなればいいのだが。


「トキ君は素直ね、パパは後でお話があります」

俺は許されて父さんはダメだったようだ。

「ニア、なんで俺だけ」

父さんは納得がいっていないようだ。

「なんでって貴方は謝らないし、挙げ句の果てにはトキ君に全部擦り付けようとしたじゃない」


謝れば父さんも許されたのだろう、だけど俺を身代わりにしようとしたのが間違えであそこで謝っていれば無罪だったのに。

「ねぇ、ママ…「夜帝」って何?」

話をずっと聞いていたレイから質問が出た、意味はしょうもないし情操教育に悪いから伏せておきたい。


「レイちゃんがもう少し大きくなったら教えてあげるわ」

「そうだぞ、レイにはまだ早いかもな」

母さんと父さんもレイにはまだ隠しておきたいようだ。俺だって隠しておきたいよ。


「私だって、色々知ってるんだよ」

「何をだい?」

「キスとか」

「誰がそんなことを教えたんだ」

レイの純粋な言葉の爆弾が投下された、キスを俺とサイが教えて(実演)しまったじゃないか。


「お兄ちゃん」

「トキ、後で話がある」

父さんからお呼び出しがかかった、出来ることなら全力で逃げたい。


「でも、好きな人としかしちゃいけないって言ってた」

「トキ、お前はなんて妹思いの奴なんだ」

レイの補足で父さんの俺に対する態度が180度変わった、どんだけ娘ラブなんですか貴方は。


「それに、お兄ちゃんはサイお姉ちゃんとキスをしているよ」

「トキ、やっぱり後で話がある」

やっぱりお呼びがかかった、どうしても逃げきれないかな。


「トキ君とサイちゃんがキスをするなんてこの1年で何回あったと思っているのよ」

「100回は超えているよね」

「もうそれは付き合っていると言えると思うぞ」

会うたびにホッペにキスをしているような気がする、傍から見れば付き合っていように見えるけど、互いにまだ恋人じゃないと言い張っている。


「それにレイちゃんはよく言っていたわよ、お兄ちゃんやサイお姉ちゃんみたいな恋をしてみたいって」

この関係は相当特殊なので自身が体験出来る可能性は低いです。

「レイ、パパは反対だからな」

「レイ、お兄ちゃんも反対だからな」

レイが見知らぬ男とキスを何度もするのを見せられるだと、考えるだけで血涙が出てきそうだ。


「でも、お兄ちゃんはサイお姉ちゃんとキスを一杯してるよ?」

「それは…」

そこを言われると俺は何も言い返せない、恋人じゃないのに何度もキスをするのはおかしいかな。


「レイ、恋には色々な形がある、トキとサイちゃんみたいな形もあるが。恋の形と言うのは自分で作るものだ、他人の恋の形を見て真似をする物じゃないんだ」

父さんが諭すようにレイに話しかけている、恋にはいろいろな形がある、か。


「そうよ、レイちゃんにはレイちゃんの恋をして欲しいわね」

「うん、分かった」

父さん、俺、母さんの頑張りでレイの恋愛観を少し補正できた気がする、好きになったからキスをするというのは多分俺とサイくらいだろう。


「馬車が来たようだ、乗るぞ」

話に夢中になって気がつかなかったが周りの人が減り馬車に乗れるようになっていた。


「4年ぶりに」

「二人に」

「会いに」

「行きますか」

4人で繋げるように言って馬車に乗った。

最後の文はトキ、グレン、レイ、ニアの順番で言っています。

ニアはグレンを呼ぶ時はパパとあなたの両方のようですね、統一して欲しいものです。

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