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妹の存在はお兄ちゃんにとって100人力

母さんが杖を鑑定してもらって3年が経った、杖の事は説明してもらったが魔力を吸うなんかレアな杖という事しか分からなかった。

杖は勝手に「七精王の杖」と名づけた、3年間魔力を操作する時は杖を握って練習をしていた。


「ふぅ、杖に魔力が集中して魔眼の調整が難しいな…3年練習してあまり進歩無いって才能が無いのか?」

魔眼に魔力、杖に魔力と魔力を分ける練習をしていたが杖が余分に吸ってしまい魔眼の操作が上手く行かない、魔眼だけなら遠近を自分の思う距離に調整できるようになった。


「お兄ちゃん、ママが呼んでるよ」

レイシアが扉を空けて入ってきた。

「ん?ああ、ありがとなレイ」

そう言って俺はレイの頭を撫でた、前までレイシアと呼んでいたがレイに怒られレイと呼ぶようにした。


杖をベッドの上に投げて階段を降りた。

キッチンに居た母さんに話しかけた。

「母さん、用事って何?」

「ああ、トキ君、魔道具を使うから魔力を貸して頂戴」


最近になって母さんはよく魔道具に魔力を込める作業を俺にさせる、なんでも魔力の操作には魔道具を使うのはうってつけで俺が大きくなったのでやらせてみるとのことだ。


「今日はこの魔道具にお願いね」

そう言って母さんはコンロっぽい物を指差した。

「うん、分かった」

魔力を供給する部品に手を当てて魔力を通した、魔力をほんの少しだけ入れると満タンになり魔力が逆流し始めた。


「母さん、一杯になったよ」

「一瞬で一杯にするなんて、トキ君魔力量増えたんじゃない?」

「どうだろう、実感は無いよ」

そのあとも魔道具に魔力を込めたが全然疲れなかった。


魔道具に魔力を込め終えて自室に戻るとレイがベッドに座って待っていた。

「お兄ちゃん、遊ぼ」

「うん、遊ぼうか」

レイの隣に座ってレイとしりとりを始めた。


しりとりを進めるが二人だけだと少し寂しい。

「しりとり飽きたね」

「そうだな、次は何しようか」

レイはしりとりが飽きたようだ、俺も少し飽きていたので次の遊びを考えるが出てこない。


「レイ、母さんを呼んで来てくれるかな?」

魔眼が発現していない右目に少し違和感を覚えた、昔体験した魔眼の発現に似ているが今回は出血も無ければ頭痛も無い。


レイは頷くて部屋を出て行った。

「トキ君、どうしたの?」

程なくしてレイと母さんがやってきた。


「右目に違和感があるんだ、ちょっと見てくれない?」

「そう、ちょっと見るわね」

そう言うと母さんは俺の右目を覗き込んだ、嗅ぎなれたけど未だにドキッとしてしまう匂いを我慢しながら母さんに目を合わせた。


「…司祭様を呼んでくるから大人しくしておきなさいね」

そう言って母さんは部屋を出て行った、どうやら魔眼の発現のようだ。

「お兄ちゃん、大丈夫?」


レイは自体が分からず俺の事を心配している、前の時を知らないから無理もない。

「ああ、大丈夫だよ?」

レイの頭を撫でながらそう言うが、前回は出血で気絶したのもあるから少し不安だったりもする。


目が少し痛くなるだけで出血と頭痛は起こらなかった、頭痛の方は魔眼に耐えれる様に変化するために起きたのだろう。

「司祭様を連れてきたわ」

帰ってきた母さんと

「こんにちは、魔眼が発現しそうと言うの坊や?」

黒い修道服に身を包んだグラマラスなお姉さんが入ってきた。


「こ、こんにちわ」

「こんにちわ」

前回のお爺さんと変わりすぎていて驚いて少し噛んだが無事に挨拶することができた。


「少し、見せてもらうわね」

そう言ってお姉さんは俺の目を覗き込んだ、少し目線を下げるとたわわに実った胸が見える、あまり見るわけにはいかないので目を見ておいた。


「左目は魔眼、右目も発現の兆し有り…君、凄いね子供にして両目魔眼なんて私の知る限りいないよ」

そう言いながらお姉さんは俺から離れた。


「老人の司祭様はどうなったの?」

魔眼の発現よりそっちが気になって仕方ない。

「前任の司祭なら配置替えで龍帝国に行ったよ」

龍帝国は名前のとおり龍を守り神として祀っている帝国とだけ母さんから習っている。


「司祭ってその場に留まり続けるものじゃないんですか?」

俺のイメージだと司祭はその場に留まり続けているものだと思っていた。

「司祭って職は5年に一度場所を変えるの、理由は自分の見聞を広げるため、ずっと同じ場所に留まっても見れるものなんて変わらないのよ」

私のように両目魔眼の子供に会えるかもしれないしね、そう続けた。


「それで、司祭様、息子はどうなんでしょうか?」

これまで黙っていた母さんがお姉さんに話しかける。

「大丈夫ですよ、後3の刻もしない内に魔眼の発現が終わると思います、魔力の上昇だけ気をつけてください」


話を聞きながらすっかり忘れていた事を思い出す、それは魔眼の発現による魔力の上昇だ、ただでさえ身を蝕む魔力、それがさらに増えるとなると散魔の指輪だけで魔力の排出が間に合うのか心配になってくる。


「魔力の上昇ですか、トキ君まだ大丈夫?」

お姉さんの言葉を聞いて母さんが心配そうに尋ねてきた。

「まだ大丈夫だよ、量が増えたあと不安だけどね」

このやりとりを聞いてお姉さんは不思議そうな顔をしている。


「魔力の上昇と言っても僅かに増えるだけですよ」

お姉さんはもっともな事を言うがその僅かが命取りになるかもしれないんだ。

「そうですが、トキーーーいえ、息子は魔力が多すぎるんですよ」

「そうですよね、まぁ魔眼が発現する程ですもんね」

お姉さんは母さんの言う事はただの過保護だと思っているようだ。


「司祭様、息子の左手を見てください」

母さんにそう言われお姉さんは俺の左手を見た。

「これは…普通の指輪…いえ、呪具ですか」

左手の中指には散魔の指輪がはまっている。


「はい、それは散魔の指輪です」

母さんからそう聞くとお姉さんは母さんを非難の目で見た。

「あなた、正気ですか?息子に呪具を嵌めるなんて」


「お姉さん、待ってこれには事情が」

訳を話そうとしたがお姉さんに止められた。

「これは大事なことなの、子供は静かにしておくものよ」

そう言うとお姉さんは母さんを見た。


「息子は魔力が異常と言えるほどに宿っています、散魔の指輪を嵌めないと命に関わるほどに」

母さんは訳を説明していく、だがお姉さんはそれを事実ではなく誇張表現としか受け取っていないようだった。


「だからと言って呪具を嵌めていい理由にはなりません」

そう言うとお姉さんは俺の手を取り散魔の指輪を外した。

吸収してくれる散魔の指輪を失って体の中に溢れんばかりの魔力が戻ってき始めた。


「司祭様、それを息子に返してやってください」

「この呪具は私が責任をもって処分しておきます」

母さんがお姉さんに頼むが聞き入れて貰えないようだ。


「お姉さん、それ返してくれないかな?」

割と真面目に生命に関わるので俺からもお願いをしてみた。

「ダメよ、これは呪具と言って普通は嵌めない物なの」

それを口火にこの呪具がどれだけ危険かという事を延々と話された、最初は心配そうに見ていたレイも飽きたのか俺の膝を枕にして眠っていた。


そうこうしているうちに魔力が殆ど戻ってきた、いや、以前より魔力が多くなっている感じがする。

「ゴホゴホ」

軽く咳き込むと口の中に鉄の味が広がった、体の破壊が進んでいるようだ。


「トキ君、大丈夫?」

母さんが駆け寄ってくるがお姉さんは演技としか思っていないようだ。

「大丈夫じゃないかも」

まだ少ししか血が出ていないがもう少しすると多分大量に血を吐く羽目になるだろう。


「司祭様、それを返してください」

表面上は敬語だが怒気が少し混じった声でお姉さんに話しかけていた。

「それはできません、犯罪者でもない人に呪具を嵌めるなんて正気の沙汰じゃありません」

お姉さんは頑として散魔の指輪を返す気はないらしい。


「お姉さん、お願いだから散魔の指輪を返して」

刻一刻と洒落にならない事態に進んでいるから。

「子供に生きるためとか言って呪具を嵌めるなんて母親として恥ずかしくないんですか?」

お姉さんの母さんに対する非難が続く。


「呪具を息子に嵌めるのは抵抗がありますよ、でも…そうでもしないと息子は死んでしまいます」

母さんは必死に事情を説明しようとするがお姉さんは信じようとしない。


「抵抗があるならいいじゃないですか、それに自分の魔力で死ぬなんてありえない嘘を言っても誰も信じませんよ?」

お姉さんとしては呪具を一般人に嵌めるという行為は許容できないらしい。


「ゴフッ」

さっきより大きな咳と共に口から血があふれ出てきた、どうやら本気でやばいらしい。

「もしかして…本当なんですか?」

お姉さんもようやく信じ始めたようだ。


「早く、指輪を返してください」

母さんの声から怒りより焦りの方が強くなってきた。

「私は抵抗がありますが仕方ありません」

そう言ってお姉さんは左手の中指に散魔の指輪を嵌めてくれた。


溢れんばかりの魔力は一定値指輪に吸われ体を壊されているという感覚はなくなった。

「トキ君大丈夫?」

「大丈夫、少し体が痛いけどね」


お姉さんは俺をありえない物を見るような目で見つめていた。

「本当に自分の魔力で死ぬような量なんですね」

「うん、だからコレが無いと俺は直ぐに死んじゃいますよ」

俺は左手を自分の前の前に出しながら言った。


「息子の体に呪具を付けるのは抵抗があります、だけどそれは生きるためには仕方がないんです」

母さんは再度お姉さんに言った。

「そのようですね、俄かに信じがたいですが魔力が異常と言えるほどに宿っているのですね」


お姉さんも一応は納得したようだ。

「お詫びに治癒魔法をかけてあげるわね」

そう言ってお姉さんは俺の右手を握った。

「我が主の御技を持って癒したまえ<ゲリール>」


右手が光ったと思うと体の痛みが消えた。

「治癒魔法の上位級です、多分体の痛みが無くなったと思いますがどうですか?」

「ありがとうございます、痛みは無くなりました」


母さんも安心したような表情で俺を見ていた。

母さんとお姉さんの言い争いで忘れていたけど俺の魔眼はどうなったのだろう。

「お姉さん、俺の目はどうなってますか?」

一番近くにいるお姉さんに聞いてみる。


「もう一回見せてもらいますね」

お姉さんはそう言うと俺の目をのぞき込める位置までやってきて目を覗き込んだ。

「魔眼の発現は終わっていますね、先ほどの魔力のお陰で一気に進んだのでしょう」


そう言うとお姉さんは離れた。

「それで聞いておきたいのですが、左目の魔眼はなんなんですか?」

お姉さんは前に発現していた魔眼に興味があるようだ。

「千里眼です、遥か遠くまで見えます」


「それでは右目も千里眼なのでしょう」

両目同じ魔眼と言うのは魔眼の発現者が少なくても常識のようだ。

「トキ君、試しに魔眼を使ってごらん?」

母さんにそう言われて右目だけに魔力を込めた。


「…は?」

見えたのは遠くではなく全裸のお姉さんと母さんと外の風景だった。

「どうかしましたか?」

お姉さんに心配されるが俺としてはそれどころじゃない、お姉さんの大事なところが丸見えになってる。


「トキ君、どうかしたの?」

母さんにも心配されるが今の状況を理解できていない、千里眼だと思って魔眼を使ったら全裸の女性2名と外を見ることになるんて。


魔眼に魔力を込めるのをやめると見慣れた壁とお姉さんと母さんが服を着た状態で目に映った。

「どうしよう、片目ずつで魔眼の種類が違うみたい」

内容を誤魔化しながら事実を伝えた。


「それってどういう事?」

母さんは信じられないようで詳細を聞こうとしている。

「嘘はいけませんよ」

お姉さんは嘘だと思っているようだ。


「左目は千里眼で右目は透視ができる魔眼みたいなんだ」

「「え?」」

お姉さんと母さんの声が重なった。


「さっき見えたのは外の風景と母さんと…お姉さんの裸で」

言っている途中から顔が赤くなっていくのを感じた、初対面のお姉さんの裸を見て平然としていられる神経を生憎持ち合わせていない。


「信じられませんね、両目で違う魔眼を発現するなんて」

俺の発言を聞いて顔が赤いお姉さんが平静を装って分析を続けている。

「そうですね、魔眼は両目共同じだと思っていましたが」


お姉さんと母さんが話し合っている、そんな中、俺はこの魔眼をどうコントロールするかを考えていた、下手に調整を失敗すれば他人の全裸を見てしまう事になる、今回は母さんとお姉さんの全裸で良かったが最悪前任の司祭だった老人の全裸を見る羽目になっていた。


「珍しいですが、魔眼にはまだわからないことが多いのでこういう事もあるのでしょう」

お姉さんはそう言って話を区切った。

「まさか息子が両目違う魔眼を発現するなんて」

未だに母さんは自体を飲み込めていないようだ、俺も飲み込めていないよ。


「おはなしおわった?」

そう言ってレイが俺の膝から頭を起こした。

「レイ、今終わったよ」

俺はそう言ってレイの頭を撫でた、さっき迄のやりとりを忘れてしまうほどの柔らかい髪質にうっとりしてしまった。


「魔眼の発現も順調、魔力の上昇も大丈夫でしょう、私はこれで失礼しますね」

そう言ってお姉さんは部屋を出て行った。

「それではお送りしますね」

母さんもそう言って部屋を出て行った。


「お兄ちゃん、大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ」

レイも分からないなりに俺のことを心配してくれたようだ。


「お兄ちゃんのお膝を枕にして転がってもいい?」

「いいよ」

許可を出すとレイは俺の膝を枕にして寝っ転がった。

「はふぅ…気持ちいい」


レイは膝に頭を擦りつけるように動かした。

「レイ、気持ちいいのか?」

そう言いながらレイの頭を撫でた。

「うん、お兄ちゃんのお膝好き」


魔力による体の破壊とは別に鼻血が出そうになったが鉄の自制心でそれを止めた。

「お兄ちゃん、魔眼って何?」

レイから質問された、魔眼って何か、レイも6歳に近くなり母さんから勉強を教わっているがまだ魔眼については教わっていないようだ。


「魔眼っていうのはね、普通の人は見えない遠くが見える目のこととかを言うんだよ?」

裸とかと言いかけたが情操教育に良くなさそうなので伏せておいた。


「へぇ、お兄ちゃんの魔眼って何?」

「お兄ちゃんの魔眼は遠くが見えるんだぞ」

さすが透視の事は無難に説明できないので千里眼だけ説明しておいた。


「お兄ちゃんってすごいんだね」

レイが尊敬の眼差しを向けるが自分が凄いなんて思ったことがない、初めて魔眼が発現した時は家族全員を心配させたし魔力で死にかけたときも迷惑をかけた、確かに凄いかも知れないが家族に迷惑をかけてまで欲しいとは思わない。


「お兄ちゃんなんてまだまだだよ」

まだまだやる事がある、杖を持った状態での魔眼の調整や透視眼でできることを調査したり、両目同時に魔眼を使ったらどうなるかの実験、やらないといけない事は山ほどある。


「頑張ってね、お兄ちゃん」

レイは俺の事を心配して応援してくれているのだろう、その応援だけで俺は頑張れる、そう思った。


「ただいま、トキ君、大丈夫かしら」

お姉さんを送って帰ってきた母さんに心配される。

「大丈夫だよ、魔力の上昇も思ったほどなくて散魔の指輪だけで大丈夫そう」

魔力が増えたそんな感じがするが体を壊すほどではない、散魔の指輪だけで大丈夫そうだ。


「トキ君、呪具を嵌められて嫌だって思ったことはない?」

「なんで、コレがないと俺は死んじゃうんだよ。なんで嫌だと思うわないといけないの?」

母さんはさっきのお姉さんとの言い争いを気にしているようだった。


「そう、良かったわ。それじゃあ遅くなったけどご飯を作るから待っていてね」

そう言って母さんは部屋を出て行った。

レイは眠ってしまったようで俺はレイの頭を撫でていた。

レイって良く眠る子だなぁ…見るたびに寝ているような気がする。


寝てばかりいる妹の寝顔をこれでもかって堪能した。

トキ君のチート化が進んでいるような気がします、それもですが「七精王の杖」、軽い中二病ですね。


司祭のお姉さんですが、透視眼の為だけに考えました、全裸の老人とか精神的にきつかったので。


タイトルを考えようと思ってもいい案が浮かびません、誰か私にネーミングセンスをください。

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