3年ぶりの再会
右目が魔眼になって数日が経った、父さんは俺が両目で違う魔眼に覚醒した事を最初は驚いていたが直ぐに受け入れてくれた。
何時もの日課に透視の魔眼の調整が加わったが一向に上手く行かない、酷い時なんか全裸のおっさんを見る羽目になった。
右目と左目の魔眼を同時に使うと物体が透けて遠くまで見えた、魔眼の効果は重複するということが分かった。
重複で発動させると頭痛がして長時間発動できないという弱点も分かった。
「トキ君、サイちゃんが来たわよ」
魔眼の調整を練習していると母さんが部屋に入ってきた、今日ってサイちゃん来るんだっけ?
「サイちゃん来るんだっけ?」
「朝御飯が終わった後に言ったでしょ、聞いてなかったの?」
一切聞いてませんでした、なんて言えないけど聞いてしまった自分が恨めしい。
「聞いてたよ、すっかり忘れていただよ」
結構厳しい言い訳をしながらベッドから立ち上がり部屋を出た。
サイちゃんとは人攫いの一件から会っていない、人攫いに攫われる可能性を考慮しての措置だろう。
「サイちゃんとは3年ぶりでしょ、早く会ってあげなさい」
「そうだね、そうするよ」
そう言って俺は階段を2段飛ばしで降りた。
「トキ、会いたかった!!」
テーブルのある部屋に行くといきなり抱きつかれた、3年見ないだけでここまで積極的になるのか。
「サイちゃん、久しぶりだね」
サイちゃんは俺の身長より少し低いが胸が大きい…ロリ巨乳って実在するんですね。
髪型はポニーテールで動くたびに揺れ動いている。
「サイ、私のことはサイって呼ぶように」
いや、キャラ変わりすぎでしょ、3年の内に何があったんだよ。
「ごめん、サイちゃ…サイ」
サイちゃんと呼びかけたがサイと訂正しておく。
「サイ、トキ君が戸惑っているでしょ、久しぶりねトキ君」
積極的になったサイちゃ…サイに押されていたらサイの後ろにリスティアさんが立っていた。
「お久しぶりです、リスティアさん」
「リスで良いわよ、トキ君」
3年という月日にも負けていないリスさん、リスさんの遺伝(胸)がロリ巨乳という奇跡を起こしたんだろうか。
「トキ君、また少し雰囲気変わったかしら」
リスさんが俺の顔を見ながらそう言った、多分魔眼の事なんだろう。
「はい、右目の方も魔眼になったんですよ」
別に隠すようなことでも無いからリスさんにも話しておく。
「いつの日かとは思っていたけどその歳で発現するなんてね」
「でもトキの右目は蒼のままだよ?」
リスさんとサイの会話をしている、やっぱりこの歳で両目魔眼と言うのは珍しいのだろう。
「それじゃ、両目ともに千里眼なのかしら?」
リスさんから質問が飛んでくる、両目同じ魔眼と言うのは常識なんだろう。
「それが…右目の魔眼と左目の魔眼の能力が違うんです」
それを聞いたリスさんが驚いた顔をしている、それと対照的にサイは首を傾げている、事態の異常性を理解できていないんだろう。
「そ、それじゃ右目は何の魔眼なのかしら?」
「右目の方は…その…透視の魔眼でして」
初めて使った時に女性の裸を見たせいで少し言うのが恥ずかしい。
「ねぇ、ママ、両目で違う魔眼って珍しいの?」
「そうね、有り得ない物だと思って頂戴」
「そうなんだ」
サイが尊敬の眼差しを向けてくるが制御できていない魔眼なので無いと数えても良いレベルだ。
「全然すごくないよ、制御できないんだもん」
「その歳で片目だけでも制御出来ているなんて大したものよ」
「やっぱりトキってすごいんじゃない」
サイが自分のことのように喜んでくれるが両目を自由自在に制御できてこそ初めて凄いことだと思う。
「立話ばっかじゃ暇でしょ、トキ君の部屋に行ってらっしゃい」
母さんがレイを連れてやってきた、レイは眠たそうに目を擦っていた。
レイってホントに良く寝る子だな、可愛いからいいけど。
「レイ、行くぞ」
レイの手を引っ張るが動こうとはしない、相当おねむのようだ。
「トキ、私に任せて」
そう言ってサイはレイを抱きかかえた。
「妹って居ないけどレイなら妹にしたい」
「レイは俺の妹だ絶対にやらんぞ」
「トキだって弟にしてもいいかな」
軽口を叩きながら階段を上っていく、俺も弟扱いですか、せめて兄とかにならないかな。
「サイお姉ちゃん?」
サイの会話に乗っかってレイがサイのことをお姉ちゃんと呼び始めた…これはこれでありかもな。
「トキ、本当にレイを妹にしていい?」
「本当にダメだから諦めなさい」
これが漫画の世界ならサイの鼻から鼻血が出ているだろう、そのくらいの破壊力だ。
「トキの部屋って何気に初めてだよね」
「そういやそうだっけ?」
3人でベッドに座って雑談を始める。
「トキ、この杖ってあの時持ってた杖だよね」
そう言ってサイはベッドの上に投げてあった七精王の杖を握る。
「それ、魔力をすごく吸うから気を付けろよ」
言うのが遅いか魔力を吸うのが早いのか、サイはベッドに寝っ転がった。
「サイ、大丈夫か?」
サイに覆いかぶさるようにして無事を確認する、魔力が欠乏するとどうなるかが分からないからであって、下心はない、もう一度言う下心は…4割くらいしかない。
「少し疲れた感じがしたけど大丈夫だよ、それでも顔が近いよ」
「本当に疲れただけ?」
魔力の怖さを身をもって知っているからこそ少し不安になる。
「トキ君…?」
声がする方を見ると母さんが立っていた…様子でも見に来たのかな。
「…母さん、言い訳をする機会をください」
「サイお姉ちゃんがお兄ちゃんの杖を触ったら倒れたからお兄ちゃんが様子を見ただけだよ?」
レイが説明をしてくれるが母さんは納得していないようだ。
「トキ君、ちょっと」
母さんがこっちに来いの動作をするので母さんの方にいく…気分は罰を受ける犯罪者だ。
「母さん、どうしたの?」
俺は…最期の時まで抗ってみせる、心の中でそう誓っておく。
「それでどうしてああなったの?」
母さんが俺の頭に手を置いて質問をしてくるが手にどんどん力が加えられていく。
「レイが言ったとおりでーーーー痛い痛い、母さん痛いって!」
本当のことを言おうとしたら母さんが頭を万力の力で握ってくる、リンゴとかを持たせたら破壊できるんじゃないかな。
「それは本当なんでしょう、私が聞いているのはどうしてトキ君がサイちゃんに乗っかていたのかを聞いているの」
「それは…その」
子供の事やっただし…許して?と言おうと思ったが言ったら俺の脳みそがザクロの様に飛び散るかも知れない。
「それは…何?」
「子供の少しの過ちです」
考えうる限り最悪の逃げを痛みに負けて言ってしまった。
「子供の過ちで乗っかるんだ、トキ君って」
ただでさえ万力の力で握っているのに更に力が加えられていく、本当にザクロの様に飛び散るかも知れない。
「久しぶりにサイに会ったので調子に乗ってました、ごめんなさい」
「それじゃ、サイちゃんにちゃんと謝るように」
そう言って母さんは手を頭から離した…脳みそとか飛び出していないよね?
母さんに監視されながらサイの横に座った。
「サイ、えっと…ごめんね」
「どうして謝るの?」
サイは事態が分かっておらず首を傾げている、傾げるたびに微細に揺れる胸に目線が行くができる限り自重してサイの目を見ておく。
「どうしてって…それは…サイの上に覆いかぶさるようにしたから」
「トキが心配したからそうしただけでしょ?」
サイの純真な思いが痛い、下心で穢れきった俺の心には眩しすぎる。
「それでもやり方は他にもあったかな」
サイの純真な思いに下心が浄化されいって少し冷静になったら頬を叩いてみるとか色々やり方があったんじゃないか、そう思えてくる。
「それじゃ、キス、キスをしてくれたら許す」
サイの思いがけない提案に少し呆然としてしまった。
KISS…相手の唇やほおなどに自分の唇をつけ、愛情や尊敬の気持ちなどを表すこと、接吻または口付けという。
レイを見てみるとサイの提案に目を輝かしている、やっぱり女の子だもんね。
後ろを向いて監視している母さんの方を見る、なんとも形容しがたい表情を浮かべている、よく見るとリスさんも少し覗いているのが分かる、いつの間に来たんだろうか。
「そ…それじゃ」
そう言って俺はサイのおでこにキスをした、流石に口はダメだと思う、口のキスは将来好きになった人とやってもらおう。
「おでこじゃダメ」
そう言ってサイは俺をベッドに押し倒して唇を重ねてきた。
「☆▽□><!#$%」
一瞬の出来事だったので反応に遅れて声にならない声が出てくる。
何かを喋ろうとするがサイが舌を入れてくるので喋ることができなかった、8歳にしてディープキスを知っているなんて…リスさんはサイに何を教えたんだろうか。
「トキ、これがキスっていうの」
「おお~」
サイの顔が真っ赤だが俺だって多分真っ赤なんだろう、これはレイの情操教育に悪い気がしてならない。
「リスさん、サイになんてこと教えているんですか!」
途中から覗いていたリスさんに声をかける、本当に何て事を教えたんだろうか。
「私はただ、好きな人とはキスするものって教えただけよ」
「マ、ママ居たの!?」
リスさんはそう言いながら部屋に入ってきた、リスさんの後ろから入ってきた母さんの目が怖いのでリスさんを見ておこう。
「ただ、私はサイちゃんがトキ君とキスをするなんて思わなかったわぁ」
驚いたように言っているが分かった上で教えたんだろう、言葉が棒読みすぎる。
「それで、初めてのキスはどうだったのかしら?」
リスさんもベッドに座って尋問が始まる。
「内緒」
「うん、内緒」
サイと俺は黙秘権を行使することにした、初めてのキスを見られた上に感想を言うなんて出来るはずがない。
「そう、それじゃサイはトキ君のことが好き?」
リスさんの直球な質問が飛んでくる、それって本人の前で聞く?
「それも内緒」
サイはこの質問にも黙秘権を使う、俺も気になる。
「それじゃ、トキ君はサイちゃんのことが好き?」
質問の矛先が俺に向く、好きか嫌いかで言えばそれは好きさ、初めて出来た友達、それに可愛いし巨乳だし。
「内緒です」
言うのは恥ずかしいから俺も黙秘権を行使しておく。
「ふふ」
リスさんは全てわかってます的な笑みを浮かべている。
「あらあら」
母さんも怖い目つきが無くなりリスさんと同じ様な笑みを浮かべている。
「レイもお兄ちゃんやサイお姉ちゃんの事好きだよ?」
レイの言葉に癒される、まだ何も知らない純真無垢な心に俺は癒されるよ。
「そうか、ありがとうな」
俺はレイの頭を撫でながら色々な意味が篭ったお礼をしておく。
「私もレイをなでなでしたい!」
俺が邪魔で撫でてないサイが抗議の声を上げるが、聞き流しておく、今はレイに癒されておきたい。
「お兄ちゃんは終了」
そう言ってレイは俺の手を退かした。
「次はサイお姉ちゃん」
そう言ってレイはサイの膝の上に座った。
「本当に可愛い、妹にならない?」
サイはうっとりとした表情でレイを撫でている、どんだけレイを妹にしたいんだよ。
「サイちゃんはレイちゃんのことが本当に好きねぇ」
リスさんは二人の様子をニコニコしながら見ている。
母さんは無言だが笑顔で二人を見ていた。
「レイの可愛さは異常よ、ああ可愛いわ」
レイの可愛さは異常か、同意しかできないな、だけどム○ゴロウさんみたいに強く撫ですぎちゃダメだと思うぞ。
「サイお姉ちゃん、痛いよ」
案の定レイから苦情が飛んできた。
「ごめんね、今度は優しくするから」
そう言ってサイはレイの髪の毛を梳く様になで始めた。
「リス、行くわよ、子供たちの時間なんだから」
そう言って母さんはリスさんを連れて部屋を出ていった。
「何してあそぼっか」
少し疲れたが今更な事を二人に聞いた。
子供の時ってキスの深い意味を知らずにキスをするってよくありますよね。
性格がいきなり明るくなったり積極的になったりしますよね、俺がそうです。
ロリ巨乳…甘美な響きですね(お巡りさん俺です)




