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入学式、そして

準備が整いとうとう、アリアちゃん達が魔術学校に入学する日がやって来た。

魔術学校は広く、校舎はコンクリートに似た材質で作られている、形はカタカナのコに近い形だ。敷地内には建物が4~6個建っている。

校庭なんて400㎡あるじゃないかと思うほど広い、首都の中でよくスペースを取れたなと思うよ。


「それじゃ、行ってくるね」

「行ってきます」

制服に身を包んだアリアちゃん達別れる事になるが別の場所で俺たちは入学式に参加する事になっている。


「その前に、これは私から二人に渡す魔法使いとしてのローブよ」

そう言って母さんは二人に白のローブを渡した。

「羽織ってみて頂戴」

母さんに言われて二人はローブを羽織った。


「似合っているかな?」

アリアちゃんが軽く回って全体を見せてくれるが、ブレザーと相まってマントにしか見ない。

「ええ、似合っているわよ」


「ママ、私は?」

クレイちゃんも回っているが、アリアちゃんと同じ感想しか出てこない。

「似合っているわよ」

二人共母さんからのお墨付きをもらって今度こそ別れる。


「トキとレイ…それにパパとママに会えるのは4年後ね」

「少し寂しいけど次会った時には驚かしてあげるからね」

そう言ってアリアちゃんとクレイちゃんは俺とレイシアを抱擁しながら撫でてから名残惜しそうだったが新入生の集まる場所に行った。


「俺たちも移動するか、アリアとクレイの入学式をちゃんと見てやらないとな」

父さんの一声で俺たちは移動を開始する、入学式があるのは広い校庭を少し進んだ先にある建物だ、前世で言う体育館だろう。


体育館の中にある保護者席に座って待っていると開けられている扉から色取りのローブに身を包み、手には杖を持った学生達が入ってきた。

少し遠くだったので魔眼を使ってアリアちゃんとクレイちゃんを探してみるが見当たらない、まだ入ってきていないからだろうか。


「トキ、見つかったか?」

父さんの問いかけに俺は首を振って否定の意を示す。

何人も流れていく中、生徒の中にアリアちゃんとクレイちゃんを見つけた。


「見つけたよ、今入ってきた」

アリアちゃんとクレイちゃんは少し緊張したお面持ちで体育館の中に入ってきた。

その声を聞いて父さんと母さんは入口の方を見た、アリアちゃんとクレイちゃんもこっちを探しているようでキョロキョロしていた。


「やっぱり可愛いな、さすが俺たちの娘だ」

父さんが親バカを発揮しているが俺は回りに居るエルフや獣人など多種多様な種族の方に興味津々である。

中には10歳かどうか聞きたくなるような体格をした獣人とかがいて結構面白かった。


生徒は1000人を超えていると思えるほど多かった、その全員が椅子に座ったところで入学式が始まった、入学式と言っても学園長からの魔術に対する想いと学生たちに向けたありがたい話だけだった、途中から聞くのが面倒になって魔力を操作する練習をしていた、前世でも長期休み前後にある校長の話は右から左といった感じだったしな。


「これにて、入学式を終了とする!」

学園長の声で入学式が終わりとなり保護者席に座っている俺たちは外に出た、生徒の方は入学後検査とやらで残っている。


「これで、4年間はあの子達に会えないのね」

「そうだな、寂しいがあの子達も同じ気持ちだ」

母さんと父さんが話しているのを聞きながら宿に戻っていた、レイシアは入学式の途中から母さんに抱っこされながら眠っていた。


宿に戻って母さんに今後の予定を聞いてみると2泊してから帰るそうだ、入学式後は混雑するからだそうだ。


二日間、この間は外に出て色々なお店を見て回ったがやっぱりアリアちゃんとクレイちゃんが居ないのは寂しい、どこか物足りなさを感じつつ観光をした。


帰りの馬車もやっぱり寂しくてレイシアと簡単なおしゃべりをしながら過ごした。

たった4年間だろうと思っていた、それに別に寂しくも無いそう思ってた。

だけど別れてみると分かる、ものすごく寂しい、見ている風景が何か物足りなく感じる。

だけど寂しいなんて口に出して言えなかった、言ってもどうしようもないって分かっているからだ。


家に着いたのは夜遅く、帰ってすぐにベッドに潜って眠った。

馬車の中で寝るなんて慣れていなくて寝不足だったので直ぐに眠りに落ちた。


朝起きて、テーブルに向かうがそこには見慣れた光景とは少し違う、ふたりの姉が居ないだけでもこんなに変わるのか、そう思えるほどだった。

「おはよう、父さん」

「おう、おはよう」

テーブルに座って朝ごはんを待つ父さんに挨拶をする、そしてレイシアには撫でておはようの意を示しておく。


「トキ、やっぱし寂しいか?姉が二人共いなくなって」

「寂しいよ、どうしたの?いきなり」

レイシアの隣に座って父さんの質問に答える。


「なに、お前が観光の時も帰りの馬車も何か物足りなそうに見えたんでな」

俺の想いは父さんにはバレバレだったようだ。

「お前もやっぱりまだまだガキだな、4年後には会えるってのに」

「4年後に会えてもその1年後には俺が入学だよ?」

4年後には9歳、その次の年には俺はどれかの学校に入学する事になる。


「まったく、パパだってアーちゃんとクーちゃんに会えないで寂しい癖に」

母さんが朝ごはんを持ってやって来た。

「べ、別に寂しくないぞ?4年後には会えるしな!」

父さんの上擦った声を聞いて思わず笑ってしまった、やっぱり父さんも寂しいのか。


「はいはい、そうですね、パパが寝言で寂しいよぉと言っていたのは内緒にしておきますね」

母さんの暴露で父さんの顔が真っ赤になる、相当寂しいんだな。

それと母さんよ内緒にする言いながら暴露するのはひどいと思いますよ?


「そんな事言ってないぞ!さっさと朝ごはんを食べるぞ!!」

父さんが無理やり話題を打ち切り朝ごはんを食べ始める。

そんな姿を皆で笑いながら朝ごはんを食べ始めた。


アリアちゃんとクレイちゃんが居ない日々の始まりの朝が終わった。

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