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魔力操作、そして妹と

魔眼に覚醒して数日が経ったが未だに魔力が体に馴染む気がしない、自分の魔力を100だとすると魔眼に1魔力を入れたいのに魔力が10入れられたりして自分の魔力に振り回されている。


自分の部屋で魔力操作の練習をしていたがうまくいかず母さんに教えて貰おうと部屋を出た。


「母さん、魔力操作を教えて欲しいんだけど」

昼ご飯を片付けている母さんに教えて貰おうと思いキッチンに居る母さんに聞いてみた。


「魔力操作ねぇ…トキ君は自分の中にある魔力は感じられるかしら?」

母さんの質問に頷いて答える。

「それじゃあ、自分の魔力に方向性を持たせることはできるかしら?」

これの質問も頷いて答える。


「それじゃあ、魔力の量を調整できないのかしら?」

この質問にも頷いて答える。

「魔力操作で教えられるのは魔力の感じ方と方向性の持たせ方だけで魔力の量の調整の仕方は教えづらいの」

母さんから申し訳なさそうに言われた、確かに自分の魔力は感じれても他人の魔力は感じられない、それが一般らしい。それなのに調整の仕方を教えろというのは難しいのだろう。


「もう少し一人で頑張ってみる」

母さんにそう言って俺は自分の部屋に戻った。


自分の中を魔力から欲しいだけ引き出すようにイメージをするが余分な魔力まで引っ張られてくる、余計な魔力を無くそうとイメージすると次は必要な魔力まで無くなる、行き詰まった感じがしたので自分の部屋を出て母さんの部屋で寝ているレイシアのところに行った。


「レイシア~、お兄ちゃんはもう疲れたよ」

レイシアが珍しく起きていたので膝の上に乗せてベッドの上に座った。

「う~」

レイシアの俺の顔を見る目が少し怯えているように見える。


「レイシア~、どうした~?」

レイシアの柔らかいホッペを突っつきながら聞いてみると

「わ~ん!!!」

レイシアに大泣きされた、そんなに俺は悪い顔をしているのだろうか。結構凹むな妹に無条件で大泣きされるって。


「どうしたの?レイちゃん」

母さんが大急ぎでやって来た。

「レイシアが俺の顔を見て泣き出したんだよ」

ありのままの事を伝えてた、母さんはレイシアを抱っこしてあやし始めた。


「トキ君の顔を見ていたの?」

母さんの質問に頷いて答える、レイシアの泣いた原因を俺の顔と分かるという事は俺が妹ですら泣きたくなるほどのブサイクか怖い顔なんだろう。


「う~ん、トキ君の魔眼が怖かったんじゃないのかしら?」

母さんから指摘される、魔眼が怖かった?目の色が青から赤に変わっただけだしよく見ないと陣なんて見えないのに。


「そうなのかな?俺の顔が怖いとか変とかが原因じゃないよね?」

あえて魔眼のせいにして顔のことを触れないようにしているんじゃないかと思うので聞いてみることにした。


「大丈夫よ、トキ君はパパに似て将来はカッコよくなれるわよ」

母さんから否定の言葉は貰えたが子供に対する優しさかも知れない。少し人間不信に陥りそうだ、妹に泣かれるとは此処まで精神にくるものだったのか。


「レイちゃん?トキお兄ちゃんだから大丈夫よ?」

レイシアを母さんがあやしているのを俺はベッドに座ったまま眺めていた、次第にレイシアは泣き止み俺に視線を送るようになってきた。


「お兄ちゃんなの?」

レイシアには俺がどのように写っていたのだろうか、化物か?

「お兄ちゃんだぞ?」


ベッドから立ち上がり手を伸ばそうとレイシアがビクッと母さんに抱っこされた状態で震えたので手を引っ込めた。

「母さん、俺…自分の部屋に戻るね」

これ以上妹に怖がられても困るので俺は自分の部屋に戻ることにした。


「・・・はぁ・・・どうしたら良いんだよ」

魔力操作なんてどうでも良くなってどうしたらレイシアが怯えないかを考えていた。


「もうわけわかんねぇよ」

ショックから視界が滲むのを感じ枕に顔を埋めて涙を枕に吸わせていた。

「レイに嫌われて傷心なトキが居るのは此処かな~」

枕から顔を上げて声のした方向を見るとそこにはアリアちゃんとクレイちゃんが立っていた。

「・・・なんだよ」

少し涙声になっているが強がって対応した。


俺の右にアリアちゃんが左にクレイちゃんが座った。

「レイに泣かれたのが悲しかったの?」

アリアちゃんの声に俺は頷いて答える。


「いつもは普通に接してくれたのに魔眼が覚醒しただけなのに…なんで・・・」

涙が流れているのも分かる、自分ではどうしようもないこと弱音を吐いているのも分かる、だけど誰かに聞いてもらわないとダメな気がしてアリアちゃんとクレイちゃんに言う。


「トキは考えすぎなんじゃないかな?」

クレイちゃんの優しい匂いがしたと思うと抱きつかれていた。

「え?」

状況とクレイちゃんの言ってることが分からずに疑問系が口から出る。


「だって、まだレイは2歳だよ?いきなり知っている人の雰囲気が変わったら驚いたり警戒するだしょ?」

そう言われてハッとした、レイシアはまだ2歳じゃないか。周りは何時も通りに接してくれるけどレイシアからしてみれば知っているはずの兄の雰囲気が変わっていれば警戒するだろう。


「・・・そうだね、それもそっか」

少し胸に溜まっていたモヤモヤがなくなったような気がした。

「クレイばっかズルい、私もトキに抱きつきたい」

アリアちゃんの避難の声が聞こえる。


「アリアは全く…トキも少しは落ち着いたでしょ?」

クレイちゃんは俺から離れながら質問してきた。

「うー―ーうわっぷ」

続けようとしたがアリアちゃんに抱きつかれてしまって返事をすることができなかった。


「トキが泣いているのをお姉ちゃん初めて見たよ」

アリアちゃんの匂いが鼻一杯に広がってくる。

「そう?そんなに俺って泣いていないかな?」


「うん、トキはまだまだ子供なんだから泣きたい時に泣きたいだけ泣けばいいのに」

クレイちゃんとアリアちゃんから泣いていないと言われてもピンと来なかった。前世との記憶がごっちゃ混ぜで自分が泣いたことがあるか無いかなんて分からない。


「それじゃ、トキも落ち着いたしレイちゃんに会いに行こうか」

アリアちゃんは俺から離れながらそう言った。まだレイシアが泣いてから時間が経ってないと思うがアリアちゃんの言うようにベッドから立ち上がった。


レイシアは先と同じように母さんの部屋にいた。

「レイちゃ~ん、お姉ちゃんですよ~」

クレイちゃんのデレデレとした声を出しながらレイシアに近づいて行った。


「クレイお姉ちゃ~ん」

レイシアもクレイちゃんに近づいて抱きつく。

「レイちゃんは甘えん坊さんですね~」

クレイちゃんはレイシアを抱っこして頭を撫でていた。アリアちゃんは出遅れたのが悔しいのか俺の頭を撫でていた。


「アーねぇもレイシアを抱っこしたかったの?」

アリアちゃんに疑問をぶつけてみる。

「トキも知っていると思うけどレイちゃんの髪の毛の質感、ホッペの柔らかさは最強なのよ?」

アリアちゃんはレイシアの髪質を思い出したのかうっとりしていた、そこまでの破壊力だったのかレイシアの髪の毛は、他人を撫でるなんて無いからわからなかった。


「ほら、レイちゃん?トキお兄ちゃんですよ?」

クレイちゃんは俺の前にレイシアを連れてきた、レイシアも俺の顔を見て少し怯えたようにも見えた。


「ほら、トキも何か言わないと」

アリアちゃんに言われて俺はまた泣かれたりするんじゃないかと内心ビクビクしながらレイシアに話しかけた。


「レイシア、お兄ちゃんだぞ」

少し控えめに手を出すとレイシアは少しビクッとしたが手を握ってくれた。

「ほらね、レイシアだってトキだって分かってくれたらちゃんと反応してくれるからね」


「お兄ちゃん、大丈夫?」

レイシアに指摘されて気がついた、俺は涙を流していることに、レイシアに拒絶されなかったのが嬉しかったのか安堵からなのか知らないが涙を流していた。


「うん、大丈夫だよ、レイシアに心配かけてゴメンな?」

レイシアの頭を撫でてみるがさっきと違って拒絶されたり泣かれたりしなかった。


「私たちは部屋に戻るからあとはお二人でどうぞ」

そう言ってアリアちゃんとクレイちゃんが部屋から出ていった、気の使い方が日本のお見合いみたいだが言葉に甘えてレイシアを抱っこしてベッドに座った、さっき泣かれた時と同じ構図である。


「レイシアはどうしてお兄ちゃんをみて泣いたのかな~?」

レイシアの頭を撫でながら質問してみる、気になって仕方無い、小さい男かも知れないが妹に嫌われるという事は凄く傷つくのだ。


「お兄ちゃんのお目目が真っ赤になって怖かったの」

どうやら母さんの言ったとおり魔眼が怖かったようだ、そんなに怖かったのか、アリアちゃん達の好奇心全開の反応を見ていてまだ小さい妹の事を考えてなかった。


「そうか、お目目が真っ赤かになってもお兄ちゃんはお兄ちゃんだからな?」

レイシアにも自分にも言い聞かせるように言う、俺自身が何歳になっても妹の、いや家族のために全力を尽くすという誓いのように、前世でできなかった家族のために何かをする。それを今回の生で行う事を自分自身に言い聞かせるように。


「うん」

レイシアから返事が聞けたのでずっと頭を撫でていた。

あれからどのくらい時間が経ったのだろうか俺の胸に頭を置いて小さく寝息を立てているレイシアを起こさないようにずっと静かに座っていた、その間もゆっくりと魔力を調整できるように練習したが一向にうまくいかなかった。


「レイちゃん、晩ご飯の時間よ~」

母さんが部屋に入ってきたので俺はレイシアを軽く揺さぶって起こした。

「レイシア、晩ご飯だって起きて」

「ん~」

小さな手で目を軽く掻いている姿に内心萌えながらレイシアを抱っこしながら立ち上がる。


「ほら、レイシア、テーブルに行こうか?」

レイシアを床に降ろそうとするが抱きついて離れない。

「お兄ちゃんと一緒に行く」

どうやら抱っこされたまま行きたいようだ。


「レイちゃんは本当に甘えん坊さんね~」

母さんはほっぺに手を当ててのんびりとした声だ。

俺の近くにやってきて小さな声で

「レイちゃんと仲良くなれたのね」

その声に俺は小さく頷いて返す。


そうして俺はレイシアを抱っこしたまま晩ご飯が待っているテーブルに向かうのだった。

因みにテーブルに向かうとアリアちゃんとクレイちゃんに羨ましそうに見られたが気にしないことにした。

ちゃっかしレイシアとトキニアの会話が今回が初ですが初めてが号泣って…

トキニアの今世での誓いですね「家族のために全力を尽くす」彼はこれを全うすることができるのでしょうか、気になります。

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