熱川の民宿
「ヒャッホーーーッ!海だあ〜」白田さんに似てる白田くんが、民宿前の浜辺へ着くなり走り出す。
同級生の江戸川くんもついて行く。
東さんと同い年の早川さんは、バスに酔ったみたいでベンチに腰掛けて浜辺ではしゃいでる男子達を呆れた目で眺めてる。
「2年生は元気だね〜僕には無理だ。
良かったら東も行きなよ。1年生の原田くんと公くん?も、どうぞ。」と海辺に行った男子に女の子達も加わり楽しそうに遊んでる。
女の子は3人。皆2年生みたいだ。スカーフで髪を束ねた久美子さんが、ほとんど半裸状態だ。ミニスカートにお腹丸出しのピチピチのポロシャツにサンダルだけだ。
山岸さんは反対に長袖ブラウスに裾の広がった長めのスカートに靴下履いてヒール履いてる。
髪もお下げでジブリアニメみたいな格好だ。
小田さんはボブにカチューシャして柄物シャツにプリーツワンピースで腰にはベルトしてる。
本当にミュウミュウのモデルみたいな格好だ。
「本当に皆オシャレだよね〜僕も負けたくないからワイドパンツにベストにボウタイしてきたよ。」と公がビシッとポーズを決めてる。
「フフッ、はじめ可愛いから女の子かと思ったよ。
この頃流行ってるよね、そういう子。」と早川さんが好みなのかニヤッとする。
「コイツは女の子が好きなんで。ダメですよ〜」と原田が男子高時代みたいに公をガードする。
「フフッ、僕も女の子の方が好きかな?ゴホッゴホッ…」と急に咳き込む。
「大丈夫か?無理して来なくても良かったんだぞ?
退院したばっかりなんだから。」と東さんが咳き込む早川さんの背中をさする。
「イヤだよ。3年なって半分は療養で潰れたし。
本当に今時結核なんて!もう絶滅した病気になるなんて!」と早川さんが悔しそうだ。
「大丈夫だからね。ちゃんと治療してるから人に伝染らないから。
昔は隔離されたんだけどね。
保菌してる人は実は多いんだよ。でも、それで発症する人は珍しいんだよ、この病気は。
ここは海辺で温暖だし病気にも良いはずなんだけどな〜」と早川さんの背中をさすりながら公と原田に説明する。
「本当に今はもう珍しい病気ですよね。栄養が足りなかった時は流行ったけど、今は健常者だとほとんど伝染らないって、聞いてます。」と原田が話す。
「学校でも結核で学級閉鎖とか無いもんね。
本当に昔の病気ってイメージ。」と公も相槌を打つ。
「あ〜あ、情けない。」と早川さんがうなだれる。
「治療すれば普通に生活できるんだし!あまり気にすんなよ!」と東さんが早川さんを元気づけた。
「さあさ、中入って〜あれ、聞いてた人数より増えたね、ホントに。」と民宿の女将さんが驚く。
「すみません。早川が早くに退院できたのとオカルト仲間2人が飛び入りしたんで。」と東さんが謝る。
「いえいえ、もしかしたら3人増えるかもって言ってたから準備してますよ。さあさ、どうぞどうぞ〜」と快く迎えてくれた。
民宿は海辺の漁師の待機小屋を改良したもので1階は昔は船を格納してたのか柱だけで見渡せる大広間だ。
囲炉裏が中央にあり、すでに野菜類や大鍋はセッティングされてる。
隅に洗い場や冷蔵庫や食器をしまう棚が並んでる。
温かいお茶と冷たいお茶をオーダーを聞きながら囲炉裏脇の大きなテーブルに並べてくれる。
「キッチン脇の暖簾奥に洗面所と脱衣所と大きな1度に5.6人入れる温泉があるから。男子と女子で順番決めて入ってね。トイレは男女別で玄関入った所ね。
夕飯終わったら私達は村の自宅に戻るから。
2階に大部屋10畳と小部屋6畳があるから。男女で分けて使ってね。」と旦那さんが2階から掃除を終えて降りてきた。
「温泉も清掃終わってるから、いつでも入って良いよ〜」と声掛けしてくれる。
「おおっ、ラッキ~ちょっと入ろうよ!公くんと原田くんも一緒に!」と白田くんと江戸川くんに誘われた。
「私達はゆっくりお菓子食べながらだべってるよ〜」と女の子3人は座布団に根が生えたみたいだ。
「東も入っておいでよ。僕は2階で少し横になってくるよ。バスで3時間かな。さすがに、疲れたよ。」と早川さんは2階に上がっていった。
ハマブランカは、関西の和歌山の施設だったのですが、今回関東設定なので伊豆の熱川バナナワニ園の場所に設定してます〜




