ウルトラQ
そこは目立たないが部室だったようだ。
中は賑やかで、何だか全体にオシャレな人ばかりだ。
頭にスカーフ巻いた女の子やサングラス頭に付けた男性や今年流行りだした細身ジーンズで裾が広かったのやら…
「なんかミュウミュウとかのモデルみたいな格好ばっかりじゃない?
ほら、あの人なんか男なのに腹出ししてる!」公がヒソヒソと原田に耳打ちする。
「ウチはまだ同好会なんだけどウルトラQって言うんだよ。テレビドラマにあやかってね。」と助けてくれた男性が説明する。
「へえ、そんなドラマあったかな?ウルトラと言えばウルトラマンしか知らないや。」と公が返すと男性が首をかしげる。
「そっちの方が聞き慣れないな?
まあ、いいや。主に超常現象を扱うサークルだね。
まだ部活として認められてないが。」と説明する。
「エッ、オカルトサークルと活動かぶりませんか?
オカルトサークルは部活20周年とか言ってた気がするけど…」原田も公がオカルトサークルに勧誘されてたので覚えてる。
「…そんなサークルあったかな?
まあ、ウチが非公認だから知らないだけかな?
やっとクラブハウスに部屋貰ったばかりだし。
ここは元々用務員室だったみたいだよ。」と辺りを見回す。
「汚い部屋だったの自分達で片付けたんだぜ!
最初ネズミの死骸があってビビったよ〜」と皆でどっと笑う。
「ゴキブリじゃないの?ネズミなんだ?へぇ〜見たことないや。」と公が小声で原田に囁く。
「僕が立ち上げた同好会なんだ。東だ。よろしく。」と助けてくれたオシャレな丸メガネの男性が握手を求めてきた。
何となく2人は戸惑う。コロナ以降、あまり握手する習慣も無くなった気がしたが…
とにかく握手する。
「外の女の子達の声しないね。うまく逃げれたかな?」と東が耳を澄ます。
「ホントだ!声がしない!助かりました〜
僕らホラー動画作ってるからサークル活動する暇なくて。今日もこれから事務所戻って送られてる動画編集しないと!」と原田が説明する。
「へえ〜っ、君らもう専門家なの?テレビの下請けとか?面白そうだね。
良かったら、また映像見せてくれよ!」と白田さんに似た男性も近付いてきた。ガッチリした良い体格してる。ピタピタのポロシャツで腹をチラ見せしてる。
男でもスゴいモデルくらいしかしない格好みたいだ。
「俺は白田だ!そういうの興味あるなら、今度俺ら廃墟探索するだけど一緒に行かない?
ほら、伊豆のハマブランカ?あそこの廃墟 幽霊の噂がスゴいじゃん?
一泊で幽霊探しに行くんだよ。合宿兼ねてさ。」としおりを渡された。
「ハマブランカ?聞いたことないなあ〜そんな心霊スポット。」とかなり情報通な原田が首をかしげる。
「まあ、もう5年前くらいに潰れた施設だけど、まだ熱帯植物園とか食堂とかマントヒヒ園とかジェットコースターとか残ってるらしいよ。」と東さんが説明する。
「そうそう、そこでタヒチダンス踊る男やフラダンス踊る女の霊が出るらしいよ。なんか楽しそうじゃない?」と頭にスカーフ巻いて耳に大きなイヤリングした超ミニスカートの女の子が上目遣いでこちらを見てくる。
「近くの民宿泊まって1人予算5000円ね。」と東さんが話す。
「えっ、それ宿代ですか?」1泊するのに旅行費用安すぎないか?と公が聞き返す。
「違う違う〜チャーターしたバス代と民宿一軒貸し全部の予算だよ〜
私が会計ね。久美子よ。」と派手な女の子が立ち上がると完全に腹だしのミニスカート姿だった。
「ちょ、ちょっと露出凄くない?」と公が目を覆う。
「えーーッ、遅れてる〜今時、このくらい普通よ!」と久美子にヤレヤレと言う顔をされた。
それにしてもバス1台チャーターして民宿丸々借りて5000円とは!安い!
「いつ行くの?」と公が聞く。
「おいおい、俺ら編集で忙しいぞ、週末は。」と原田が忠告したが、「え〜、AIで金曜日まで片付けたら行けるよ。そのハマブランカって行ってみたい。
僕、伊豆は結構行ってるけどなあ〜聞いたことないや。」と公が行く気満々だ。




