ep009:その帰国子女、多忙につき
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Scene033【千紗・キャサリン】
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結衣・遥の元を去った俺はシャワーで身を清めてから、
千紗とキャサリンの部屋を訪れる。
そっとベッドに行くと……。 千紗が二人いた。
いや、片方はキャサリンだと思うのだが、
今は黒髪で目を閉じているから、全く区別がつかない。
キャサリンはもしかしたら、黒髪の方が本当で、 金髪碧眼は演出で変えているのかも。
「「うーん」」
二人の千紗が寝返りをうった。
それぞれ外側に向かったので、真ん中が空く。
入らせてもらうよ。
布団をはぐって、二人の真ん中に寝る。
「「うっ、うーーん」」
布団をはぐられて寒くなったのか、二人の千紗が俺にしがみついてくる。
「「晴道……好き」」
ユニゾンしている。
可愛いぞ!
スー、スースー
ああ、俺も眠くなってきた。
さすがに頑張りすぎたよ。
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朝、俺は下半身に妙な感覚を覚えて目が覚めた。
「ねえ、キャサリン凄くない?」
「パパ、昨日あんなに頑張ったのに、まだ元気ですね」
目を開けると、俺は下半身に何も着けておらず。
朝の現象で元気なそれを、千紗とキャサリンが眺めていた。
いや、千紗が握っていた。
「あっ、晴道が起きた」
「ちっ、千紗さん、何やってますか?」
シコシコ
「だって、晴道、夜這いしてくれないで寝ちゃうんだもん」
コスコス
「いや、二人ともぐっすり寝てて……あっ」
シコシコシコシコ
「寝てるところをいたずらするのが、夜這いだと思うのだけれども」
くちゅくちゅくちゅ
「いや、そうなんだけども、おぅ」
パックリ
「あっ、いや、それは」
ジュポジュポジュポ ジュポジュポジュポ
「うっ」
ごっくん
「千紗ママ凄い」
二人に夜這いするはずが、逆に朝、襲われちゃいました。
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Scene034【再配布】
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朝食は豪勢なビュッフェだった。
盛り放題の海鮮丼コーナーに、
選び放題の干物コーナー、
あらゆる種類のパンが並ぶベーカリーコーナー。
いや昨日の昼も思ったけれども、食べきれないだろ。
フードロスとかどう考えているんだろ。
花音さんに聞いてみた。
「廃棄したりするわけないでしょ」
花音さんは呆れたように言った。
「裏にね、食品工場で使われるような高性能の急速冷凍機があるのよ」
「えっ?」
「食べなかった食材はそこで冷凍パックにして、貧困家庭に無償で配るの」
「冷凍できないような食材は?」
「静岡県や神奈川県でやってる、子ども食堂に配達するの」
「それも、霞の者の仕事ですか?」
「そうよ、政府から請け負ってね。
偉いさんや来賓用予算からお金を使わせて、
食品に変えて、 貧困の家庭や母子家庭なんかに広く配るのよ。
一種の富の再配布ね」
「そうだったんですね」
「だから、気にせず残しなさい」
あっ、でも今回の予算は?
花音さんは俺の考えを見越したように言った。
「もちろん、今回は霞の者の予算から出てるわ。
でもそれだって元と言えば、政府から巻き上げたお金だからね」
「そうですか。じゃあ俺も気にせず、食事を楽しむことにしますよ」
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Scene035【朝風呂】
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「昼前に出発するから、それまでは自由時間ね」
朝食が終わり、花音さんがそう言うと千紗とキャサリンがかけよってきた。
「「晴道、一緒にお風呂入ろ」」
二人は胸の前で腕を組み、俺を見上げるように訴える。
周りの女性陣は『抜け駆けされた』そういう視線を送っていたが。
「晴道、昨日寝ちゃって、夜這いして貰えてないよ」
「私たち、この旅行中一度も”して”貰えてないよ」
周りの女性陣は『なら仕方ないか』そういう雰囲気になった。
絶対全部計算してやっている。
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俺は千紗とキャサリンを連れて大浴場へ入った。
「「晴道、先に入っていてね」」
そう言われ、先に浴室でシャワーを浴びていると
”千紗が”二人入ってきた。
「どっちが千紗で!」
「どっちがキャサリンだ!」
また黒い瞳に黒髪になっている。
まったく分からん。
俺は
『どっちが千紗で!』といった千紗に「こっちが千紗」
「どっとがキャサリンだ!」といった千紗に「こっちがキャサリン」
と指さした。
「「はずれ~」」
二人の千紗は顔を見合わせて笑った。
合わせ鏡のようだった。
「キャサリン、そんな事もできるんだね」
「こっちが本来の姿です」
「そっ、そうなんだ」
「千紗ママと区別つくように、いつもの姿になっています」
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俺たちは湯船につかる。
穏やかな時間が
・
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流れる訳がないだろ!
千紗が二人だぞ!!
もう、変な気にしかならないぞ。
俺は二人の願望を叶えてしまった。
ごめん、ずるい言い方だった。
俺は自分の欲望に素直にしたがった。
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Scene036【その帰国子女、多忙につき】
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やがて俺たちは観光バスに乗り、帰宅の途に就く。
昼食は途中のSAに寄った。
「そろそろジャンクフードが食べたいでしょ」
花音さんが笑って言った。
その通りだよ。
ハンバーガーや焼きそば、フランクフルト
みんな好きに食べた。
「晴道、あれ食べたい!
これ美味しい!!
あれなに!?」
キャサリンは騒がしい。
そういえば、キャサリンが新学期で転入してから、4日間しか経ってないんじゃん。
キャサリンといると本当に多忙だ。
でも、楽しい毎日の予感がする。
だから、全然嫌じゃない。 来週末はどこに連れて行こうかな!
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Scene037【閑話】
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それは昼食を取るためSAに寄り、 晴道がキャサリンに引き回されている時のことだ。
「さすがに食べ過ぎたね」
洋子がつぶやく。
「おっぱい、大きくなったかも!」
遥が嬉しそうに声をあげる。
「昨日も話したけれども、本当に大きくなったから、ブラを買い替えないとね」
真帆も続く。
「私は今が理想だから、これ以上大きくならなくてもいいかな」
どこか自慢げな結衣。
「なんで、おっぱいに行くと思うのよ。お腹に行くかもでしょ」
自分のお腹に手を当てる花月。
そこに杏奈となにやら話していた花音が声をかける。
「下着を買い替えるのは、もう少し待ちなさい。 去年の由美子って、春から夏で2カップも大きくなったのよ」
「何か、呼びました?」
そこに晴道たちと一緒に回っていた由美子が戻ってきた。
「なんで、私は大きくならないの……」
花月はさらに落ち込む。
由美子と一緒に戻ってきた晴道は状況を正しく理解する。
「花月さん、俺、おっぱいで女性を選ばないですから」
しかし花月は、千紗とキャサリンも加わった九人を見て言った。
「全然説得力ないって!」
そしてしゃがみ込んでしまったのだ。




