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人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第14話【その帰国子女、多忙につき】

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ep005:その旅行、波乱の予感につき

⸻


Scene017【集合】


⸻


次の日は、あの消えた未来の記憶を持つ女性たちの集まりに呼ばれている。


花音さん、花月さん

洋子先輩

由美子

真帆先輩

結衣、遥

杏奈先輩


ちなみにこの順番は、あの消えた未来で愛し合った順番だ。

それ以上の他意はない。


そこに千紗とキャサリン、俺が入るわけだ。

繰り返すが、波乱の予感しかない。


花音さんに連れられ、俺たちが集合場所に着くと、

他のメンバーは全員揃っていた。

すでに顔を合わせている花月さん、由美子以外が騒ぎ出す。


「千紗が二人いる!!」


「初めまして、早乙女キャサリンと申します。

本日は特別な経験をした皆様の集まりに

参加させていただき、ありがとうございます」


あの変な日本語は使わなかった。

場が一瞬静まりかえる。

俺が耳を澄ませていないのもあるが、

心の中の声も聞こえなかった。


「さあ、みんな、特別ゲストの晴道よ。

晴道と旅行なんて、初めての子も多いわよね!」

(そうよそうよ、晴道と旅行よ!)

(なんとしても、一歩リードするのよ!)

(晴道くんと旅行できるなんて、夢みたい♡)

etc. etc……


心の中の声が一気に騒がしくなった。


(パパ、心の中の声を届かないようにする?)


そうだな、半数が俺が心の中の声を聞いているって知っていて、残り半数が知らない状態か。

平等にするためにも、その方が良いかもな。


(ああ、キャサリン、お願いするよ)


一気に静かになった。

心の中の声のことを知っているメンバーには、

後で、今は聞けなくなっていることをこっそり伝えておこう。


⸻


移動には観光バスが準備されていた。

皆で乗り込む。


「目的地は熱海の観光ホテルよ。

一棟貸切、大浴場もあるわ」

「凄い……」


それは誰の声だったのだろうか?


「貸切だから、混浴ね!」

「きゃーーー」「えーーー」「恥ずかしい!!」


花音さんの爆弾発言に場が騒然となった。


⸻


Scene018【秘密の宿】


⸻


バスは2度の休憩を挟み、昼前に熱海のホテルに着いた。


花音さんの説明によると、

ホテルは15部屋と多くはないものの、

20名は入れるだろう大浴場と、

宿泊客全員が入れる宴会場が売りだという。

そして洋室のみなので旅館ではなくホテルと名乗っているが、どちらかというと老舗旅館といった趣だった。


でも、ネットには全く情報がなかった。


「一ノ瀬様、お久しぶりです」

「今回も無理言ってごめんなさいね」

「いえいえ、”今回は”一ヶ月以上前でしたので、大丈夫ですよ」


一ヶ月以上前って、時が巻き戻った直後じゃないか。

花音さん、そんな前から準備していたんだ。


それより”今回は”って?

それについては、花音さんが後でこっそり教えてくれた。


『ここはね、政府直轄の秘密の会合を行う場所なの。

特別な会合の護衛を依頼されたら、ここを会場に指定するの。

人里離れている方が護衛もしやすいのよ』


確かにここは熱海でも山の上で、ひと気は少なそうだ。

それに車で移動すれば、ここまでそんなに時間はかからない。


『そうそう、去年の某国大統領の極秘訪問もここに泊まらせて、あの暗殺集団を返り討ちにしたの。

赤外線センサーなんかは、あちらも暗視スコープで避けられるけれども、

足元の草むらに隠れている罠の縄には面白いほど簡単に引っかかってくれるのよ』

『あの、縄がきゅっと締まって、宙づりにされるやつですか?』

『そうそう、それよ。

高さ5メートルくらいまで吊り上げてあげると、縄を切って脱出しようにも落下で大怪我をするから、大人しく捕まってくれているのよね。

あの時は組織の殲滅や捕獲は依頼に入っていなかったから、放置したのよ。

どれくらい吊るされたままだったのか、想像したら笑えるわね』


その恨みもあって、あの花音さん拉致計画が発生したのでは?

その言葉は飲み込んだ。


『あと、東京に常駐している霞の者のメンバーの慰安にも使ったりね』


⸻


話が逸れたが、俺たちは一人一部屋に案内された。

荷物を置けたら、宴会場に集合ということだった。


⸻


Scene019【謝罪】


⸻


俺が宴会場に着くと、三々五々と人が集まってきた。

どうやら立食パーティーを行うようだ。


やがて全員が集まった。


花音さん

花月さん

洋子先輩

由美子

真帆先輩

結衣

遥

杏奈先輩

キャサリン

千紗

それに俺


花音さんが部屋の壁際にある壇上に上がり、挨拶を始める。


「皆さま、本日はお集まりくださりありがとうございます。

今回は、この世界の時が巻き戻されたことを認識されている方々をお呼びいたしました」


鬼の被害に遭ったとは言わなかった。


「そのことについて、皆さまとお話をしたいと思っております」


皆、なにか思い思いのことがあるようだ。


でも俺は今、キャサリンに止めてもらい、誰の心の中の声も聞けない。

何を考えているかまでは分からない。


「その前に、一人どうしても皆さんに話したいことがある人がいます。

キャサリンさん、こちらへ」


場が静まり返る。 壇上に上がったキャサリンは大きく息を吸った。

その瞬間、雰囲気が変わる。


誰もが、その瞬間に存在感が変わったのを感じ取った。

入れ替わったのだ。


「みなさん、初めまして。 私は貴女方を襲った鬼を生み出した存在です」


はっ。誰もが息を呑んだ。


「貴女方には辛い思いをさせてしまったことを申し訳なく思っております。

そのため、どうしても皆さまに謝罪をしたく、

無理を言ってここに来させてもらいました」


誰もが言葉を出せない。

俺は思わず壇上に駆け上がった。


「みんな、聞いてくれ。

鬼がみんなに暴力を振るったのは、彼女の命令ではないんだ」


どうしよう、鬼は人間の男性が変化した存在だということは明かされていないかもしれない。

でも、


「あれは、人間の欲望が解放された結果、引き起こされた悲劇だったんだ」


皆が顔を見合わせる。


「あと、キャサリンは、鬼を生み出した彼女とは関係はない。

あの未来でのキャサリンは、あれ以上の被害者を生み出さないために遣わされた存在だったんだ」


そこに杏奈先輩が声を出した。


「そのキャサリンは、あの4月に転入してきていた、長身巨乳だったっていう人?」


この緊迫した雰囲気に”長身巨乳”って……。

それはともかく。

「はい、そうです」

「さっきまでいた、キャサリンとの関係は?」

「容姿が変わってしまっていますが、基本は同じ存在です」

「そう、私からしたらライバルが減ってよかったのだけれども」


あの、杏奈先輩、今、それ関係あります!?

いくら貴女が俺の理想の長身巨乳だからって!


真帆先輩も声を上げた

「時を巻き戻したって女神様との関係は?」


キャサリン、いや二人目の愛の女神は答える。

「元は同じ存在です。些細な経験の差で二人に分かれました」


結衣も声を出した

「貴女にも時を巻き戻すとか凄い力があるの?」


「はい、鬼が出現する世界に書き換えたのは私です。

でも、もうその力はありません。

私はもう消えていきます」


「消える?」

遥が首を傾げる。


俺は思わず割り込んだ。

「あの消えた未来のキャサリンは、多くの女子を危険から事前に救って、最後には力尽きていたんだ。

それをこの二人目の女神が、自分の罪滅ぼしもあって、キャサリンに融合して今のキャサリンが生まれた。

それで今のキャサリンが優位の人格として、この二人目の女神は消えようとしている。

だから二人目の女神は、自分が消える前にみんなに謝罪したいって言っているんだ」


「謝罪って言われても、私たちあの出来事を恨んでいないよ」

それは杏奈先輩の声だった。


洋子先輩も言った。

「だって、あのことがなかったら、晴道くんとこんな関係になれなかったし」


「私もあのことがなかったら、晴道の理想のおっぱいになれなかったよ!」

結衣、今、それを言う?


「だから気にしないで」


それが誰の声かはもう関係なかった。

みんな温かい目で二人目の愛の女神を見守っていた。


「ありがとう。もう思い残すことはありません」

そう言うと、二人目の愛の女神は俯いた……。


「みんな、ありがとう」

顔を上げてそう言ったのは、キャサリンだった。


もう二人目の愛の女神は消えていた。


⸻


Scene020【閑話】


⸻


もう一人の私の自我が消えた。


でも、悲しむ必要はない。

存在自体が消えたわけじゃなくて、

キャサリンの魂と融合しただけ。

私と同じ存在が、キャサリンの魂を形作っている。


やはり、キャサリンは私の娘ね。


あれ? 私は晴道の娘の晴花とほぼ同等の存在。

晴花は晴道の娘で、その晴花の娘がキャサリンなら……

キャサリンは晴道の孫なんじゃない?


ねえ、晴道おじいちゃん。


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