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人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第14話【その帰国子女、多忙につき】

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ep004:その二人、お揃いにつき

⸻


Scene013【手紙】


⸻


俺たちは買い物の前に、花音さんからの手紙を確認する為、カフェに入る事にした。


キャサリンは千紗へ便箋を差し出してきた。

どうやら宛先は千紗のようだった。


内容はこうだった

『千紗ちゃん、キャサリンは可愛いわよね。

まるで自分の娘のように感じてしまいます。』


花音さんが思い出した前世は何度も繰り返している前世の内でも

”俺と結婚した前世”ではないみたいなんだが、千紗と同じで魂が覚えているんだろうな。

だから身元引受人にも名乗りを上げたのだろうか。


『千紗ちゃん名義とキャサリン名義のクレジットカードを同封します。

暗証番号はそれぞれの誕生日にしています。

キャサリンに何か買ってあげる時は、引き落としは私の口座なので、気にせず使ってください。』


それって千紗が買ってあげる事になるのか?


『お金の話ではなく、千紗ちゃんが買って手渡ししてあげる事が大切だと私は思います。』


そういう理屈か…

一緒にそれを読んでいた、千紗がキャサリン名義のクレジットカードをキャサリンに手渡す。


「クレジットカードの使い方は大丈夫?暗証番号は誕生日だって」

「はい、一般常識はインストールされているので大丈夫です。」


”インストール”その言葉に千紗の顔が曇る。

そうだキャサリンは産まれたばかりなんだ、これから普通の日常をもっともっと経験していかないとな。


『追伸、キャサリンとお揃いで色違いなら千紗ちゃんの分もこのカードで買って良いよ、

というより、色違いの千紗ちゃんとキャサリン見てみたいな”はーと”』


”はーと”はわざわざひらがなで書いていた。

それにしても、そのカードはブラックだった。


花音さんやっぱり半端ねぇ


⸻


Scene014【プレゼント】


⸻


その後、千紗は俺とキャサリンをランジェリーショップへと連れてきた。


「俺は外で待っているから…」

「「晴道が選んで!!」」


ダブル千紗のおねだりだ。

抗(あらが)えるわけがなかった。


「これなんてどうかな?」

「これは?」


千紗とキャサリンが交互にブラジャーを持って、俺に聞きに来る。


(何これ?双子?見分けがつかなから、片方が髪を染めてカラコンを着けているとか?)


耳を澄まずとも店員さんの強い心の中の声が漏れ聞こえてくる。

まぁ当たらずとも外れずって所かな。


やがて数点に絞られ、二人が試着する事になった。

今度こそ


「じゃあ、俺は外で待っているから!」

「「駄目!ちゃんと”見て”選んで」」


抵抗は無駄だった。

そういえば、由美子と結婚した前世でもこんなイベントあったっけ。


先にキャサリンが試着する事になり、フィッテイングルームへと連れていかれる。


「中に仕切りがありますので、大丈夫ですよ」


店員さんはそう言うが


(着けている所見せるつもりなんだ、最近の高校生は大胆ね)


そんな事を考えていた。

由美子との前世のイベントでも、中は覗かなかったぞ。



「はい、こうして、身体を前に倒して、反対側の手でバストをカップに入れて…」


声だけで生々しかった。


「丁度よいようですね、それでは一旦失礼しますね。」


店員さんが出てきた。


「とってもお似合いですよ、ちゃんと”見て”あげてくださいね!」


逃げ道を塞がれた。


やがて内側のカーテンが開かれる。

キャサリンの金髪碧眼にアイスブルーの下着が似合っていた。


「とっても似合っているよ」

「私この色にします!!」


⸻


その後、千紗との同じイベントをこなす事になる。

千紗の下着は千紗のイメージ色のピンクだった。


二人はそれぞれの色で3着ずつ買ったようだ。

千紗は花音さんから貰ったカードで会計をした。


「これは、私からのプレゼントよ!」

「えっ、本当!千紗ママからのプレゼント嬉しい!!」


キャサリンは飛び上がらんばかりに喜んでいた。

千紗は花音さんの財力によるプレゼントに少しだけ複雑な思いがあるようだったが

『キャサリンがこんなに喜んでくれるなら』と納得した様子だった。


⸻


Scene015【日常】


⸻


キャサリンと千紗はランジェリーショップの後も買い物を続けた。

お揃いのパジャマ、お揃いの室内着、

全てライトブルーとピンクで揃えた。

それはごく普通の女子高生がショッピングを楽しんでいる姿に見えた。

使っているカード(金額)を除けばだが。


夕食は3人で外食にした。

ビュッフェスタイルのレストラン。

和洋中なんでもありのスタイルだ。


キャサリンはよく食べ、よく笑った。


「晴道、これ美味しい!」

「千紗ちゃん、これもっと取って良いかな!?」


俺はそんなキャサリンをからかう。


「キャサリン、そんなに食べたら太るぞ。

いや、キャサリンだけ太ったら、千紗と区別がつくようになって良いかな!?」

「晴道のいじわる!」


キャサリンは皿に山盛りの料理を手にしながら唇を尖らす。


「おっぱいだけ大きくなるから良いもん!!」


うん、それは良いかもな!

そんなことを考えていたら、千紗に白い目で見られた。


三人分の料金は俺が出した。


⸻


「少しお散歩したい」


そう言うキャサリンに付き合い、少し遠回りをして駅に向かう。


「あはは、あはは」


キャサリンは笑ってくるくる回りながら歩く。


「おいおい、前を見て歩かないと、人にぶつかるぞ」


ドンッ。


ほら、言わんこっちゃない。


「おうおう、ぶつかっといて詫びもなしかよ!

このアマ、ホテルに連れ込んで、ヤッちまうぞ!」


それに対して、キャサリンさんは早口で言った。


「Harumichi, beat the shit out of that fucking pig already!」


いや、キャサリンさん、自分がぶつかっておいて、それはないんじゃ……。

相手が英語圏の人だったら、どうするつもりだったんですか?

俺は相手の男をよく見てみた。

いや、ここまでいかにもチンピラだって奴、まだこの世にいたんだな。

って、


「「あっ」」


千紗と俺の声が重なった。


いつだったか、花月さんに絡んでいたチンピラなんじゃ…

でも今回悪いのはこちらなので、下手に出る。


「連れが申し訳ない。お怪我はありませんか?」

「なんだ、このガキは」

(ガキのくせに、二人もマブを連れやがって。一発脅してやって、二人ともホテルへ連れ込んでやる)


チンピラって学習能力ないのか?

チンピラは俺に睨みを利かせた。


「あっ」


俺のことを思い出したようだった。


「しっ、失礼しました〜!」


チンピラは腰を抜かして、へこへこと歩いて行った。

ズボンの股間が濡れていた。

なんだ、学習能力ばっちりじゃないかよ。


「パパ、格好よかった〜」


キャサリンが抱きついてきたが、今回俺は何もしていないと思うぞ。

まあ、これもよくある日常だよな。


(それは違うと思う)


千紗が心の中の声で突っ込んできた。


⸻


Scene016【閑話】


⸻


それは今まで語られたことのなかった、晴道の前世。

それをしばし、晴道の視点から外れて語ろう。


⸻


あの観覧車での告白の後、花音は教職を続け、師弟愛を独占し、晴道の隣に居続けた。

そして口では「愛人でいい」と言いながら、千晴・千紗と壮絶な恋の駆け引きを続けた。


この前世では由美子と再会はせず、梨子との仲も深まらなかった。

早紀も愛人枠には加わらなかった。

それになんと、叔母の香織ですら太一と結婚し、晴道の元を離れたのであった。


そんな千晴・花音・千紗との濃密な関係の中、

最終的には千晴が身を引いた。


それは花音が大学を辞め、霞の宿に戻ると決めた時のこと。


「俺、花音さんについて行きます。

下働きでもなんでもやります!」


晴道がそう宣言したのだった。

そんな晴道に花音の父、直人が言った。


「ちょうど支配人の後継者を探していたんです。

長男の文晴はまだまだ小さいですし、

もし私の後を継ぐ覚悟があるならば、雇用しましょう」

「はい、やらせてください」


晴道は二つ返事で引き受けた。


そして、み組への就職が決まっていた千紗は悩んだ。

そんな千紗に南は言った。


「霞の宿の直人さんがね、『今まで自分が会計をしていたが、後継者探しと共に会計のアウトソーシングを考えている』っていうのよ。

それをみ組が引き受けることになったら、千紗ちゃん”霞の宿に常駐で”引き受けてくれない?」


千紗は二つ返事で引き受けた。


こうして花音・晴道・千紗の3人は、霞の里に移り住むことになった。

しかし、霞の里に移り住む決断までできなかった千晴が、身を引くことになったのだ。


⸻


こうして、3人は霞の里で幸せな家庭を築く。

やがて晴道は株式会社霞の宿の取締役に就任し、千紗も会計として取締役に就任する。

花音はというと、霞の宿に戻った直後に子供を身ごもり、晴道と結婚した。


「女将を引き継ぐつもりで戻ったのに」


本人はそう言ったが、霞の里の人々は花音を祝福した。

やがて産まれた娘は晴花と名付けられる。

そして千紗の献身的なサポートによって、花音は早期に女将の修行へ復帰した。

晴花にとって、千紗は第二のママとなった。

すくすくと育った晴花は、文晴の少し年の離れた妹分として里に愛され、幸せに暮らし続けるのだった。



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