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人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第14話【その帰国子女、多忙につき】

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ep003:その騒ぎ、お約束につき

⸻


Scene009【3人の夜】


⸻


街を案内しつつ、キャサリンはホテルの部屋に荷物を取りに戻った。

花音さんの部屋に引っ越すのは明日でも、着替えくらいは必要だろう。

ホテルの部屋まで付いていった千紗が言った。


「晴道、明日は買い物よ!

キャサリンったらね、ろくな着替え持ってないのよ。

今晩の寝間着と下着は私のを貸してあげる」


キャサリンは赤くなって俯いていた。

可愛い。


⸻


俺たちは千紗の部屋に戻り、美優さんの夕食をいただいた。

暖かな時間が流れる。

食事の後、俺は切り出した。

土日の泊まりがけの集まりに千紗を誘ったことだ。


「キャサリンちゃんの歓迎会でしょ、オッケーよ。

花音さんからも連絡がきたわ」


千紗が来るって決めた時、花音さんにもLINEで連絡しておいたから、根回ししてくれたんだな。

さらに千紗も切り出した。


「美優お母様、今晩はキャサリンの所に泊まりに行っても良いかな?」

(キャサリンと晴道、二人きりにはさせられない)

「晴道くんの部屋よね。

沙織さんと洋介さん、旅行中ですものね」


そうだ、俺の両親は

今日木曜から三泊四日で二人で旅行に出かけている。

俺が土日に泊まりがけで出かけるのを知って、

自分たちもと計画したんだろう。


「三人なら、変なこともしないでしょうし。

良いわよ」


バレてると言うか、美優さんフラグ立てないでください。

それ、変なことしちゃうパターンです。


千紗は赤くなって俯いていた。

可愛い。


⸻


俺は先に自分の部屋に戻った。

俺の部屋にはお約束の書き置きがあった。

『シーツ変えてあるから、ダブルベッド使っても良いわよ』

あー、うん、今回は使わせてもらうよ。

さすがに千紗とキャサリン、二人と一緒にこのベッドでは寝られないや。


⸻


俺がシャワーを浴び終わると千紗がやってきた。


「ねえ、晴道、キャサリンはまだお風呂に入ってるの。

だから今のうちに……」


そう言って、背伸びをして俺の首に腕を回してきた。

俺は熱いキスをする。

大人のキスだ。


「はぅ、はるみちぃ」

「キャサリン、ここまでだよ」

「気づいていたの?」


一瞬で金髪碧眼のキャサリンに戻っていた。


「そんなこともできるんだ」


キャサリンは声も千紗と同じだ。

だから区別のために、あの変な日本語を使っているのだろう。

もしこれがアニメならば、同じ声優が演じるであろう。

実は全く区別できていなかった。

でも、千紗ならこういう時、照れ隠しに心の中の声でからかってくる。

それが無かったから、分かった。


「パパのい・じ・わ・る」


上目遣いで唇を突き出すキャサリン。

可愛すぎだろ!


⸻


すぐに本物の千紗もやってきた。


(ねえ、二人で何してたのよ)


心の中の声で問い詰めてきた。

微妙な空気感を察知したらしい。


「二人はこの部屋で、寝てくれ」


俺は二人を両親の部屋へ案内する。


「「ねえ、晴道も一緒に寝よ」」


いや、そんなことをしたら、寝られなくなるって!


「「私と一緒じゃ嫌?」」


ダブル千紗のおねだりだ。

抗(あらが)えるわけがなかった。


俺は美優さんが立てたフラグを見事に回収してしまった。


⸻


Scene010【三人の登校】


⸻


次の朝、千紗が作った朝食をいただく。


「千紗ママのご飯、美味しいです!!」


そうだろ、千紗の作る食事は心がこもっていて、最高なんだぞ!

そして、三人で登校する。

由美子がいつもの場所で待っていた。


「千紗が二人いる!!」


お約束の反応だ。


「だから、昨日教室で言ったろ。

なのに由美子ったら『同じロリ巨乳だからって、区別つかないんじゃないの?』なんて言ったんだぜ」

「私、なんでそう思ったんだろう……」


由美子はしゅんとしていた。


(ねえ晴道、キャサリンって、あの消えた未来のキャサリンなの?)


いや、だから、由美子は俺が心の中の声で答えても聞こえないだろ。


(えっ? 今、晴道の声が聞こえた!?)


えっ?


(私が晴道パパと由美子ママを通じさせました)


キャサリン、そんなことまでできるのか。


(由美子、聞こえるか?)

(うん、聞こえる。これが心の中の声なのね)

(全てはこの土日の集まりで話すよ。由美子も来るんだろ?)

(分かった、もう明日だしね。その時まで待ってるよ)


それにしても、由美子もママか。

キャサリン晴花と同等の存在っていう、あの一人目の愛の女神の因子を通して、前世の記憶を持っているんだよな。

俺が由美子と結婚した前世の記憶も持っているんだな。


⸻


由美子も一緒に登校すると、


「「「千紗が二人いる!!」」」


大騒ぎになった。


「美奈(みな)さん、おはようございマッスル。

キャサリン早乙女デスます」

「昨日、晴道が言っていたとおりなんだ……」


落ち着くまでしばしかかった。


⸻


授業はあっけないほど順調に進んだ。

キャサリンは積極的に手を挙げて、

おかしな日本語で笑いを取る。

キャサリンはあっという間にクラスに溶け込んでいった。


⸻


Scene011【歌】


⸻


学校が終わった後、俺たちは少し離れたターミナル駅前にあるショッピングモールに来た。


キャサリンが楽しそうに歌っている。


「Shopping with Daddy, shopping with Mommy,

Happy, happy, I’m so happy! ♡」


「えっと、『ダディ、マミー』って『パパ・ママ』だよね」


隣で歩いている千紗がつぶやく。

色違いの美少女二人が並んで歩く風景はとても目立つ。


(パパ・ママって呼んだら駄目?)

キャサリンが心の中で聞いてきた。


(えっ! キャサリンの心の中の声?)

えっ、千紗にも聞こえた?


(まるで、テレパシーチャットだな)

(便利でしょ!)

それにキャサリンがなんでもないように答える。


(心の中の声なら、ママって呼んでも良いよ)

千紗も答える。


(歌でも、晴道パパと千紗ママのことだって分からないよ)

キャサリンの返しに、


(まあ、良いんじゃないか)

俺は答えた。


「Shopping with Daddy, shopping with Mommy,

Happy, happy, I’m so happy! ♡

I love Daddy, I love Mommy,

That’s why shopping’s so much fun!

What should I buy? What will Daddy buy me?

What will Mommy buy me? I can’t wait to see! ♡」


キャサリンは歌い続けた。


(えっと、晴道、なんて歌ってるのかな?)

(えっとね、『何買おうかな、ママには何買ってもらおうかな?』ってところかな)

(私が買うわけじゃないんだけれども……)


そう心の中でつぶやく千紗に、キャサリンが話しかけてきた。


「そうだ、花音ママから手紙を預かっているの」

(ふーん、花音ママね)


千紗の心の中の声が冷たい。


(そっ、そういう前世もあったって話さ)

そう誤魔化す俺に、


(私と結婚した前世はないくせに!)

千紗のツッコミが厳しい。


(千紗は結婚しなくても、いつも俺にとって特別だよ)

俺は人目をはばからず、千紗の肩を抱き寄せる。


「そういうの、ずるい」


千紗は口に出して顔を赤くする。


「千紗ちゃんだけずるい!!」


キャサリンも反対側の腕にしがみついてきた。


⸻


Scene012【閑話】


⸻


それは今まで語られたことのなかった、晴道の前世。

それをしばし、晴道の視点から外れて語ろう。


⸻


それは晴道が芸能界に入らなかった前世。

花音が1年で霞の宿に戻ってしまった前世。


由美子は2年ぶりに晴道に会いに行った後、第一彼女に収まった。

そのまま一度も第一彼女から落ちることなく、大学を卒業する。


そして、晴道が大学院に進み、由美子がバレーボールの社会人チームに所属した年、彼女はオリンピックの代表選手に選出される。

そして日本に金メダルをもたらした。


⸻


「晴道、私やったよ」

「うん、由美子は凄かった」

「私ね、オリンピックのレギュラーメンバーになれて、

金メダルが取れたなら、実行しようと思っていたことがあるの」


晴道にはそれが何か、予想がついていた。

それでも優しく聞いた。


「それはなんだい?」


由美子は大きく息を吸ってから、

力強く言った。


「晴道、私と結婚してください」


晴道も応える。


「俺はしがない大学院生で、由美子を養うこともできない。

それでもいいのかい?」


由美子はにっこりと笑って言った。


「私、お給料もちゃんともらっているし、

CMの出演料なんかでも稼いでるよ。

晴道のことも養えるから。

晴道は一緒にいてくれれば良いの」

「分かったよ。俺も早く研究者として、稼げるようになるから。

俺と結婚してくれるかい」


そうして二人は結婚した。

さらに四年後、晴道は早くも准教授に就任していた。

異例の速さだった。

由美子はオリンピックで日本に二大会連続の金メダルをもたらす。

そして、そのインタビューでこう宣言した。


「今大会をもって、私はバレーボール選手を引退します。

次は一番のママを目指します」


その宣言通り、二年後には長女を出産。

晴花と名付けられる。


ちなみに千紗は、この前世でも晴道の傍らに居続ける。

そして由美子の子育てをサポートし続け、

由美子の子育てのインタビューやTV取材でも、度々名前と顔が出る。

その結果、ある子育て雑誌での特集記事『遠くの実母(はは)より近くの親友。第二のママはそこにいた』で有名になるのだった。


晴花は母の血を濃く受け継ぎ、スポーツ少女として成長する。

そして、母娘二代でバレーボールのオリンピック選手となり、日本に金メダルをもたらすのだった。



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