ep007:その犠牲者、水着女子につき
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Scene022【お見舞い:真帆】
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まずお見舞いに訪れたのは藤原真帆先輩のところだ。
大腿骨骨折と、洋子先輩に次ぐ大怪我をしている。
洋子先輩は心の傷が大きく、家族の手厚いケアが必要と判断されて自宅療養となっていたが、他の人たちは機密保持の意味もあり、政府直轄の治療施設にて保護されている。
コンコン。
俺はノックした。
「はい、どうぞ」
「失礼します」
真帆先輩の返事があったので、俺は室内に入る。
「えっ、晴道くん、どうして!?」
「真帆先輩、お久しぶりです」
真帆先輩は足を固定され、痛々しい姿でベッドに横たわっていた。
「ここは政府の極秘施設って聞いたけれども……」
そんな所に突然高校の後輩が訪れれば、疑問にも思うだろう。
「政府の方から聞いていませんか?」
「今日は特別な治療師が来るって聞いていたけれども」
真帆先輩は首を傾げる。
「それが俺です」
「えっ?」
真帆先輩は少しだけ考え込んだ。
「それって心のケアってことかな?
そりゃね、晴道くんが来てくれたら、
それ以上の癒しはないけれども♡」
あっ、今の、絶対に語尾にハートマークが付いていた。
「いえ、もちろんそれもですが、
俺が真帆先輩の身体を元通りにしてみせます」
それから真帆先輩に、これから行うことは絶対に他言無用であることを約束してもらい、治療の同意を得た。
「私、晴道くんの言うことなら何でも信用しちゃうよ♡」
真帆先輩の答えは軽かった……。
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それからすぐに、真帆先輩は手術室へと運ばれた。
ご家族の同意は政府を経由して既に得ている。
俺の治療に手術など必要ないが、真帆先輩は大腿骨を固定するために金属の金具が入れられている。
気の治療で異物の排出も不可能ではないかもしれないが、俺にそのイメージが湧かない限り成功はしない。
「本当に麻酔なしで良いのか?
いや、愚問だな」
外科的処置を担当する霞の者の医療スタッフが、
真帆先輩に聞こえぬように小声で聞いてきた。
このスタッフは、あの暗殺集団を治療したときに立ち会っている。
「真帆先輩、少しだけ寝ていてください」
俺は気の力で真帆先輩を眠らせた。
「それでは処置を始める」
その間、俺は痛みが伝わらぬように真帆先輩へ気を送り続ける。
「よし、これでいいぞ」
金具の摘出は終わったようだ。
俺は気による治療を始める。
真帆先輩は水泳の選手だ。
今後の活躍に影響などあってはならない。
それに水着で肌を晒す。
太股に一点の傷跡も残さない。
「終わりました。念のためチェックをお願いします」
「ああ、任せてくれ」
スタッフがレントゲンやエコーでチェックを行う。
「完璧だ。一点の痕跡も見つけられない」
医療スタッフはそう言って帰っていった。
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真帆先輩を部屋に戻してから、目を覚まさせる。
「真帆先輩、おはようございます」
「目が覚めたら、目の前に晴道くんの顔があるって、
ここは天国なのかな♡」
真帆先輩、いちいち語尾にハートマークを付けないでください。
「ここは元の部屋です。
処置は終わりました。
完璧に元通りです」
「えっ? もう?」
真帆先輩は目を丸くする。
「はい、足を確認してください」
俺は一度部屋を退出しようとしたが、
「晴道くん、怖いの。
一緒に確認してくれないかな」
真帆先輩が泣きそうな顔で見上げてきた。
うっ、こんなの断れるわけがないじゃないか。
「分かりました」
真帆先輩は掛け布団をそっとめくった。
真帆先輩は未だ手術着のままだ。裾を広げる。
真っ白な太股が現れた。
夏場は部活で全身黒く焼けているが、本来の真帆先輩は色白のようだ。
「傷跡もあざも、手術の痕もない!」
「骨も元通りです」
真帆先輩は床に降り立った。
「嘘、凄い、魔法みたい!!」
真帆先輩は俺に抱きついてきた。
「あのね、晴道くん」
真帆先輩は急に赤くなってうつむいた。
「晴道くんが治してくれたんだよね」
「はい、そうです」
「寝ている間もね、晴道くんから温かいものが流れ込んでくるのを感じていたよ。
それでね、とっても気持ち良かったの」
えっと、これって……。
真帆先輩はもっと赤くなっていく。
「心地良いって意味じゃないの。
性的な意味なの、快感を感じたの」
そんな気はしていた。
だって、足を確認する時に見えてしまった純白のパンティは、股間部分が濡れてしまっていたから。
「晴道くんが真面目に治療してくれたのに、
私って最低だよね……」
いやいや、真帆先輩は悪くない。
「ごめんなさい、真帆先輩。
俺の治療は身体を敏感にさせてしまうんだ。
真帆先輩だけが特別なわけじゃないんだ」
「他の女の子にもこんな治療したんだ。
それで皆、こんな快感を感じたの? それで?」
あっ、しまった。失言だったかも。
「あ、いや、それだけで……」
「あのね、晴道くん。
私のこと、元に戻してくれるって言ったよね」
「ええ、もう元通りですよ」
「違うの! 心の問題なの!
私ね、鬼に犯されかけたの!!」
あっ、あっ、それは……。
花音さんは、他に性的な被害を受けた人はいないって……。
いや、未遂なら本人が申告しなかったら分からないのか?
「必死で抵抗したら鬼は怒って、
私の足を持って投げ飛ばしてきて。
その時に太股がブロック塀に当たって、骨が折れたの」
そんなことがあったなんて。
「だからね、私、多分もう男の人に身体を委ねられないと思うの。
いざその時が来たら、鬼のことを思い出して怖くなる」
PTSDは十分にあり得る。
「でもね、さっきね、夢の中で晴道くんに抱かれていたの。
気持ち良くて幸せだったの。
だから、本当に私を抱いて!
それは怖くないんだって、教えてほしいの!」
真帆先輩はすがりついてきた。
俺に拒否なんてできるはずなかった。
そのまま“して”しまった。




