ep006:そのお見舞い、全員と”して”しまったにつき
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Scene020【お見舞い】
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俺は被害に遭った女性たちに会うことにした。
洋子先輩ほどの被害には遭っていなくとも、
痕が残るほどの傷はあるかもしれないし、
心のケアは必要だろう。
これまでに鬼に襲われた女性は八人。
そのうち怪我をしたのが、洋子先輩を含めて六名。
さらにそのうち一名は軽症で、既に復帰している。
ケアが必要なのは四名となった。
神谷 杏奈 卒業生
藤原 真帆 三年生
香川 遥 二年生
森下 結衣 二年生
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「遥と結衣は昨年同じクラスでした。
京子の陰に隠れて目立たなかったけれども、
正直かなり好意を持たれていました」
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「いや、手は出していませんよ!」
「真帆先輩は水泳部です。
あの巨乳は泳ぐのに邪魔だろと、注目の的でした」
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「正直言うと、プールデートしたことがあります。
いえ、二人っきりじゃないですよ。
どこからか嗅ぎつけた千紗も強引についてきました」
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「はい、千紗に気づかれなかったら、二人っきりでした」
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「正直やばかったです。
千紗がいなければ、先に花音さんの黒ビキニを体験していなければ、どうなっていたか……」
・
「だから、手は出していませんって」
「神谷先輩とは交流がありませんでした」
・
「本当ですって!」
・
「えっ?学校に『小泉晴道ファンクラブ』なんてあるんですか? 神谷先輩はそこの初代会長だと……」
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「いや、本当に知らなかったですって!!」
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さっきから、誰と話しているかだって?
情報提供してくれている、花月さんとだよ。
情報提供してもらいに来ただけのはずなのに、
花月さんの前で正座させられている俺がここにいる。
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俺は順番にお見舞いに行き、気の力で傷と傷痕を治した。
そして、全員と“して”しまった。
だってさ、『忘れさせて』ってしがみついて泣かれて。
振り払える男なんているわけないじゃないか!!
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Scene021【閑話】
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私は焦っていた。
レイスの出現頻度が上がったのだ。
いずれ自分一人では対処できなくなる。
幸いなのは、情報生命体それ自体は直接干渉する力がないことだ。
媒体としている少女がその場にいる必要がある。
だから、その少女の動きを見張っていればいい。
しかし、その少女が移動しながら複数箇所でレイスを発生させたら?
レイスを発生させるだけならば、一度に何体でも発生させられる。
レイスを取りこぼし、鬼が発生してしまえば、その対処中に別の場所でレイスを発生させられるかもしれない。
レイスの出現頻度が上がったのは、晴道が犠牲者の少女たちを治療したためだろう。
干渉してきている情報生命体は、完全に媒体の少女と同一化している。
私を生み出した情報生命体のように、俯瞰で見た情報収集はできない。
なのに、晴道の動きがばれているのは、その少女の本来の交友関係の広さからくる情報収集力の強さだろうか。
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私は晴道に相談をした。
晴道も見回りの手伝いを申し入れてくれたが、監視対象を知っているのは私だけだ。
監視対象を晴道に教えるわけにはいかないジレンマがあった。
そんな中、花音から新たな提案があった。
今まで事態を完全に秘密にしていたのは、下手に情報を公開した時、怪我により動けない生徒及び卒業生が5名もいることが知られると、パニックになる可能性を恐れたからである。
しかし、5人は晴道の治療で復帰が可能となった。
もちろん当人たちには事件を秘密にすることをお願いした。
花音が『もし秘密を喋ったら、二度と晴道に会えなくなる』――そう一言伝えるだけで、秘密は完全に守られた。
その上で、学校が情報を少しだけ公開する。
『この学校の生徒をつけ狙う不審者がいる。
軽傷を負わされた生徒もいるので、厳重な注意が必要です』
その上で、事件解決まで夜間の不要な外出の禁止。
外出が必要な場合は、必ず大人の人と同行すること。
それを発表した。
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これで監視対象の少女にも、また変わった動きがあるだろう。
その時が勝負の時だ。




