↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人の心が見える俺にはハーレム生活イージーモード、でも一人に絞るのは無理ゲーだったin二度目の人生。  作者: iron-bow
第12話【その帰国子女、デンジャラスにつき】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/94

ep002:その転校生、不可思議につき

⸻


Scene005【もののけ】


⸻


晴道が守から聞いた情報はこうだ。


晴道たちの住む大田区周辺で、何か異形の物に襲われる事件が発生し始めた。

被害者たちが口々に言うのだ。

「鬼に襲われた」「悪魔に襲われた」

この時代、どこにでも監視カメラはある。

事実はすぐに明らかになるだろう――そう思われたが、事態は意外な方向へ動いた。


確かに“鬼”や“悪魔”に見える物が人を襲っている記録映像は、すぐに複数見つかった。

問題はそこからだった。


その“鬼”や“悪魔”に見える物の足取りを追いかけると、それらはやがて苦しみ始めて倒れ込む。

そして、そこには衰弱した人間が残されるのだ。

最近多発していた、衰弱して倒れているところを保護される人々の案件が、ここに繋がった。


ここで大きな疑問が浮かぶ。

衰弱して倒れているところを保護される人々は、

確かな身分を確認できる人ばかりだった。

身元不明な人など、ほんの一握りだったのだ。

ならば、なぜそれらの人々は“鬼”や“悪魔”になっていたのか?


それも監視カメラから追いかけられた。

人を襲った“鬼”や“悪魔”の足取りを遡ったのだ。

すると、それらの人々が突然“鬼”や“悪魔”になったとしか思えない記録が複数見つかったのだ。

そして、さらにその瞬間が捉えられている記録が2件見つかった。

普通に歩いている彼ら。その背後に何か不透明なモヤのようなものが現れ、彼らに触れた瞬間――。

彼らは“鬼”や“悪魔”のような異形へと変わっていったのだ。


警察は何か不可思議なことが起きていると判断し、政府に報告を上げる。

そして、政府はそれを霞の者に調査・解決の依頼をしたのだった。


⸻


Scene006【転入生】


⸻


やがて新学年が始まる。

晴道たちは2年生となった。


2年1組にはこんなメンバーが集まる。

担任

一ノ瀬(いちのせ) 花音(かのん)


男子には

小泉(こいずみ) 晴道(はるみち)

高村(たかむら) 武(たけし)

篠原(ふくはら) 潤(じゅん)


女子には

如月(きさらぎ) 千紗(ちさ)

斉藤(さいとう) 早紀(さき)

早乙女(さおとめ) 莉子(りこ)

里塚(さとづか) 由美子(ゆみこ)

中里(なかざと) 京子(きょうこ)

氷室(ひむろ) 優香(ゆうか)


まるで、誰かが仕組んだようだった。


⸻


そして、初のホームルーム――。


「おはようございます。

今年1年このクラスの担任になりました、

“一ノ瀬(いちのせ) 花音(かのん)”です。

よろしくお願いします」


花音はクラス全員を見渡してから続けた。


「今日は皆さんに転校生を紹介します。

早乙女キャサリンさん、入ってください」


入ってきたのは金髪碧眼の美少女だった。


「彼女は日本人のお父様とアメリカ人のお母様の間に、

アメリカで生まれました」


少女は英語で挨拶をした。


「Hi, nice to meet you. My name is Catherine Saotome.

I’m sorry, but I’m not very good at speaking Japanese.

I can understand spoken Japanese pretty well, though, so please feel free to talk to me.」


花音は自分では通訳せず、晴道を指名した。


「晴道、通訳してあげてくれるかしら」


しかし、晴道は呆然としていた。

その美少女を凝視していた。


なぜなら、その美少女はあの夜の魔法少女に違いなかったのだ。


キャサリンは晴道の元に歩み寄って、彼だけに聞こえるように耳元で話しかけた。


『We meet again. I told you we would. I was born to meet you.』


晴道にはその言葉が、運命の歯車を切り替える合図に聞こえた。


花音が慌てて声をかける。


「ちょっと難しかったかしら? 彼女はこう言いました。

『こんにちは、初めまして。キャサリン・早乙女です。

日本語を話すのはあまり得意ではありませんが、聞き取ることはできます。

皆さん、気軽に話しかけてください』

皆さん、仲良くしてあげてくださいね」


クラスの生徒たちは納得した。


『そうだ、花音先生はハーバード大学卒で、英語がネイティブレベルに使えるんだった。

それでこの帰国子女を迎えるのに、うちのクラスの担任になったんだ』


そんな中、晴道だけが何かに仕組まれているような、

そんな違和感を拭えなかった。


⸻


Scene007【違和感】


⸻


この日はホームルームだけで終わりだった。

花音さんが解散を告げるとクラスは騒然となった。


キャサリンの席は俺の隣に指定されていたので、

みんなが集まってきた。

そんな中、莉子が真っ先に話しかけてきた。


「キャサリン!!

ええっと、あれ? この場合どう言えばいいのかな?」

「えっ? 何々?」


優香が莉子に問いかける。


「えっとね、キャサリンは私の従姉妹なの」


まあ、ファミリーネームからそんな気はしていた。


「でも、ずっとアメリカに住んでいて、直接会ったのはこれが初めてなの!

文通やチャットではたくさん会話をしてたのにね」


違和感がある。

おかしい。


「そんな話、一度も聞いたことなかった」


優香がつぶやく。

そうだ。莉子は優香の親友で、話題に出たことがないのはおかしい。

それに莉子は昨年夏から俺に積極的にアタックしてきている。

当然、家族構成の話題なんかも振ってくる。

俺にも話したことがないのは不自然だ。


「話したことなかったっけ?

そう言えば、キャサリンとはいつ頃から話してたっけ……。

あれ? 記憶はあるのに覚えていない?」


「The memories haven’t fully settled in.」


キャサリンのつぶやきはネイティブ英語で早口だったので、俺以外には聞き取れなかったようだ。

どういう意味だ?


「Hello, everyone. Let me introduce myself properly. This is my cousin, Riko. She’s told me so much about all of you that I already feel like I know you. Harumichi, would you mind translating for me?」


キャサリンが始めた挨拶を俺は通訳をした。


「皆さん、こんにちは。改めて自己紹介させてください。

こちらは私の従姉妹の莉子です。

彼女から皆さんのことをたくさん聞いていたので、もうすっかり知り合いのような気がしています」


キャサリンは続けた。


『Riko has told me all about what a wonderful guy Harumichi is. She’s talked about him so much. I’ve wanted to meet him for the longest time. I came to Japan to meet Harumichi. Harumichi, could you translate this for me, too?』


えっ、あの夜とさっきも聞いた『I was born to meet you.』はそういう意味なのか?

そんなことを考えていたので、俺は直訳してしまった。


「莉子から、晴道がどれほど素敵な人かいろいろと聞いていました。

彼女はいつも晴道の話をしていましたから。

ずっとお会いしたいと思っていたんです。

私は晴道に会うために日本に来ました」


「キャ、キャサリン!! 何言ってるのよ!」


莉子は慌てて否定しようとしたが――


「莉子、キャサリンの言っていること、本当だろうなって、みんな思っているよ」


千紗のツッコミは容赦なかった。


⸻


Scene008【閑話】


⸻


ここで、守が晴道にも告げていない情報を公開しよう。


この鬼化の事件は、晴道の住む大田区周辺だけで発生している。

鬼化しているのは男性だけだが、

被害者は若い女性だけだった。

こんな事件が明るみになれば世間は大騒ぎになる。

政府はその判断のもと、事件を非公開としているが、

そこにはもう一つ理由があった。

被害者の女性は全員が晴道と同じ高校に通っている、

もしくは卒業したばかりの生徒だったのだ。


この高校で何かが起こっている――目ざとい者は気づき始めていた。


そして守は、もう一つの共通点を見出していた。

被害者の女性は、例外なく全員が巨乳だったのだ。

守は真っ先に義理の娘の早紀を心配した。

だから、晴道にも話した。

しかし、晴道と話している間にある可能性に気づいた。


この女性たちは、晴道と同じ高校に通う女性で、しかも晴道の好みのタイプだ。

つまりは、晴道に好意を寄せられる可能性がある女性ばかりなのではないか?


もし晴道にこのことを気づかれたら、

晴道は自分のせいで女性が被害に遭っていると悩むかもしれない。

晴道は自分の彼女たちが被害に遭うかもしれないと、

事件解決のために無理をするかもしれない。

そう咄嗟に判断した守は、

被害者の情報をあえて晴道に伝えなかった。


この判断が、この事態にどう影響するのか――。

それはまだ誰にも分からなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。